石垣島中央部(夢に向かって vol.5)

メジロ(2016.05.01 バンナ岳)

 石垣2日目です。さすがに気温は高いもののどよ〜んと曇り、今にも泣きそうな空です。昨日は北端と西側を回りましたので、今日は島の中心部分、一気に確信に触れたい。そんな思いで先ずはバンナ岳です。
 注意深く、ゆっくりゆっくりと移動したつもりでしたが目立った種に出会うことは出来ませんでした。大体にして吸蜜出来そうな花が少ないと感じました。山を下りる途中に見かけたのがメジロでした。過去に北海道函館で1度。沖縄本島で1度。そしてこれが3度目の出会いでした。メンコイね。

 

シロガシラ(2016.05.01 石垣ダム)

 沖縄の留鳥だそうです。“キョッキョロー”と鳴いていました。名前通 り頭部の白が目印で、鳥さんトーシローのFieldも間違うことは無さそうです。


ヒタキ科?(2016.05.01 石垣ダム)

 鳥さんついでに…でもFieldが図鑑と睨めっこした結果 判りませんでした。センニュウとかヨシキリに近い種かと思います。ところで、先程から何をやってるのかと申しますと、チョウが居ないのでうろついているんです。ここはバンナ公園の東側で、かつてはバンナ公園で楽しい思い出がいっぱいあったのですが、何だろうねー拓け過ぎちゃってますかね。淋しい!

 

ヤシの新芽(2016.05.01 名蔵…なぐらダム付近)

 今回の石垣にはいくつかの目標を持って来ていますが、その中でも重要なのは於茂登岳(おもとだけ)のアサヒナキマダラセセリです。石垣に来てこのチョウに興味を示さない蝶屋は居ないはずです。天然記念物でもあり於茂登岳にしか居ないチョウですから…但し例年の発生時期は5月中旬で、よほど気の早い奴が現れない限り出会うことは難しいだろうと想像をしていました。しかし、今回はムリでも、今後の下見にはなるだろうと於茂登岳を目指すことにしました。
 狭い林道をゆっくりと車を走らせ、間もなく登山口という時に雨があぁぁぁぁ…!登山口に建物は無く管理人さんが雨の中、傘をさして座っていました。路上にはざっと20台くらい車が止まっています。お話を伺うと“雨は長くは降らないかも知れませんが、滑落の危険がありますよ”との事だった。足の付け根が病み、折れた右手もリハビリ不足の身としては、転んで身体かカメラに何かあってからでは遅い、と即決!やーめた!
 すごすごと登山口をやり過ごし、1kmくらいのところで車を停めた。いや、とにかく道が狭くて車を停められそうな場所もなかなか無いのですよ。で、そこは道に出っ張りがあり車が来ても大丈夫で、しかも路面 がチョウの吸水に適していると思った訳です。そこで雨が止むのを待ちました。…あ、この写 真ね。ヤシの新芽ですが、巨大なワラビ・コゴミに見えてきましてね。食べられるかなぁ?

 

イシガケチョウ(2016.05.01 名蔵…なぐらダム付近)

ツマベニチョウ(2016.05.01 名蔵…なぐらダム付近)

 雨があがると、直ぐにFieldの勘が当たったと実感しました。10桁程のイシガケチョウが吸水を始め、次にベニモンアゲハ、ヤエヤマカラスアゲハがやって来ました。更にツマベニチョウ。これには少し驚きました。“へー、ツマベニも吸水するんだぁ”もっともシロチョウ科も吸水しますんで、当たり前かぁ。
 吸水が終わったベニモンが太い木の幹に産卵を始めました。“おいおい、近くに食草が見あたら無いけど。孵化した幼虫、餌探しが大変じゃん”
 そこそこ楽しみましたが、Fieldが一番期待している奴が現れません。うーん、移動するかぁ。いや、実はミカドアゲハの吸水シーンを期待していたのです。
恥ずかしながら、日本のアゲハ科で唯一写真が撮れてないのがミカドなんです。幾度も飛翔を見ていますし、交通 事故死した遺体も拾った事があります。標本も蝶弟子のT.Ueda君から貰って手許に有りますが、写 真だけは撮れていないのです。これが今回の石垣での、目標でもありました。

 

ミカドアゲハ(2016.05.01 名蔵…なぐらダム付近)

