本番その4

アイヌコタン(2009.11.29 阿寒)

 本日のもう一つのハイライト・シーンはこちら、阿寒湖畔で行われるイオマンテの火祭りの取材です。夕刻到着して、まずは阿寒アイヌ工芸協同組合の平澤さんに会いに行きました。彼は我々のために腕章を用意してくれました。これで、俄然動きやすくなります。感謝・感謝です。
 チケットはポロンノさんで買った方が安いよ、との気配りもしてくれました。夕食はそこでと思ってましたので、さっそく向かいましたが、え?開いてないわ。困ったねぇ〜。 そのうち明かりが点きましたので、とりあえず中に入れてもらってチケットを購入。でも、今日はお店やってないんだって…。じゃあ“ばんや”で夕食にしますか。
 Fieldはキトピロ(ギョウジャニンニク=アイヌネギ)丼、ルチアーノは鹿肉ステーキ。一切れ鹿肉も頂きましたが、柔らかくて美味しかった。キトピロ丼は、想像通 りの味でしたが、タレのようなものがあればより美味しくなりそうな気がします。天津丼のようなトロリとした甘酢ダレなんかマッチしそうですね。

 

アイヌコタン(2009.11.29 阿寒)


 この食堂は、今年の4月にもRACメンバーと訪れています。あの時は確か“貝族ラーメン”を食べました。ところで、ふと気付くと私の背後で、昨日の幕別 町で行われた文化祭の話をしている女性がいらっしゃいました。“あれっ、それって我々も行ったけど…”
 
その女性はMinaさんと名乗りました。アイヌ語でSmileの意味だとか…。色々な話をさせていただいて、とても楽しい時間を過ごすことができました。そろそろ、スタンバイの時刻が近いというので、最後に、ずっと気になっていた質問をぶつけてみました。 実は、ルチアーノと出会った最初の頃、彼はFieldに“お前はアイヌじゃないのか?”と聞いたことがありました。彼が言うには、どうもお前は普通 の日本人と物の考え方が違うと言うのです。しかし、彼の発言はFildの風貌も含めてのことだと想像できます。
 で、彼女に思い切って聞いてみたのです。“彼は私をアイヌだと言うのですが、どう思いますか?”じっと私の顔を見た彼女は“確かに似てますけど、鼻の形が違うと思う。アイヌの鼻はもっと丸いから…”と、残念ながらお墨付きは頂けませんでしたね(笑)ところで彼女は
後でトンコリの演奏をするのだとか…“頑張って!楽しみに注目しているから…”

 

オンネチセ(2009.11.29 阿寒)

 今日のイオマンテは9時からで、その前に8時にオンネチセで民族舞踊が公演されます。昨日文化祭で阿寒の舞台を見なかったのは、こちらでたっぷり見たかったからであります。公演開始まではまだまだ時間がありましたが“ばんや”さんのご厚意で熱いお茶をいただきながら、暖かく過ごすことが出来ました。ありがとうございます。
 オンネチセの「古式の舞」は4月に見た内容と同じだった。ただキャスティングが変わっていたように思う。そして文化祭で見た他のエリアの舞いと比べて、より洗練されていると感じた。しかし、気になったのは観客の数…この後のイオマンテと分散した結果 か、あまりに少ない気がする。

 Fieldは今ムックリの練習をしている。何しろ3本も持ってるからね。震動板の部分に紐が着いていて、それを強く引いて音を出す方法と、紐を外してムックリの端を指で弾く奏法がある。前者が一般 的で、Fieldにもある程度は音を出せるが、連続して良い音が出せない。後者の方法だと、ロクに音も出せない。うーん悔しい!誰か教えてくれないかなぁ?

 

イオマンテ(2009.11.29 阿寒)

 ちょっと油断していた。儀式は唐突に始まってしまったのだ。慌ててカメラを向けたが間に合わなかった。だから三脚が必要だって?良いんだよこれで、迫力だって臨場感だって有るじゃない。(なーんて、完全に負け惜しみ)
 ところで、こちらの髭の長老。何と先程のMinaさんのお爺様なんだって!ビックリ!

 

イオマンテ(2009.11.29 阿寒)

 平澤氏迫真の演技である。ほら三脚無しでも撮れてるでしょ。問題は心の準備なんだってば(な〜んちゃって、言い訳だけど…)


イオマンテ(2009.11.29 阿寒)

 いよっ、待ってましたトンコリだぁ〜

 タンチョウの舞、これ好きだナァ。何度見ても良い!


イオマンテ(2009.11.29 阿寒)

 いやー、感動させてもらいましたね〜。屋内のステージより一段と雰囲気も迫力もありました。まだまだお元気な長老。中堅どころで頑張ってる平澤氏。若いMinaさん。歴史と文化が脈々と継承されている。
 ただこれは、日常の一貫ではなく、観光という産業がバックな訳で、そういう意味では一抹の淋しさも有ることは否めない。しかし、かと言って決して無くなって良いものではない。どんな形であれ残して欲しい。そう願って止まない。これからMInaさんは居酒屋でバイトだという。ごめんね、オジサン達は帰らなくちゃなんないのよ。行ってあげられないけど、頑張ってね。寒い寒いを連発しながらの取材だった。演者の皆さんの吐く息も、時間と共に白さを増していくのが分かった。
 今回の取材に対し、様々な配慮をしていただいた平澤氏に特段の感謝を申し上げたい。また阿寒湖畔まりむ館館長のS氏、HBC放送局のDeg氏(前帯広・釧路放送局長)お気遣い、また情報の提供をいただき、ありがとうございます。更に昨日のナビを引き受けてくれたJさん、今日の取材の中で鶴見台のおばあちゃん、阿寒国際ツルセンターのミキィさん、阿寒湖畔の“ばんや”の皆様“ポロンノ”のアキラさん、そして最後にMinaさん“Thank you very much! & see you again!
”おーいルチアーノ分かってんのかぁ?お姉ちゃんからかってる場合じゃ無いぞ。メッチャいろんな方に世話になってんだぞ〜!


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