オオバナノエンレイソウ(2006.6.3 音更町)

 先週、東京からのお客様2人をお連れして、十勝の蝶スポットを廻った。もっとも、お天気は最悪で、ほとんど雨。気温も12度程度だから、蝶の姿なんぞ望むべくもない状況だった。しかし、せっかく遠路北海道まで来ていて、天気が悪いからと言って、ホテルで無駄 な時間を潰す訳にもいかないだろうと、一縷の望みを持ちながらのスポット巡りだった。
 いや、お天気が悪いのは、私のせいではない。気温が上がらないのも、私の預かり知らぬ ことではある。当然お客様も、それはご存知。私も充分に理解しているつもりではあるが、何故かとても申し訳なくて、そして、それにも増して悔しくて、悔しくて…

 あのコースを廻ってみよう。天候が回復した一週間後、どんな様子か見てみよう。もしかしたら、あのお2人にとっては、悔しさ倍増になるかも知れない。でも、私自身がこのままでは納得できないのだ。

 

ハクサンチドリ(2006.6.3 音更町)

 早い時刻から活動を開始したので、気温はあの日と同じ12度だが、空は快晴。お昼頃までには20度を超えるだろう。まず覗いたのが、エンレイソウの谷。先週より花が数を増し、良い感じになっている。先週はまだ蕾だったハクサンチドリも開花していた。

 

チシマフウロ(2006.6.3 音更町)

 チシマフウロも先週は、数本が開花しただけだったが、日当たりの良い南斜面 が、遠目でうっすら色付く程に咲いていた。うわーっ!これ見てもらいたかったなぁ!!

 

アカマダラ(2006.6.3 音更町)

 丘の頂上に着く頃には、ようやく気温が上がって、蝶も飛び始めた。キアゲハ・ミヤマカラス・コミスジ・スジグロシロ・エゾヒメシロ・サカハチ…、そしてアカマダラ。ここでは、サカハチよりアカマダラの方が数が多い。

 

ミヤマセセリ(2006.6.3 音更町)

 ミヤマセセリがカシワの幼木を訪れていた。どうやら産卵に来ているようだ。風がやや強く、枝が揺れてピンが合わない。辛うじて撮れた写 真は産卵の瞬間直前のショットだった。

 

チャマダラセセリ(2006.6.3 音更町)

 丘から下りてくると、チャマダラセセリがキジムシロに産卵していた。数もそこそこ飛んでいる。うーん、Kさんにお見せ出来なくて残念!!
 ところで、先々週アポイに登ったときに札幌のKさんが、ヒメチャマダラセセリの翅の地色で黒味の強いのと茶褐色のがいること。また翅に生える白毛についても気にされていたことを、チャマダラを撮っていて思い出した。Kさんは個体差と仰っていたが、チャマダラを沢山撮った私の感想では、雌雄差のような気がしてきた。つまり、黒っぽく見えて、毛が少なく白い斑紋がすっきり見えるタイプが雌だと思うが、ヒメチャも同様ではなかろうか?

 

ヒメウスバシロチョウ(2006.6.3 音更町)

 帰りがけに白い大型の蝶が飛んだ。エゾシロ?と思ったが飛び方が違う。林道から離れていたが、草をかきわけ近寄ってみたら、やはりヒメウスバだった。私もこれは今年初見だ。それにしても、もし先週晴れていたら、もしかしてこいつも姿を現したのかも知れない。

 

ツマキチョウ(2006.6.3 音更町)

 林道が終わり、間もなく舗装道路に出ようとした時、小型のシロチョウが飛んだ。一直線に飛ぶあの姿は、エゾヒメシロとは違う。もしかしてと車を停めて見たら、はやりツマキだった。その後も数頭見かけるが、さっぱり止まらない。カメラをマニュアル・フォーカスにして、追いかけながら数度シャッターを切ってみたが、この程度。うーん、先週のリベンジはこのくらいにして、ツマキ狙いで岩内に行ってみようっと!

 

シロオビヒメヒカゲ(2006.6.3 音更町)

 おっと、その前に…S公園にも寄ってみましょうと、ほんの数分の寄り道。すると…これまた、今年の初見!シロオビヒメヒカゲじゃないですか。まあ、5月の後半には飛ぶこともありますけどね。今年は桜の開花も遅れてましたんで、まさかまさかではあります。
 1週間早いか、1週間遅かったら…ご覧の結果だったのですよ。いやー悔しいねぇ!決して冷やかしではなく、今日私が目にした蝶をお見せすることが出来なくて、ホントに残念です。この悔しさをバネに、またきっと十勝に来て下さいね!

 

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