ツマキチョウ(2006.6.3 帯広市)

 音更でツマキチョウを見たので、比較的多産している岩内ではどうかと、車を走らせた。ここ岩内のポロシリの森には、少し複雑な思い出がある。(2002年08月25日のField Note参照)到着した途端に、そのことを思い出し、またまたそうなるであろう予感はした。
 車を停め、数歩歩いた途端に、エンジン音。そして、その車が停まった気配が…ほうら、お出でなすった!きっとS氏に違いないと、車が見える意位 置まで移動して確認すると、やはり間違いなかった!S氏とは赤い糸を通り越して何か因縁めいたものを感じる。
 久しぶりにフィールドで会った彼は、カメラに大砲を付けていた。聞いてみたら500mmだという。うーん、デカイ!しかも、彼は杖をついていた
。カワイソウに、もうそんなに身体はボロボロ…お若いのにねー。(注:杖は、実はモノポッド…一脚とも言う)

 

ツマキチョウ(2006.6.3 帯広市)

 この場所で私が期待をしていたのは、ミツバウツギの周りを乱舞するツマキチョウの姿であったが、肝心のミツバウツギはまだ咲いてなかった。時折ツマキチョウは飛んでいるものの、吸蜜植物はタンポポしか無く、“絵”としては不満が残るが、今までまともに撮影できてなかった雌の写 真を何とか撮ることが出来た。

 

ツバメシジミ(2006.6.3 帯広市)

 ところで、ふと気付くとS氏の周りには黒い小さなハエのような物が相当な数飛び回っていた。“この時期、こいつが多いんだよねー” とS氏。言われて確認したら、私のズボンの周囲にも少なからず飛び廻っている。ヤバッ!これブヨだよ!車に戻ってハッカ油を、露出部分…腕や、首にスプレーしたが、期待したほどの効果 はなかった。(今も刺された右腕をポリポリしながら書いてます…笑)
 車から戻る途中にツバメシジミが居た。普通種ではあるが、翅の模様に変化が多く面 白い蝶だ。意識して色々な模様のパターンを撮っておきたいと思っていたので、追いかけてシャッターを切る。

 

サカハチチョウ(2006.6.3 帯広市)

 次に現れたのがサカハチチョウ。これも普通 種で、翅の表はゲップが出る程撮影しているのだが、考えてみたら裏面はあまり撮ってなかったように思う。思わず真剣になり、腹這いになりながら撮影していたら、そんな私の姿を面 白がってS氏が撮影しているようだった。
 結局期待のツマキは、飛び回るだけでなかなか撮影出来ず。時折タンポポに止まるだけのつまらないシーンしか見られなかった。S氏の提案で、更に奥まで行ってみたがキタキツネが現れただけで、特筆すべき蝶には出会わなかった。S氏は絵の資料にと、熱心にキタキツネに向けてシャッターを切っていた。
 時刻も午後3時になったので、今日の撮影は終了にしようということになった。半ば必然的な偶然ではあったが、S氏と久々に同行して楽しい午後を過ごすことが出来た。彼には教える事や、主なポイントは伝えてしまい、最近一緒に行動することは少なくなっていたが、今度は偶然にバッタリではなく、前もって誘ってみようと改めて思った。

※文中“ブヨ”は地方により“ブユ”とか“ブト”と呼ばれるが正式な和名や生態について知識を持ち合わせていない。咬まれた瞬間はあまり痛みを感じないが、半日から1日後に、痒みを伴って赤く腫れ上がり“あーやられた!”と気付くケースが多い。また、咬まれた跡が化膿するケースも多いらしく要注意である。

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