9年振りの出来事

まわーる原人(2013.06.09

 2013.06.01 要するに前週のField Noteでとまーる原人を紹介したばかりなんですが、今日は、まわーる原人になっています。右手にある緑色の物体は捕虫網であります。左手に握っている物、これが問題で、ひたすら頭上でくるくると回しながら歩いているのであります。
 一体何の為に?彼の目的は何なんでしょうか?今日はご覧の通 りのピーカンで気温も急上昇し、真夏日になったようですが、もしかして、この行動は陽気のせい?かもね〜!

 

ジョウザンシジミ(2013.06.09

 今週、北海道新聞にある記事が載った。タイトルは「渡りチョウ 大分→北海道」というもので、大分県姫島村で放蝶されたアサギマダラが、北海道上ノ国町で採集されたという内容。そして、その現認者が函館工業高校の対馬先生だという。ん?SENNSEの先生じゃん!Fieldも2度程お会いしたことがあるのだ。
 で、FieldはSENNSEにその件でメールしたら、やはり既にご存知でしたね。更に今年は、例年になく道南に渡ってくるアサギマダラの数が多いという情報も返って来たのであります。

 

 

ミヤマカラスアゲハ(2013.06.09

 “渡りチョウ”“アサギマダラ”で思い出すのが2004の出来事。「虫林花山の散歩道」の虫林さんが来道された時、林道を歩いている2人の間を北海道には居ないはずのアサギマダラが飛んだという事件がありました。
 更に同年8月28日。アサギマダラを目撃したという情報が入り、翌9月。6月に目撃したアサギマダラの子孫と思われる個体の撮影に成功したのでありました。
 そんな訳で、FieldとSENNSEは、あの夢よもう一度とばかり当時の目撃場所を目指したのであります

 

シロオビヒメヒカゲ(2013.06.09

 目指す林道の奧に、ツツジが咲きオナガアゲハが来る場所があります。まず目指したのはそのポイントで、そこから林道を下ってみようという計画。目指すポイントに到着前、道路際に貯木場を見つけた。ハンドルを握るSENNSEに、“帰り、ここに寄って欲しい”と私。いや、貯木場には時に面 白いカミキリムシが居たりするもんでね。
 ポイントに着いて驚いたのが、未だツツジが咲いていなかった事。エゾムラサキツツジが辛うじて咲いてましたが、他の種類はさすがに蕾は大きくなってましたがまだまだ!今日は30度を超える予報。ツツジが咲き、オナガ・ミヤマカラス・カラスが乱舞する光景を描いていたのに…

 

ヨツボシトンボ(2013.06.09 帯広市

 アゲハ類を諦めて、林道をかなり歩いてみましたが、アサギに出会う事もなく引き返してきました。まー、十勝でアサギに会おうってこと自体、10年に一度有るか無いかの事ですから当然と言えば当然ではあります。で、寄ったのが先程の貯木場。Fieldの描いていたのはルリボシ・ヒゲナガなどのカミキリ類。小口も湿気があり、木材の臭いもしていたので何かは居るんじゃないかとの期待も空しく、何も居ませんでした。
 カミキリは諦めて、次は先程の林道の下(しも)から上(かみ)へ向かって責めてみようと考えていた時、Fieldの眼前5メートルくらいの所で何かが飛んだ。しかもそこそこの大きさだ。“何だ?”と思った次の瞬間絶叫していた!

“アサギだっ!SENNSEアサギだぁ〜!!”

 

エゾイトトンボ(2013.06.09 帯広市

 SENNSEは数十メートル離れた場所で向こうを向いていたが、Fieldの絶叫に気付き、こちらを振り向くと同時に左手に持っていた薄水色(浅葱色?)のタオルを振り回し始めた。アサギマダラの気を引こうという魂胆だったようだ。確かにアサギマダラも飛翔コースを変え、一瞬SENNSEの近くを飛んだ。“とまーる原人”が“まわーる原人”に進化した一瞬であった。
 それにしても、“今年は例年になく北海道に渡るアサギが多い”という情報だけで、本当にアサギを発見してしまうこの悪運の強さは、アハハ未だ健在だった!それにしても、もし貯木場を目にしなかったら、もしカミキリムシを見たいと思わなかったら、それより何より、アサギは写 真も現物も無い訳で、もしSENNSEと一緒でなければFieldの空事で終わってしまうところでした。


ノビタキ(2013.06.09 帯広市

 その後、興奮冷めやらぬまま、林道の下から上を目指してうろついた訳ですが、その時の図が最初の写 真という訳であります。
  2匹目のどじょうは居なかった訳ですが、9年前の状況を考えると、ここで次世代の発生も考えられる訳で、更なる飛来は無いか?食草に幼虫など付いていないか?そして8月末から9月にかけて新鮮な個体が発生していないか?調査が必要になり、このエリアから当面 、目が離せなくなりそうです。


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