無念のリベンジ

タンチョウ(2012.01.14 阿寒

 先週、1年振りにタンチョウを見に行った。天気予報をギリギリまで確認し、万全を期して行ったつもりだったが、青空は望めなかった。リベンジをと思ってみたり、そこまでしなくてもと思ってみたりしながら、一週間が過ぎた。
 金曜日、明日の釧路方面は晴天の予報。昼12時前後に雲は出るが、直ぐにまた晴れ。気温は氷点下14度と寒いが…何?北西の風9m/s…波の高さ3m!ダメだこりゃ!

 

タンチョウ(2012.01.14 阿寒)

 金曜日の夕刻、再度天気予報を確認したが、変化はなかった。風速9m/sでは、ブリザードになりかねない。完全に諦めようとしたが、いや待てよ〜。これって海岸近くの予報じゃないの?内陸はどうなのさ!
 考えてみたら、タンチョウの生息地は海岸から30kmほど内陸にあるのよ。とりあえず鶴居村は…天気予報は同じだが、風速は1〜2m/s…。行く!絶対行く!!

 

タンチョウ(2012.01.14 阿寒)

 青空を舞うタンチョウを想像しながらデジカメを手入れした。メインは久々にMINOLTAで撮ろう。想定される撮影の設定をカメラのメモリにセットした。しかし、これが後で後悔の元となるとは想像できていなかった。
 朝4時に起床し、暗闇の中、ハンドルを握った。釧路の日の出は6時54分であるが、7時過ぎには鶴居に到着したかった。道中、遅い大型トラックに挟まれながらも、ようやく到着。

 

タンチョウ(2012.01.14 阿寒)

 晴れていた。スッコーンと晴れていて、風もさほど気にならなかったが、肝心のタンチョウは1羽も居なかった。先週は到着した時には既に100羽を軽く超えていたのに…。
 まあ、気温のせいであろう。タンチョウは未だ川の中なんだと思う。気温があまりに低くて川の中の方が未だ温かい。そのうち気温が上がればお腹を空かしたタンチョウが餌を求めて活動するさ。車の中で待機した。うとうとしながら、音と気配には何度も目を見開いた。1時間…2時間…時折カメラマンが到着する音に舌打ちしながら時間が過ぎた。

 

タンチョウ(2012.01.14 阿寒)

 川を覗こうかとも思ったが、いやいやFieldが撮りたいのは華麗に青空を舞う姿で、靄の中川面 で肩を寄せ合う姿ではない。じっと待つこと2時間半。ようやく1組2組と舞い降りてきたが…うーむ、思惑と違う!
 Fieldが理想とするのは上空。しかも、出来ることなら真上を飛ぶ姿を期待していた。しかし、遠くを低空で飛ぶ姿は何度も目撃するが、角度が有りすぎる。しかも、遠い!時計は11時かぁ…んっ移動する!

 2時間半も全くの成果無しで、ようやくタンチョウが飛び始めたのに、即移動!何しろ相手は、気象と自然、判断は極めて難しいのだ。移動先では先ずラーメン。釧路特有の細くてまるでソーメンの様な…でも味は悪くない。でも、スープは止めておきましょう。オシッコ近くなるから(笑)

 

タンチョウ(2012.01.14 阿寒)

 で、いざ戦場へ…いや、戦場カメラマンでは無いけどね。えっ!敵?大砲みたいなレンズ抱えた大勢のカメラマンかな(笑)標的は…居ましたね。数はそんなに多くはないけれど、頭上を飛んでくれました。しかし、いつもと違うんですよ!
 まず、いつもより高く飛んでいましたね。おかげで、真下から2羽同時に…なんていうショットも撮れましたが、足を伸ばしてない奴が多くて…胴にぴったりと折り畳むようにくっつけて飛んでいる個体が多かった。何だか不格好です。しかも片足だけ伸ばしているのも居たりして…何故?
 推測その1…寒かったから:気温がかなり低かったので、足が冷え切らないように胴体にくっつけて飛んだ?推測その2…乱気流のせい:地表はそうでもないのですが上空は雲の動きから推測するにやや乱気流気味。そこでバランスをとる為に足を引っ込めたり伸ばしたりしながら飛んだ?まー、このいずれかだと思うのですが…。

 

タンチョウ(2012.01.14 阿寒)

 まーいずれにしろ、まずまずのシーンでシャッターを切ることが出来たと、概ね満足して帰宅したのですが…大きな落とし穴が待ち受けていました。いや、お出かけ前に様々な設定をして、カメラに記憶させたと書きました。雪上で静止のシーンはこうで、青空バックの飛翔シーンはこうで、同じ飛翔シーンでも背景が林の時はこう…MINOLTAは3種類の設定を記憶できるのよ。そこまでは良かったんだけど…
 画像サイズ最大で、保存モードを何故かRAWにしちゃった。実はこのMINOLTAのRAWモード…拡張子は“.MRW”なんだけど、Macでこのファイルを開くソフトを持ってないのよ!いや後継のSONYのソフトで開くもんだとばかり思い込んでいて…実は対応してなかった(汗)

 かくして、何とか他のソフトで無理矢理開いた物の、最高の条件でと考えていたのに思ったほど高い解像度は得ることが出来なかったという情けないお話です。うーん、ど〜んとでっかく引き伸ばすつもりだったのにぃ!無念じゃぁ!


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