幻の蝶多村

蝶田橋(2013.05.05 池田町八千代

 今年(平成25年)3月、某所から名刺印刷の依頼があった。希望は、ワンポイントになるようなイラストを添えてデザインして欲しいとの事。うーんどうしましょう?その事業所は池田町に有る。そして十勝池田と云えば、ワインがかなり有名な産物であるが、それじゃぁあまりにもストレートで面 白く無い。そこで池田町のサイトを検索しまくった。その時目に留まったのが“蝶多”の文字。何と縁起の良い言葉なんだろう!!!
 池田町に八千代という地名があるが、かつては“千代田”ではなく、沢山の蝶が飛び交う土地という意味で“蝶多”と表記していたらしい。へー面 白い、と思ったが5/5足寄町に用が有ったので、そんなことを少し意識して池田町八千代を経由して車を走らせていたらこんな看板を目撃!地元でも“蝶多”“蝶田”“千代田”が混在している?

 

千代田橋(2013.05.18 池田町

  Fieldのイメージでは“蝶多”という土地の名に相応しい場所として、Field noteにさんざ出てくる長流枝(オサルシ)を思い浮かべるが、そのエリアの南側に十勝が丘という丘陵が有り、その十勝が丘の南東部に池田町千代田が有る。いやいや面 白い!Fieldの定点観測地と、蝶の多産地として昔から有名な場所が隣接しているなんて!!!
 で、ますます興味を持ってしまい更に文献を漁った。千代田(大正2年〜)蝶多(明治2年〜)と遡り、更なる語源はアイヌ語で「チ・エ・オタ」ということらしい。意味は「食濱」「吾人飲食シタル砂場ノ義ナリ」つまり「我らが・食事する・砂原」の意味をもつ地名だというのだ。なるほどね〜。


千代田堰堤(2013.05.18 池田町

 池田町に八千代という地名が有るのはFieldが子供の頃から知っていた。そこには千代田堰堤が有りシャケ(鮭)の捕獲場として、あまりにも有名な場所なのである。昔からここら辺りは漁場として最適な場所で、大河の岸に広大な砂場があればそんな地名が付いても納得ですよね〜。
 そして更なる驚きの事実が判明した。
蝶多村 [現]中川郡池田町字千代田、幕別町字新川、河東郡音更町字東和・字下士幌・字下士幌幹線・字長流枝・字長流枝幹線・十勝川温泉など 明治初年(同二年八月から同六年の間)から明治三九年(一九〇六)まで存続した (yahoo辞書より)
  何と!幻の蝶多村は、Field の定点観測地長流枝(オサルシ)が含まれるエリアに存在していたのだった!!!


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