半世紀の夢を求めて その3

観光スポットNo.3 アヤミハビル館(2017.08.12 与那国島)

 ようやく“アヤミハビル館”に到着しました。(本当は、もう一ヶ所寄り道しましたが、長くなるので省略します)外観はご覧の通 り、なかなか立派。Fieldは喉が乾いていたので、玄関前の自販でジュースをと思いましたが、故障中の張り紙がありました。残念!下の絵は玄関に飾られているモザイク画ですが、どうやら地元のお子さんの作品のようです。
 Fieldと入れ違いに2人の男性が出てきて、バイクに乗りましたが、布袋に入れた長い竿を持参していましたので、蝶々屋さんかなと思いました。
 入館すると直ぐに女性が近づいてきて“お時間はありますか?”何を言いたいのかなと思ったら“20分ほどお時間が有るのでしたらビデオを見ませんか?”あ、そういうことなら見ます見ます。

 

ビデオ画像より(2017.08.12 与那国島)


 映写室には私一人でしたが、興味深く拝見させていただきました。上、卵。4〜5mmくらいでしょうか。下、終齢(6令)幼虫。北海道にも居るキアゲハの幼虫が8cmなら、開翅26cm〜のヨナグニサンの幼虫は、いったい何cmあるのか興味がありましたが、10数cmのようです。思ったほどの大きさではありませんが、太さは3倍くらいありそうです。

 

館内(2017.08.12 与那国島)

 館内の写真も許可を頂き撮らせて頂きました。すると“これは今朝羽化したばかりのヨナグニサンです”と言われ仰天!ディスプレーのひとつと思って見ていたら、よ〜く見ていると確かに動いていました。
 Fieldの部屋の標本との色の違いは歴然で 、半世紀にわたり紫外線に晒された結果 なのであろうと納得できましたし“生きて、動いているヨナグニサンを見たい”というFieldの夢もここで実現した気がしました。欲を言えば、自然界で飛ぶ姿を…という思いはありましたが、相手は夜活動する蛾です、その証拠写 真を撮ることはまず無理であろうと思いながらの今回の遠征でしたから、夢はほぼ達成できたと感じました。

 

ナミエシロチョウ(2017.08.12 与那国島)

 アヤミハビル館を出るとき“またいつでもお気軽に寄って下さい”とお声をかけて下さいました。入館前にすれ違った2人の事を思い出しましたが、どうやら虫屋の休憩所状態なのでしょうか。“ご報告できるようなことがあれば、また寄らせて頂きます”と答えて失礼しました。
  ここまでのルートを整理しますと。横長楕円形の島の真北よりやや西側の空港を出発し、西の端から島の南側を走り島の東部へ、そうして今日の最終目的地はアイランドホテル与那国で、島の北側中央にあります。勿論直行ではなく、寄り道だらけの移動を開始しました。写 真は前章で♀をご覧頂いたナミエシロの♂です。



ハラボソトンボ(2017.08.12 与那国島)

 こんな所に来る人がいるだろうかと思うような小径に入ったら案の定、すぐに行き止まり。もっともこれが始めてではなく既にこの与那国で経験しているのだが、感心するのはその行き止まりには、必ず車をターンさせるスペースが用意されていることです。北海道の林道で、ターンするスペースも無く延々と車をバックさせた経験を数知れず重ねてきたFieldにとっては実に有り難いことで、島人の優しさを感じます。
 車をターンさせて、行き止まりの奧を覗いたら、そこは湿地状態で水たまりも見えました。その時足元に止まってくれたのがこのトンボ。ん?どこかでお会いしたような…と思ったら、沖縄本島でも撮ったことのあるハラボソちゃんでした。

 

アカスジベッコウトンボ(2017.08.12 与那国島)

 こちらさんも、昨年の石垣島でお会いしたアカスジちゃん。あの時はお名前が判らず失礼しましたが、2005年にこの与那国で確認されたのが国内初ですから、チョウで言えば迷蝶(まよいちょう)ですね。じゃあトンボだったら迷蜻蛉って言うのかなぁ??

 

スジグロカバマダラ(2017.08.12 与那国島)

 ご存知のジャポニカ学習蝶(?)です。イヤーいつ見てもお美しい!

 

タテハモドキ(2017.08.12 与那国島)

 正真正銘のタテハなのに何故“モドキ”が付くのか、昔から疑問であり、ネーミングに不満を持っていましたが、今回じっと見ていて少し謎が解けたような気がします。つまり、この目玉 模様。これを日本人は蛇の目(じゃのめ)と表現しますが、ジャノメチョウという種がいますので、不慣れな方がこのチョウをジャノメチョウの一種だと勘違いをした結果 でしょうか。でもなぁ、Fieldだったら“ジャノメモドキタテハ”とするでしょうね。
 さーて、そろそろ道草は止めてホテルのチェックインを済まさなければね。

つづく…


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