コレクション

和名トラフタテハ  学名Parthenos sylla apicalis(タイ・ボルネオ産)

 昨年暮れに“北海道昆虫大好き”のSENNSEとの忘年会の席で、アカエリトリバネアゲハの標本を手渡した。彼はボルネオ旅行でアカエリ…を撮影している。記念に本物の標本が欲しいと言っていたのを思い出したからだ。現在、外国産の珍種はワシントン条約などで輸出入が禁止され、手に入れることは難しくなっている。しかし、Fieldは持っていたのだ。友人が新婚旅行で買ってきてくれたお土産とか、取引先の方から“確かちょうちょが好きだって聞いたから…”と渡されたり、様々なところから蝶が届いている。
 極め付きは、Fieldが在住している土地の老舗の本屋さんの社長が“これ貰って”と、メロンが6個入っていたダンボール箱に入っている蝶…三角紙標本をくれた。数えてはいないが東南アジアの蝶と少しだけ蛾が混じって…そうだね数百はあるだろうね〜。おそらく40年くらいは経っているのだろう。東南アジアで買い付けたと言う。売り物にしたかったけれど、どう処理して良いか判らず、そのまま放置されていたようだ。捨てるに忍びなく、私に声をかけてくれたようだが、保存状態が良いハズもなく、殆どは触角は揃っていない。翅もあちこち欠損している…という状態だ。Fieldもそれを頂いてから、放置すること10年とは言わないが、かなり経過している。

 最近、本業が暇で、いつ飯を食うことが出来なくなるのだろうという不安を余所に、手持ちの蝶の標本写 真をカメラで記録する作業をしていたが、そう言えば外国産の蝶もかなり有ったんじゃないかと思い出して、引っぱり出してみた。手の付けようが無いくらいのボロボロも多いが、比較的綺麗なのも有る。マクロレンズで鱗粉が識別 できるくらいの解像度で、サイズも判るようにメジャーも写し込んで原寸で掲載したのが上の写 真。

 

トラフタテハ

 と言ってもMachintoshのモニタ上での話で、Winでは75%くらいの縮小サイズでお届けしている。経緯はともかく、これらの蝶がこのまま埋もれるのも忍びなく、可能な限り撮影し、パソ上で修復して保存したいと考えている。この写 真の標本も右触角欠損、右前後翅一部欠損、傷(鱗粉のはげ落ち)数カ所をレタッチした結果 だ。
 今後逐次皆様にもご紹介しながら、近い将来専用のコーナーも作ろうかと思う。採集地も、採集日も判らず、
学術的価値がどこまで有るかは判らない代物だけれど、彼等の生きた証として…。


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