準絶滅危惧種の状況

ヒメシジミ(2015.06.20 幕別町)

 Field Note 2015.05.17版で蝶の食草探しの記事を書いた。蝶マニアの方には、その時掲載した写 真がエゾノウワミズザクラであり、(準)絶滅危惧種がリンゴシジミだと判ったハズだ。実はそのリンゴシジミの発生を確認すべく06.14行動していた。しかし、雨にたたられ、充分に調査をすることが出来なかった。本日はそのリベンジが目的であった。
 お天気は予想より良さそうで、晴天。しかも出発して直ぐに気温は20度を超えていた。おしっ!ヤルゾ!!
 現地に到着してまず目を惹いたのがブルー系のシジミ。ん?何!ヒメ???早過ぎないか?過去のデータを調べたが、6月の発生は2004年に1度だけ(06.26)。あら、しかもそのデータも幕別 町だわ。他はおおよそ7月中旬だから…れれ?まずいかなぁ、リンゴの発生調査には遅れをとったかも(汗)

 

シロオビヒメジャノメ・クロヒカゲ♀・フタスジチョウ(2015.06.20 幕別 町)


 他の蝶も順調に発生しているようです。しかし、肝心のリンゴは見ることが出来ません。食草のウワミズザクラがこの時間帯、完全に日影になっている事が要因じゃないかと思い始めました。じゃあ、この時間帯に日の当たる場所を探さなければ…

 

リンゴシジミ(2015.06.20 幕別町)

 直射日光のあたる食草を探していて、ハシドイをを発見これは成虫の吸蜜植物です。白い花好きのリンゴが来てるかも…と目を凝らしていたら、あは、居ましたよ。ようやくリンゴ発見。しかし、余りにも遠すぎますし、近寄ることも難しそうです。しばらくヨダレを堪えながら見てました。

 

リンゴシジミ(2015.06.20 幕別町)

 

 それでも、きっとここに居るんじゃないかと目を付けた場所に居た事を嬉しく思いましたね。でも、それで満足する訳もなく…探しまくった結果 、全く予想もしなかった状況で撮影することが出来ました。
 実は、昨年よりMr.Sさんという方からメールを幾度か頂いていました。この方、蝶の中でもシジミチョウ。シジミチョウの中でもカラスシジミ族に強い興味をお持ちの方で、(カラスシジミ族は)“見落としがちなヒメジョオンをなぜか好むのです”という文章を寄せられておりました。確かにカラスシジミ・ミヤマカラスシジミは幾度もヒメジョオンに訪花する姿を撮影していますがリンゴとの40年の付き合いの中では見たことのないシーンです。それは無いよ!と言うのが正直な感想でしたが…

  足許のクローバーにシジミが止まった。
半信半疑で…というか種の同定が出来ないままレンズを向けてシャッターを切りました。ん!何?今のヤツ。再度ファインダーを覗いて、まさかリンゴ???

 

リンゴシジミ(2015.06.20 蝶多村)

  リンゴとの付き合い40年と書きましたが、正に初めて知ったリンゴの生態の一コマでしたね〜。で、ここで移動です。いや、もうちょっと近隣調査をしたかったのですが、ワケがありましてね。これまた先程登場したMr.Sさんという方が、本日来道しているハズで、私の予定を伝えてありました。午前は幕別 、午後からは蝶多村と、大雑把なお話ですがね。
 目的地手前で、Fieldとは逆方向に歩く怪しい人影…。しかし、反対方向に歩いているし、カメラは持っているようですが思いの外長タマでは無いので、違うな、と判断した途端に声を掛けられた。“あのーもしかして…”“どうして判ったの?”“ドローンの自我撮り載せてましたでしょ”あ、そっか。たまには載せてみるもんだね。“ところで、どちらへ?”“いや、道が判らなくなったもので…”ナルホド!
 で、肝心のリンゴですが、これがなかなか現れてくれませんでした。参ったね〜。ポイントと思われる場所でじっとしてるのもまずいかなと思い始めた時。“居ますよ”と声がかかった。

 

リンゴシジミ(2015.06.20 蝶多村)

 こういうシチュエーションで一番困るのが、目的の蝶が現れないこと。特に天候が良ければ、言い訳も出来ません。相手が生き物だから、出現しないことも有るのは相手の方もFieldも承知はしていますけどね。おいおい情報はデタラメかい?と言う人も居ないだろうけれど、お相手は決して安くない旅費と貴重な時間とを割いて見えている訳で…何とか期待に応えられたらと思う次第です。はい…
 まー一安心ではありましたが、欲張りFieldは満足できる状況ではありませんでしたね。こんなもんですか?いやー、数量 的に期待の1/10でしたね。淋しいです。もっと多くの個体が見られると思ったんですけどね〜。残念!

 

ギンイチモンジセセリ(2015.06.20 蝶多村)

 ここでそろそろ帰らなければいけない用があった。訪問者を現地に置いての帰宅で申し訳ないのだが…おっとその前に、先週撮りこぼしていたギンイチ撮影。
 昨年唐突にMr.Sさんからリンゴの件でメールを頂いた。で、思ったことは、地元のことをあまり注視していなかった。リンゴは何年もかけて町や道(北海道)に掛け合って保護活動に励んでいたが、一定の成果 があった途端に見に行くこともなくなった。もしかして、結果を見届けるのが怖かったのかも知れない。
 今後の方針として…どうしましょうね?ま、体力気力に任せて蝶を追いかけま〜す。


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