いよいよ本番(奥尻島その3)

出発(2020.07.24 賽の河原キャンプ場)D.R.画像より

 朝は4時に目覚めました。Fieldは毎朝パン食です。いつもならパンとチーズと野菜系ジュースとコーヒーですが、今日はパンとコーヒーのみです。ちょいと淋しかったなぁ。
 ところで、日程なのですが、天気予報では、本日ずっと晴れで最高気温は24゜Cただし強風。明日は1日中曇り空で最高気温は23゜Cということですが風は止むようです。狙う蝶は森の中ですから、風の吹かない場所もあるでしょう。だったら、今日は蝶だけに集中して、明日はのんびりと島観光で良いかと考えていましたので、6時少し前にポイントを目指し出発しました。でもさー、この空見てよ。これって本当に晴れるの?

 

奥尻牛?(2020.07.24 奥尻島)

 上の写真は、島の西側を目指して走行中に見た牛さん親子です。なんだか妙にメンコイ!そういえば島には、奥尻牛というのが居るって何かに書いてあったなぁ。これかい?何だかジャージーっぽいよね。でも和牛と書いてあったような気がします。
 脱線しますが、下の写真です、午後に見ました。おー黒毛和牛っぽいぞ!どうやら奥尻牛ってこっちの牛のことを言うんじゃないかと思います。

 

宮津弁天宮・ウミウ・滝の潤岬(2020.07.24 奥尻島)


 目的地の第一ポイント。確かに左右両側には、様々な広葉樹が生えていて、ゼフィルス系の蝶が居そうな雰囲気はあります。ただ樹高が高く竿さえ届きません。説明しますと、ゼフィルスは高い梢の先に止まりじっとしていることが多いので、ネット装着の竿もしくは釣竿などで枝をつついて存在を確認するのです。
 今回Fieldは、ネット装着の3.6mの長竿を持参していましたが、それでも空しいほど高い木ばかりでした。第二ポイントも同様で、こりゃダメだ!
 天候も予報は外れて空は真っ白です。考えているポイントは標高200m程の高さがあり、少しガスもかかっていました。仕方なく時折海岸線に下りては風景写 真ばかり撮って時間つぶしをしていました。せめて気温だけでも上がってくれよ〜!

 

こんなところにアジサイ?(2020.07.24 奥尻島)

 時間と共に気温も少し上がり始め、空もやや明るくなってきたように感じました。こりゃぁこうしてはいられない。想定していたポイントはもう一つ有ったのです。 最後の第三ポイントです。先ほどの第一・第二ポイントは一部未舗装という程度の道でしたが、第三ポイントは「悪路につき走行注意」と看板があります。当然未舗装で、対向車と出会ったらどうするの?さすがのFieldも車は林道入口に停め徒歩にしましたが、その先はずっと登り道でした。
 先ほどと違い、殆ど人の手が入っていないようで、両脇の木も全部が高木という訳ではありません。時折上空で、ゼフィルスの雄がキラキラと翅を輝かせ、卍飛行をするのも見えますが、うーん無理!撮影どころか、ネットに入れることもかなり難しそうです。
 そんな諦めモードで3時間歩き続けた時に脇道を見つけました。しかも、脇道入り口付近でゼフィルスが卍飛行をしています。これまたネットの届く高さではありませんでしたが…。とにかくここに入ってみようと思い、曲がって数分後にアジサイの花を見つけました。勿論自然では無く、人為的なのでしょうが、こんな所に何故?Fieldが歩いている道には1mを超える雑草が生えていて、それをかき分けながら歩いているのです。

 

念願のフジミドリシジミ♀(2020.07.24 奥尻島)


 アジサイを通過して数メートル進んだときでした。目の前を左から右へとフワフワと蝶が飛びクマザサの葉の上に止まりました。一瞬でフジミドリと分かりました!ゼフィルスの中でもフジミドリだけは、後翅裏面 の模様に特徴があり初対面のFieldにも直ぐに分かりました。慌ててカメラを構え、ピンが合う前にフジちゃんは翅を広げてしまい、その特徴を捉える事が出来ません。
 何とか翅を閉じてくれないかと願いながらアングルを変えたりして撮影を続けましたが。このまま飛ばれたらどうするの?そんなことが頭を過ぎりました。もうダメ!ネットでフジちゃんキャッチ。普段は、蝶を殺したくないと云い続けているFieldですが、撮れた写 真だけでは、それがフジミドリである確たる証拠がないこと。そうして、1種1ペアの標本は持っていたいという本音が出てしまいました。
 念願のフジミドリには逢えました。しかし、どうも両手を挙げてバンザイをする気にはなれません。フジミドリという名前なら、キラキラした雄の写 真が撮りたい。せめて、これぞフジミドリだという翅裏の模様を撮りたいと欲が募るばかりなのです。Fieldって欲張り??


  

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