空 転 その2

ホソバヒョウモン(2011.07.09 日高町)

 例年この時期、ここはコヒョウモンだらけになる。コヒョウモンも久しぶりだなぁとカメラを向けたが、あれ?何か変!模様が違うじゃん!気持ちサイズも小さいし〜。と、思ったらホソバだった。何だかなぁ〜先週と同じ種類ばかり撮っているよ。

 

ミスジチョウ(2011.07.09 日高町


 それでも、午後1時半頃まで粘った。粘りながらふと思ったが、例年ならこの林道、ゲートに鍵が掛かっているハズなのに今日は開いていた。またこの林道には、登山客、採集者含めて結構な数の車が入ってくるのだが、今日は札幌ナンバーの車1台とバイク1台しか見ていない。何だかいつもと様子が違うのだ。
 バイクの方に聞いてみたら、先週この林道でツマジロが2頭採集されているという情報を得たが、その方は本日ボウズだと言う。もうダメかなと思って、出口に向かう途中で、もうひと方(車の方)に声を掛けられたが、彼もまた同一情報を口にされ、本日はボウズだと仰る。うーんどうなってるのかなぁ。乱獲で激減した?と尋ねてみたが、いやそんな事は無いと思いますよ…との返事だった。

 

ミドリヒョウモン(2011.07.09 日高町

 とにかく、先週と同じ種の写真ばかりではつまらないと、場所を変えてみることにした。林道の脇にフランスギクが咲いていた。アゲハ類シロチョウ類に混じって、ヒョウモンが居たので車を止めてみたら…あれれ?ミドリじゃん!夏の蝶だよ!!
 やっと夏の蝶に会えて嬉しかった。たまたま2頭が並んでくれたので撮影。ピン良し、向こうの花のボケ具合も良し!で、ちょっと気に入った写 真になった。

 

キアゲハ(2011.07.09 日高町

 もう少し車を進めると今度はムシトリナデシコが咲き乱れていて、やたらとアゲハ類が多く飛んでいる場所へ出た。何だか嬉しくなってハイテンション!
 望遠系で、先程と同様の手法で撮ってみる。アハハ良い感じ!でも、待てよ〜広角で撮ったらどうなる?

 

オナガアゲハ(2011.07.09 日高町


 望遠と広角と交互にシャッターを切って楽しんだ。オナガが居た。ここでオナガはかつて1度見たきりだと思う。発生が遅れているせいか、今回は沢山のオナガに会えた。函館方面 でオナガはある程度の数を見たことはあったが、日高にこんなに居るとは意外だった。

 

カラスアゲハ(2011.07.09 日高町

 カラスアゲハは、ミヤマカラスより多産していて、これもまた意外な気がした。十勝では圧倒的にミヤマが多く有り得ない状況。

 

ミヤマカラスアゲハ(2011.07.09 日高町

 一見夏型?と思われる個体。ミヤマカラスアゲハは春型から生まれた次世代が夏に羽化せず翌年春に羽化するケースが珍しくない。この個体もそのパターンかも知れない。

 

エゾシロチョウ(2011.07.09 日高町

 Fieldの感覚では、6月初旬の蝶である。つまり、これが1月前のシーンなら分かる。



コヒオドシ(2011.07.09 日高町

 一方こちらは7月初旬の蝶で、アンタは正しい。…と、まあこんな感じで、Fieldの蝶の季節感は大混乱している。

 

エゾスジグロシロチョウ(2011.07.09 日高町

 オオイチと思って場所を移動したのだが、夢中になってここで時間を費やしてしまった。しかし、蝶を撮るという面 白さを久々に実感できた時間であった。つまり、体毛の一本一本…下手すると鱗粉の一個一個まで分かりそうなマクロ写 真の魅力。広角で周囲の環境まで写し込んだ写真の面白さ、両方の写真を撮ることが出来た。
 
一方で反省点も多かった。いくら広角はピンが深いと言っても、もっと開放値で撮れば、もう少し遠景のゴチャゴチャ感は整理できたのではないかとか、広角で撮る時、日中シンクロで撮ったら面 白かったんじゃないかとか…。
 タイトルを空転とした。会いたい蝶に会えない空回り状態を指しているが、耳の奧でFieldのある友人の言葉がリフレインしている。“こんな面 白いこと、止められますかって!”この2週で少しは蝶撮影の感が戻りつつある。そして今週末…蝶撮影の遠征に出掛けることにした。果 たして会いたい蝶に会えるのか、会いたい人に会えるのか…えっ?お天気?予報では何と雨なんですけど、どうなることやら…何っ?普段の行い?いやー、あんまり自信は無いんですけどね(苦笑)


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