 更に車を500m走らせた時、お、ここ良いんじゃないのと、右折しました。その時看板があるのに気付きました。“あれ?ここってS-MOTOさんが教えてくれた場所じゃん”実は今回の旅行前、Fieldが石垣に行く主旨を理解して頂いたところ、蝶屋仲間のS-MOTOさんから様々なアドバイスを頂いたのです。こりゃ期待が持てるかも!
 車を降りて歩いたら直ぐに沢山のキチョウが吸水をしていました。そして間もなく、遠くの地べたに何かが止まりました。青い色が見えたのでアオスジかミカドかどちらかに違い有りません。ワクワク!20mくらいの距離から望遠レンズを覗き込むと…やったね、ミカドだ!そこから先ずシャッターを切り、数歩歩いてはシャッターを切り…途中ふわりと舞い上がったりもしましたが、また近くに着地してくれて、徐々に距離を近付け、最後は3mでシャッターを切る事が出来ました。

 人間は欲で行動する動物です。ここまで来たら、翅の表の濃い青が見たい!そっと後方へ回り込んで撮ったのがこの写 真です。お願い!翅を半開きにして!!との願いまでは届きませんでしたが、概ね満足!!!

 

クロアゲハ♂(2016.05.01 名蔵…なぐらダム付近)

 俄然余裕が出来た気分ですね。シャッター50枚くらい切りましたから。吸水中のミカドを横目にあちこちうろついてみました。お、クロちゃんだ。昨日は♀を撮りましたんで、今日は♂も押さえておきましょう。うーん、シッポ(尾状突起)短いね!

 

ヤエヤマウラナミジャノメ(2016.05.01 名蔵…なぐらダム付近)

 更に、リュウキュウヒメジャノメ等を撮った後に出会ったのがこれ。翅を広げていたのですが、とにかく綺麗。いや色彩 とかではなく、キズ一つ無い生まれたばかりなんじゃない?ってな完璧なお姿。いやーこれは撮らなければ、とカメラを向け数度シャッターを切ったのですが…ところでアナタ、どちらさん?翅の裏を見ないとワカランのですが…。
 いやリュウキュウウラナミだろうけれど、裏のキズのない姿を撮っておこうと思ったのが本音でした。そうして、カメラを向けたまま待つこと数分。先程のミカドには届かなかった願いが、こちらさんには届いたようでした。しかも、何と!リュウキュウではなくヤエヤマウラナミジャノメさんでした。ラッキー!実はFieldにとって、これが初対面 です。
 この狭いエリアで、ミカドとヤエヤマウラジャノメと2種も未撮影種をカバーできたのです。蝶ラッキー!!!さすが石垣島だぁ!

※上記朱書き部分つきまして、S-MOTOさんから、石垣島にリュウキュウウラナミは棲息せず、もし見ていればマサキウラナミではとご心配いただきましたが、朱書き部分は石垣島に来ているというより沖縄に来ているという気分が強かったFieldの失言でした。マサキウラナミシジミはFieldにとって未だ未見種です。

 

ワカラントンボ(2016.05.01 名蔵…なぐらダム付近)

タイリクショウジョウトンボ(2016.05.01 名蔵…なぐらダム付近)

 上のトンボ…まぁチョウトンボの一種だろうと簡単に考えていた。これだけハデなんだから容易に種の特定が出来るであろうとタカをくくっていたら…Fieldの簡易的な図鑑には載っていなかった。まーそれでもネットで調べたら直ぐに…という安易な気持ちでいたが、結局ワカラン!何でだぁ?珍種だったりする??どなたかHelp Me!!
 下のも手こずった。ショウジョウトンボでしょ、と思ったら、どうも翅脈の色が違うんじゃないかぁ?という気がした。これはネット検索でタイリクが付くことが判った。でも、ここは島なのに何でタイリクなの???

※ワカラントンボにつきまして、S-MOTOさんとfarfallaさんからアカスジベッコウトンボではないかとメールを頂きました。Fieldも様々ググった結果 アカスジベッコウかナンヨウベッコウであろうと想像をしておりましたが、3年ほど前から石垣島でアカスジが観察されているとの記事をいくつか拝見いたしまして、どうもこの写 真もアカスジベッコウトンボであろうと思っております。 メールを頂きましたお二人に、この場をお借りして御礼申し上げます。感謝!!

 

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