エゾヒメシロチョウ(2005.7.30 音更町

 赤岳へ登ろうと予定を立てていた。ところが、ヤン坊とマー坊があまり良い顔をしてくれなかった。実は7月17日、晴天のはずの黒岳に登った。気温も高く大汗をかきながら登ったのだが、頂上に近づくにつれ雲行きが怪しくなり、頂上は暴風が吹き荒れていた。大汗をかいていたものだから、身体が冷えて寒気がするくらいだった。えっ?成果 ?あったらご披露してますって…。それに懲りて無理はしない事にして、今日は集中してお仕事を…と考えていたのだが…。
 徐々に崩れるハズのお天気が、徐々に良くなって来た。もうこうなったら、お仕事に集中なんかしてられません!とばかりにカメラ掴んでお出かけ。北の空(大雪方面 )に厚い雲がかかっているのを確認して、やはり赤岳は無理だったのだと自分を納得させながら、音更町S地区へ…

 しかし、ミドリシジミの姿は無かった。もうここには居なくなってしまったようだ。代わってオオヒカゲがハンノキの根元を縫うように飛んでいた。諦めて移動しようとしたらエゾヒメシロチョウが飛んでいた。雄が、さかんに雌に求愛しているシーンが見られた。何枚か撮影していて気付いたのだが、雄がさかんに口吻を伸ばして雌に触れようとしているのが確認できた。明らかに求愛行動のひとつなのだろうが、これがこの種独特のものなのか、シロチョウ科に共通 したものなのか興味が持たれる。

 

トモエソウ(2005.7.30 音更町

 今日は、予定外のお出かけではあるが、狙いはジョウザンミドリ以外のゼフィルスと、先週撮り損なったヒオドシの開翅シーンの撮影だ。当然移動先は先週ヒオドシを見かけたM地区。
 移動途中に大きな黄色い花を発見!トモエソウだった。いつもこの花の写 真を撮って、後で後悔するのだが、何で真上から撮らなかったのか…と。トモエソウの特徴はスクリューのようにねじれた花びらなのだが、いつも斜めから撮ってしまい、それがはっきりと分かる写 真を写せないでいたのだ。今回はバッチリ!!

 

ヒメシロチョウ(2005.7.30 音更町

 M地区で出会ったのが、この蝶。最初エゾヒメシロチョウと思ったが、やたら小さくて気になって追いかけてみた。この種の蝶は止まりそうで止まらない。いつも延々と追いかけ回しながらイライラさせられるのだが、ようやく止まってくれた姿は、先程のエゾヒメシロチョウより前翅がとんがったエゾのつかない種のようだ。
 それにしても小さい。右上のクローバーの葉と比較してもらいたいのだが、翅を畳んだ大きさは、標準的なクローバーの葉より小さいくらいだ。幼虫時代に餌の当たりが悪かったのか、それともヒメシロとエゾヒメシロの混生地では、ヒメシロの方が小さいのか?もっと普段の観察が必要なようだ。

 

ヒカゲチョウ(2005.7.30 音更町

 堤防の近くにクガイソウが咲いていた。クガイソウは背丈が高く、花も真っ直ぐ上を向いているのが普通 だが、これは横を向いていた。しかも波打つように花が咲いていた。
 クガイソウは蝶が好きな花の一種で、色々な蝶が訪れるのだが、大抵の場合、下向きに止まって吸蜜している。ところが、この横を向いたクガイソウは、蝶が窮屈な姿勢でなくても蜜が吸えるらしく、本当に次から次に蝶がとまっていた。クガイソウとしては今後花の付け方に工夫が必要かもしれない。

 

コムラサキ(2005.7.30 音更町

 ちょっと小高い場所に水が滲み出している場所があった。コムラサキが吸水していたが、どうも地べたに止まる蝶は撮る気がしないのでためらっていたら、私の心を察してか、ふわりと舞い上がり、近くのヨモギの葉に静止してくれた。しかも紫に輝く翅を惜しげもなく広げて見せてくた。うーむ、コイツ分かってるなぁ。ありがとよー
 コムラサキがよけてくれた吸水の特等席に次のタテハがやって来た。しかも、あいつだよあいつ…

 

ヒオドシチョウ(2005.7.30 音更町

 先週撮り損なったヒオドシじゃぁありませんか!どうも地べたに…なんて言った舌の根も乾かぬ 内に、撮らせていただきます。ヒオドシチョウならどんな場所に止まっていても撮らせていただきます(笑)
 いやー鮮やかですねぇ。北海道にはコヒオドシという種類が沢山いますが、やはりヒオドシは一段と大きく立派なお姿!それにしても緋縅とは、よくぞ命名したものです。いきなり翅を広げてこの緋色を見せられると、敵も一瞬、怯むことでしょう。
 念願叶って十勝でこの蝶の撮影が出来ました。これで安心して仕事に戻れます。ん?でも待てよ!今日はまだ、ゼフィルスに会ってないじゃん。では、調子に乗って、ゼフィルスの丘に行って見ましょうか…


戻る      2005年版目次へ      次へ