イチモンジセセリ祭り?


イチモンジセセリとアメリカオニアザミ(2016.09.17 広尾町)


 先週土曜日にアサギマダラに会えた事を、広尾町在住のT.H.先生ににお知らせしたら、何と先生も同じ日に、それもFieldが撮影したポイント近くでアサギマダラを目撃されていた。しかし、撮影には至らなかったようなので、少し詳しく情報をお伝えしたところ、その翌日に先生もアサギマダラを撮影できたとお知らせを頂いた。年内に、一緒にアサギマダラ探しをしたいですねと伝えたのだが…
 この3連休。実はFieldは北海道最北端に行きたいと考えていた。そう、今年のField Note、西へ、東へ 、南へ、と書いたもので“北へ”を書かなければ完結しないじゃないかという気がしていたのです。であるなら、この3連休を逃す訳にはいかない!そんな考えから、ずーっと天気予報と睨めっこ。稚内の知人とも連絡を取り合っていたのですが…。

 ところが天気予報から傘マークが消えず、最高気温13度の日もあり…断念!
いやー、ホテルでもしっかり予約して…なら良いけれど、Fieldの場合、車中泊のフラフラ旅なもんで、雨と低気温には弱いのよ。で、どうしましょう?と天気予報を見まくっていたら、広尾が24度。こりゃアサギ探しに行くしかないでしょう。

 

イチモンジセセリ(2016.09.17)


 さっそくT.H.先生と、今年一度はご一緒したいね、と言ってあった大学生のW.N.さんに連絡。トントン拍子で話が纏まった。帯広市からW.N.さんを乗せ、広尾町でT.H.先生と合流して、いざ林道へ、途中林道の橋工事があり通 行できるかどうか不安もあったが、無事通過してポイントに近づく。気温はイマイチだが風も強くはなく、コンディションは悪くなさそう。
 トロトロと車を走らせ、時折車を止めてカメラを手にうろつく。午前中は、蝶の数自体、少ないナァという印象。そんな中で嬉しかったのが、イチモンジセセリ。この種だけはそこそこ発生していました。更に言えば、先週、イチモンジセセリを1頭だけ目にしながら撮影は出来ていなかったので、こんなに多くの頭数を見ることが出来たことにちょいと驚きでもありましたね。


イチモンジセセリとトリカブト(2016.09.17)


 ご存知の通り、イチモンジセセリは北海道では土着ではなく迷蝶で、世代を重ね、徐々にテリトリーを広げて晩夏から初秋に北海道に到達します。実はFieldがこのポイントでイチモンジセセリを撮るのはこれが初めてで、例年イチモンジセセリを撮っているポイントは、ここより更に100kmほど内陸です。時期は10月中旬ですから、この写 真のイチモンジセセリの次世代ということだと考えています。
 ところで先週、トリカブトでアサギマダラが吸蜜しているシーンを見て、へートリカブトも吸蜜の対象になるんだぁと少し驚きました。イチモンジセセリも優先するのはアザミのようですが、トリカブトにもかなり吸蜜に集まっていました。
 そして先週から何気なくトリカブトと書いていましたが、どうも2種類のような気がしてきました。上2枚の写 真は、花数は多くなく、花自体はやや大きく、色はかなり濃いのに対し、下の写 真は花数が多く、明るい紫色で、花の大きさは比較ですがやや小さい気がします。もしかして、上がオクトリカブトで、下がエゾトリカブトかもと思いますが、残念ながら同定出来るほどの知識は持ってません。

 

ミドリヒョウモン・クジャクチョウ(2016.09.17)

 沢山のイチモンジセセリを撮っていて、良い前座に恵まれたと思っていました。だとしたら取り(真打ち)はまだかと、徐々に痺れてきましたね。しかし、大物はまだまだらしく、未だ姿を見せてはくれませんでした。代わりにヒョウモン類とクジャクチョウ、モンキチョウ、スジグロシロチョウ、ミヤマカラスアゲハの姿を見ることが出来ました。

 

カナヘビ(2016.09.17)

 ところで、W.N.さんですが、三脚にカメラをセットし撮影してました。Fieldの周囲で三脚を使用する人は、唯一虫林さんだけしか居りませんでしたが、お二人目です。彼が三脚の前に跪いている時に膝の前を何かが走りました。おっ、カナチョロじゃない?
 カナチョロ(カナヘビ)は中札内でもよく見かけますが、やたら小さく、別 種かなぁという気がしました。この写真、原寸より大きいと思いますから…

 

甲虫類(2016.09.17)

 トリカブトとカナヘビの種類が判らない話を書きましたが、“ワカラン”3つ目がこれですね。上はツチハンミョウ科ですが北海道には数種居るようで、確定までには至りませんがマルクビツチハンミョウだと思います。もっと悩んでいるのが下の写 真で、翅で身体を隠すことが出来ないくらいのドスコイ体型。最初に見つけたのはW.N.さんですが、Fieldもこれは過去に見た記憶がない種で、図鑑と睨めっこしてみましたが、結局、全くの不明種です。悔しいね。

 

キタキツネ(2016.09.17)

 えー、真打ち登場を期待している方がいらっしゃったらご免なさい。結果 はスカでした。先週Fieldが撮影した個体は翅の裏が撮れていなくて100%とは言えませんが♀で、その翌日T.H.先生が撮影された個体は♂のようですから、間違いなく複数個体が居たはずですし、気候的な条件は悪くなかったと思いますが、ダメでした。アサギマダラ祭りと思っていた今日一日はどうもイチモンジセセリ祭りになってしまいました。
 アサギマダラを断念して、林道を降りる途中でキタキツネを見ました。まぁ、途中で別 のキタキツネやエゾシカも幾度か目にしました。しかし、Fieldの車が近づくと一目散に逃げたのですが、コイツだけはご覧の通 り。あざ笑うかのようなこの態度は…許せん!

 シーズン終盤のこの時期、お付き合いいただいたお二人に感謝申し上げます。(Field)

 

←戻る   2016年版目次へ   次へ→