出掛けたのは遠軽駐屯地演習林

アサマシジミ(2019.07.06 遠軽)

 7月初旬に、何処で何を狙うか考えていた。オオイチモンジ?十勝から激減したアサマシジミ?暫く見に行っていないカラフトセセリ?そんな事を考えていたときに、今年の春、広尾町から下川町に転勤されたH先生からメールを頂いた。 “遠軽駐屯地の中でイシダシジミ(アサマシジミ北海道亜種名)の観察許可を得ました。京都の友人と行きますが、ご一緒にいかがでしょう?”
 えっ!?目がテン!願ってもないお誘いのメールに驚きました。3種とも狙えるじゃん!!! 迷うことなく同行させて頂くことにしましたが…。7月6日、朝8時50分の待ち合わせ。しかもその後、7月5日には神奈川から弟が来ると連絡が入り、同7月5日には、Fieldが支部同窓会副会長を務める大学の同窓会本部から副会長がお見えになるとの連絡。参ったね〜。でもFieldが大切に思う順序は…勿論チョウチョが一番であり、その蝶に拘わる友人知人です。断言!
 弟や、同窓会本部の副本部長とお話をして、開放されたのが7月5日22時。翌朝4時に目覚ましで起きて、朝食を採り出発し、現地到着は約束時刻の1時間前でした。現地で15分ほど仮眠しましたが、大丈夫かぁ?

 

アサマシジミ(2019.07.06 遠軽)

 待ち合わせ時刻の30分前から周囲視察。“アサマシジミ・幼虫・卵の捕獲禁止”の看板を見て驚きました。天然記念物ではありませんが、町や自衛隊、保護団体に守られているようです。約束の時刻10数分前に約束の場所を覗くとH先生の姿を確認できました。近くに車を停めると、遠軽駐屯地の広報班長K氏と名刺交換。正直彼の姿勢に驚きました。丁寧・親切・柔軟…それが彼の印象です。
 更にH先生の車に同乗されていた方がH先生の友人K氏で、彼にも名刺を頂きましたが、ご免なさい!不覚にも名刺切らしていました(汗)

 その後、自衛隊広報班長K氏の案内でゲートを開けて頂き演習林内へ、車を停めて間もなく、あっさりとアサマシジミの北海道産亜種イシダシジミに会うことが出来ました。実は、Fieldは遠軽駐屯地近辺にイシダが現れるという情報を元に幾度かこの近辺を訪れたことが有ったのですが、出会えたのはヒメシジミだけでしたので、嬉しかったですね〜。H先生に感謝です。

 

ヒメシジミ(2019.07.06 遠軽)

 遠軽駐屯地にはイシダが居るという印象から、ヒメシジミを見ても、あ、イシダだ!と思い込むシーンも有りました。ダメだよね〜。自衛隊広報班長K氏も、今年赴任したばかりで区別 が付かないようでしたが、Fieldも同じじゃん。上の写真はイシダの食草ナンテンハギに止まってますが、これってヒメシジミだよね〜。
 改めて比較すると、翅脈が黒っぽいのがイシダですが、ヒメシジの翅ってこんなに白っぽかったっけ?

 

カラフトセセリ(2019.07.06 遠軽)


 演習林内で、一番大多く目にしたのが、カラフトセセリでした。実は、カラフトセセリがここに居るとは考えていませんでしたので、演習林の撮影が終わったら、更に北の町まで走ることを考えていましたので、ラッキー!

 

ナミヒョウモン(2019.07.06 遠軽)

 演習林内で、時折小型のヒョウモンチョウが飛ぶのを見ていましたが、撮影出来ずにいました。皆さんと少し離れた場所で崖下を見ていたら、吸蜜中の小型ヒョウモンを発見!でも、撮影には遠いよな〜…と思案していたら、更に小型のヒョウモンが現れました。どうも求愛行動のようです。
 とにかく撮っておこうとシャッターを切りましたが、後で拡大してみたらやはりボケ写 真になってました。…種名ですがコヒョウモンと思って撮影しましたが、ベースのオレンジ色が薄いこと、黒班がこじんまりしているところから、ナミヒョウモンと思われます。

 

シロオビヒメヒカゲ(2019.07.06 置戸)

 演習場はお昼まで許可が出ていましたが、1時間ほど早く終了しました。H先生の友人K氏の口から“大満足!”との言葉が発せられました。 H先生が、これから置戸方面でオオイチモンジを狙うのですがどうしますか?と仰いました。Fieldとしては、オオイチなら文句無しに歓迎ですので、後ろを追いて行きますと答えました。もし、ここで解散ならば、チミケップでオオイチ狙いを考えていたのです。
 置戸では湖の周囲を車で流しました。良さそうな林道に立ち寄ったりもしましたが、とにかく蝶が少ないという印象です。おそらく気温は16度〜17度だったように思います。ある林道の入口近くにマーガレットが咲いていました。何か居ないかと覗いたらシロオビヒメヒカゲが…何良い絵だなーと重い、パシャリ!

 

ホソバヒョウモン(2019.07.06 置戸)

 続いて姿を見せてくれたのが、ホソバヒョウモン。新鮮な個体で綺麗だね〜。15秒ほどの動画も撮りました。実は最近蝶を動画で撮ることを心がけております。そう、先日お逢いした香港のArex Liさんの動画を見て感動を受けました。鮮明だったのです。Fieldもあのような動画を撮ってみたいと考えるようになりました。
 以前から動画を撮る方を幾人か知っていますが、彼等に何故動画なのか聞いたら、シャッッターチャンスを逃したくないから…という返事が多かったと思います。Fieldはシャッッターチャンスを見逃さないので、スチールで良いと思い上がっていることに気付きました。殺して標本集めはしたくない。生きている姿を撮りたいんだという考えでしたが、生きている姿を撮るのはスチール?動画?どっちが適してる?言うまでもなく動画だよね〜。撮った動画をどうするのか?それが今後のFieldのテーマになりそうです。

追記:今回、遠軽自衛隊演習林で撮影できたこと…Fieldにとって忘れられない出来事でした。Fieldは沖縄が好きで、時折出掛けますが、沖縄本島では北部にしか強い興味が持てません。本島の北部…そう山原(やんばる)地区です。ご存知ヤンバルクイナ、ヤンバルテナガコガネ、ノグチゲラ…様々な希少種が生存しています。あれだけ観光化が進んでいる島で何故自然が保たれているのか?ご存知の方は多くはないと思います。実はヤンバルのエリアは殆どが米軍の演習林なのです。人が立ち入ることが出来ないから自然が守られたのです。 米軍が演習林内の動植物を調査し、積極的に保護しているとは思えませんので偶然だと思います。ところが今回、遠軽の演習場に入れて頂き、自衛隊隊員の方に誘導いただき、“アサマシジミ・その幼虫・卵の捕獲禁止”の看板を見て感動しました。Fieldは、自衛隊に関する知識は低いと思いますが、その地域の方々が安全に暮らすことを目的としていると思います。ところが、たとえその地域の方々が守られても、その地域の人間以外の動植物が絶滅したのではそこに住む方々は健全に暮らしていけないのは明白なのです。食物連鎖の頂点に人間が居るなら、その底辺が広ければ広い程、人間の暮らしは充実すると私は考えます。先週、この遠軽自衛隊で地域の方々を敷地に招いてのお祭りがあったことをネット検索で知りました。遠軽自衛隊が今後とも地域の方々と交流を保ちながら発展されることを祈念いたします。更に今回の対応に敬意を表し感謝申し上げます。



  

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