ジョウザンミドリシジミ(2005.7.24 音更町

 恵庭で色々なゼフィルスを堪能したのだが、何か物足りない。私の地元十勝で、今シーズンまだ ゼフィルスに出会ってないからなのだ。しからば、例の場所へ行ってみよう!
 K山の駐車場に車を止めて、降りた途端に金属光沢の蝶が目に飛び込んできた。あはは、そうだよ。お前に会いに来たんだよ。しかし、今シーズンは出てくるのが遅かったなぁ!

 名前にはミドリシジミと付いているが、こうして見るとブルーに近い。大きさでは完全に負けているものの、ブルーモルフォに比肩するほどの光沢である。これで発生数が少なければ、もっと人気の蝶なのだろうが、ジョウザンミドリシジミは残念ながらと言うべきか、決して数の少ない蝶ではない。

 

ジョウザンミドリシジミ(2005.7.24 音更町

 よーく目を懲らしてみると、あちこちの葉先に、金緑色に輝くジョウザンミドリシジミが静止していた。更に目を凝らしていたら、ウドの葉だろうか、その上に交尾中のカップルを見つけたのだが、かなりの高さがある。側まで行けるのだが、それでは姿が良く見えない。やむなく遠くからの撮影となってしまったが、様子は充分に分かるだろう。
 北海道のゼフィルス類は、一般的に本州産より裏面 の地色が白っぽく、遠目にはどれもこれもオオミドリに見えかねないのだが、ジョウザンミドリの雌だけは、濃い茶褐色で、雄・雌並ぶと同種には見えない。それにしても大きさもまた随分と差があるカップルだこと!

 

ジョウザンミドリシジミ♂(2005.7.24 音更町

 K山では、ジョウザンミドリばかりだったので、移動をしてみた。実はミドリシジミの良い写 真が撮れていないのだ。そこで、ハンノキが多いS地区へ行ってみたのだが、ここもまたジョウザンミドリシジミばかり。しかも足元に無数のジョウザンミドリが降りていて、吸水している。ゆっくりとアップで撮らせてもらったが、どの個体も生まれたてのように綺麗なものばかりだった。
 それにしても、このS地区は、かつてミドリシジミの多産地で、いくらでもその姿を見ることが出来たのだが、ここ数年全くその姿を見ることが無くなってしまった。いったいどうしたと言うのだろう?ちょっと気がかりである。

 

ヒオドシチョウ(2005.7.24 音更町

 こんなことを言っては、申し訳ないのではあるが、どこへ行ってもジョウザンミドリだらけで、少し食傷気味になってしまった。それに目指すミドリシジミの姿がなかったのでまた移動。M地区方面 へ向かうが、今度はゼフィルスの姿が全く見られない。あちこち車で移動していると、前方の路上にタテハが止まっていた。
 最初はエルタテハかなと思って近づいたら、何とヒオドシチョウである。この蝶、十勝ではまだ越冬態しか目撃したことが無かったのだ。いや、越冬態が居るってことは当然発生もしているということで、居て当然なのだが、何故か今までは新鮮な個体を見ることがなかった。北海道では道南と日高で幾度か出会ったくらいなのである。

 ところが、ついに十勝で発見!だが、不覚にもあの鮮やかな開翅シーンを撮影する前に逃げられてしまった。うー!グヤジィー!いつか必ずリベンジしなくては、と心に刻む!


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