アカシジミに感謝(上士幌〜足寄〜蝶多村)

アカマダラ・サカハチチョウ(2021.07.30 上士幌)

 前章でクモマベニヒカゲの事を書いた。成蝶になるまで2年かかり、西暦奇数年には発生が少ない…と。これって話ばかりで実際はどうなのか、自らの目で確認したくなってしまった。朝早めに自宅を出て三国峠を目指しました。気温は高く快晴。せめて1頭だけでもと期待を込めて車を走らせました。
 峠手前のポイントは、数年前から林道が閉鎖されていましたが、今年も開いていませんでした。更にもう一つの期待できる林道も閉鎖されていました。ショック!峠を越えて上川町の林道に着いて唖然としました。国道脇の林道に入ろうとしたら20〜30m奥に閉ざされたゲートが目に入ったのです。過去にこの林道が閉鎖されていたことは一度も無かったのに…。トホホ…
 悩みました。更に先へ進み、別の獲物を探すか、引き返すか…結局引き返して、開いている林道を片端から入ってみることにしました。

 

オオチャバネセセリ・キバネセセリ(2021.07.30 上士幌)

 どうやら、○○岳登山口に繋がる林道は殆ど開いているようでした。結局、3ヶ所の林道を覗きましたが、残念ながら特に成果 は有りませんでした。
 どの林道も、吸蜜可能な植物の種類が少なく、唯一この黄色いキク科の植物だけのようです。しかし、蝶の種類はまあまあ居る様子です。ところでこの花の種類は何なんでしょう?最初は、1種類だと思い込んでいましたが、葉が細く、柳のような形の植物は、高さが1m前後です。一見花は同じように見えますが、葉先が割れて幅のある種は、高さが2mほどもありました。これって別 種?それとも個体差なのかなぁ?

 

ヒメキマダラヒカゲ・メスグロヒョウモン♂・コヒオドシ(2021.07.30 上士幌)


 林道巡りもそろそろ飽きてきたので、過去の思い出の場所を巡りました。かつてJRに帯広・上士幌線が有りました。帯広から北への路線で、駒場・音更・士幌・上士幌・糠平・幌加・十勝三又…という駅が有ったと思います。実はFieldの父は上士幌生まれで、母の妹が幌加に嫁いだ過去があり、子どもの頃は時々訪れていたエリアなのです。
 ここで魚釣りをしたよなぁとか、ここの温泉子どもの頃来て、弟がヘビを見つけて、シッポを摘んでクルクルと振り回したよなぁ…とかそんな思い出の場所を巡りました。

 

ウラギンスジヒョウモン・ルリシジミ・ツバメシジミ(2021.07.30 足寄)


 糠平に戻り、さーてどうしよう?またまた悩みました。時刻はお昼少し過ぎで、未だ帰る気はしません。車を走らせていて芽登の表示が見えました。へー30kmも無いなら寄ってみるか…という気がしてルートを変えました。何か居ないかナーと、トロトロ運転です。
 幾度か車を止めて歩きましたが、めぼしい種は居ませんでした。ただ、セリ科の植物、マメ科の植物など、吸蜜出来る種類は増えていると思いました。

 

コミスジ・カラスシジミ・アカシジミ(2021.07.30 蝶多村)


 芽登に着いてまたまた悩みました。自宅までの普通 のルートですと、この先、足寄本町・本別・池田・幕別…となりますがそれで良いの?とにかく、ここまでの成果 ではつまらない!何かもっと収穫が欲しいという事と、とにかくお腹が空いたのでどこか料理をする場所は無いか?ということで、いつもの蝶多村を目指しました。
 着いて直ぐに料理をしたかったのですが、車の周囲にはアブの群。ドアを開けた途端、車内に10数匹が飛び込んでくる程です。お腹は空いていましたが、昼食は断念して蝶探しを優先させました。オカトラノオが終盤で、様々な蝶がとまっていました。特に今年のカラスシジミの発生数の多さは、もはや驚異です。
 ノリウツギ花にもカラスシジミが集まっていましたが、その中に、えっ!という種が混じっていました。何と、アカシジミです。過去に撮影したアカシジミは、枝を歩き回る産卵シーンと、あとはカシワの葉っぱの上でじっとしているシーンだけです。アカシジミの吸蜜シーンなんて、観察暦50年にして初めて見ました。走行距離200kmは無駄 ではなかったと感じました。アカシジミちゃん有り難う!それにしても…あーお腹空いたぁ〜!!


  

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