南へ…往路編


ネジバナ(2016.08.12 日高)

 早々と目が醒め、コーヒーを沸かし、ゆっくりと朝食をとった。天気はまずまず、気温も20度台後半にはなるだろう。7時過ぎにエンジンをかけた。途中の原っぱで車を停めてうろつくが、蝶があまりにも少ない。ここで期待したのがセセリ類だったが、目撃はゼロ。僅かにシロチョウ科を見かけただけ…何で?不安!
 場所を変えようと歩いていたときにネジバナ発見。いやー、オジサンの好きな花なもんでね。その気になって、ネジバナに注意しながら歩いていたら、ん?捻れていないネジバナ発見。これってどういう根拠で捻れるのかねぇ?そういえば、右回転で捻れた奴と、左回転で捻れた奴を見た記憶があるが、何でだろ?人間にも右利きと、左利きが居るように、これも個性かなぁ?


ジャノメチョウ(2016.08.12 日高)

 いつもキマダラモドキを撮影している場所に到着しました。狭い農道で、両側に防風林があります。海岸に近いせいか単純な樹木の整列ではなく、ある程度の幅のある防風林で、主体はカシワとミズナラで、その他の雑木も生えています。その環境がキマダラモドキの棲息に適しているのでしょう。
 車を町道から農道に乗り入れ停車。カメラを手に歩き出しました。5〜6m程歩いたときに、前方で音がしました。ん?注目していると、農作業車が見えてきました。あら、ヤバイ!農道は狭く、車がすれ違うどころか、徒歩のFieldでさえすれ違うには気を遣いそうな幅です。慌てて、車に引き返しバックで町道へ入り、うーん、ここはまた後でと、違う農道を目指しました。ところが目指す蝶の姿はありません。仕方なく、小一時間後に先程の農道に戻って来ました。

 

キマダラモドキ(2016.08.12 日高)

 今度は車を、先程の農道から町道を挟んで反対側に停めました。そして、またカメラを手に歩き出しました。すると、何と完全に先程のリプレイ状態。違っているのは農作業車ではなくトラックでした。急いで農道から町道に戻ったところで、トラックが現れ、町道へ左折する状態で停車しました。“あんた、帯広からかい?”
 あら、しっかり見てたのね。“鳥か何かの写真かい?”トラックの運転席から顔を出したオジサマは、上の前歯が4本ほど無く、愛想の良さそうなお顔でした。“帯広から、蝶の写 真を撮りに来ています”と応えると、“そうかい、もう午前中はこの道路使わないから、ゆっくり探して良い写 真撮りなよ”思わぬお言葉に“ありがとうございます”と、やや深めに頭を下げると
、ニコニコ顔でオジサマは去って行きました。
 いやー、気持ちがほっこりしましたね〜。感謝です!そして、その農道で撮れたのがこの写 真でした。 この農道、思えば10年程前から、ほぼ毎年覗いてます。それ以前はキマダラヒカゲと言えば森町で撮影していたのですが、森町で姿を見ることが出来なくなり、北海道ではFieldの知る最後の生息地…何とか生き延びて欲しいと願っています。

 

コキマダラセセリ(2016.08.12 日高)


 このポイントに期待していたのは、ミドリシジミ類と十勝には居ないセセリ類でした。特にセセリ類は片端から撮影しましたが、目指す種類には会えませんでした。それにしても、とにかく飛んでいる蝶の数が少ない印象でした。この現象は十勝のどのポイントでも言える話ではありますが…

 

登別駅前(2016.08.12 日高)

 お昼前に移動することにしました。ハンドルを握っていて、そうだ、tomoさんどうしてるかなぁ?と思い立って電話をしてみました。お昼の準備中とのことで、唐突の連絡にも拘わらず、お会いすることが出来ました。2年振りでしたし、いつもなら蝶の撮影を一緒に…というパターンばかりでしたが、蝶とは関係なく、世間話をたっぷりしました。気が付けば午後4時でお暇することにしました。最初から寄るつもりなら、お土産でも用意して、時間も示し合わせてと言うところですが、本当に唐突、しかも手ぶらで申し訳ありませんでした。
 それにしても、今年の“南へ”は何なんだろうね〜。例年ならきっちりスケジュールを立て、何時までに何処へ行って、何を撮影するか決め、間に合うように走り回るというのがFieldのやり方でしたが、今回はどうもその気になれず、本当に行き当たりばったりな感じです。でもまあ、日高でほっこりして、登別 でのんびりして、それも良いんじゃない?という気がしてきました。
 さて今夜の宿泊地は、例年通りの遊楽部公園です。ここもいつもなら明るい内に着いて炭火を熾してビールを飲みながら焼き肉が定番でしたが、もう真っ暗。面 倒なので、コールマンストーブの上にフライパンを乗せ肉を焼きました。そうそう忘れてませんよ。流れ星ね。いやーさすがに八雲町です。週の内、八日間が曇りと言われるここで流れ星は無理でした。ま、良いかぁ、焼き肉と泡盛で満足だもんね〜。お休み〜。

 

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