片思い

シジュウカラ (緑丘公園)


 最近ではFieldの正体をご存知の方も増えているようなので、言うまでも無いかも知れぬ が、本業は印刷屋のオヤジであります。特に学校関係のお仕事が多いのですが、この時期“何とか卒業式までに…”という依頼が多く、特に地方の学校の先生は“平日には行けないので、土曜か日曜にお邪魔したい”という連絡が来る。“来て下さい”と言われるよりはずっと助かるお話なので、お引き受けしているのだが、その数人の来客の為に事務所を開けなければならず、従って遠出は叶わない。
 そんな理由も有って、今日も近場。この時期、
近場と言えば音更町の鈴蘭公園か帯広市の緑ヶ丘公園、もしくは音更町の白鳥公園、帯広市の合流点であったが、鈴蘭公園は周囲が工事され、何だか足が向かない。白鳥公園は護岸が大水で流され、うーんイマイチ!合流点も親水公園までは行けるが、その先に一般 車両立ち入り禁止の工事看板が設置されている。うーん、一体何をしてくれるつもりなんだか?少なくても、魚や鳥や昆虫やFieldにとって歓迎できる結果 にはならないのだろうなぁ…
 唯一、Fieldがご幼少の頃から大きく様変わりはしていない、この緑ヶ丘公園へ足は向いてしまう。ここでの最大の狙い目はシマエナナガであるが、そのポイントへ直接行くと逆光になってしまので、ぐるりと遠回りをすることが多い。その回り道の途中にシジュウカラが居た。いつもは単独行動のこの鳥さん、珍しく3羽がたむろしていた。

 

シマエナガ (緑丘公園)

 回り込んでたどり着いたポイントにシマエナガの姿は無かった。ポイントと云っても、シマエナガが移動するコースの一ヶ所でしか無いから、当然空振りする事の方が多い訳で…、今日もダメかぁと思いながら通 り過ぎ、名残惜しくて振り返ったその時に、シマエナガがやって来た。折角回り込んだのに、結局逆光じゃん!
 慌てて、それでも逃げられないよう、そっと戻りながらシャッターを切ったが、愛しのシマエナガはお顔を見せてくれない。しかも、光線の加減が丁度良い位 置に移動した時には、既に彼等の姿は無かった。うーっ!また振られたぁ!

 

アカゲラ (緑丘公園)

 蝶の撮影では、今日はここへ行ってこの蝶を撮るという明確な目的があるが、鳥の場合は結構行き当たりバッタリで、何か居るだろう…という程度にしか考えていなかった。しかし、シマエナガに限っては、ちょいと片思いしているかも知れない。振られても振られてもアタックするぞ!ってね。
 ところで、先月入手したこのレンズ。なかなか気に入ってますね。さすが高かっただけの事はあります。羽毛の繊維一本ずつ識別 出来るものね。600mm相当を手持ちで…なんて絶対に無理だと思っていましたが、カメラ・ボディの手ブレ補正も進化しているのかも知れません。本格シーズンまでには何とか手に馴染ませたいと思います。

 ところで、またまた暗いニュースでご免なさい。先週、友人が久しぶりに会社の事務所に現れたのですが、“同級生のY.W.死んだの聞いたか?”地元紙を購読していないFieldには初耳でした。やたら運動神経が発達した、バク転が得意の元気な奴でしたが、背骨を痛めて車椅子生活…までは知っていました。その彼が亡くなったそうです。
 そして先日、阿寒コタンのエカシ(長老)秋辺さんが亡くなったとT.V.のニュースで知りました。ルチアーノと阿寒へ取材に行った時(2009.11.29)、立派なヒゲをたくわえ、民族衣装に身を包んだ彼の姿を見て、ルチアーノが“撮影の許可をもらってくれ”と言うので、“撮影をさせていただきたいのですが…”と私なりに丁寧にお願いしたつもりでしたが、いきなり“断る”と言われました。私としては、単なる通 訳という立場だという認識で、ルチアーノに“ダメだって言ってるよ”と伝えている時に“ちょっと待て”と秋辺さん。“まず自己紹介すべきであろう。そして撮影の目的を言いなさい”確かにそうだよね。非礼を詫び、自己紹介をした後は、撮影にも応じてくれ、色々なお話もうかがうことが出来ました。威厳のあるエカシ、偉大なアイヌ文化の伝承者のご逝去に
対しご冥福をお祈り致します。


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