そんなつもりじゃ…その2

エゾライチョウ(2009.08.15 松前町)

 とりあえず到着した場所は八雲町だった。例年GWとお盆前後は道南に向かうことが恒例となっていたが、今年は行くつもりがなかった。ここ数年目指すポイントへの林道が閉鎖されていたからだ。往復1,300kmも走って、それが無駄 足という状況はもうカンベンして欲しい。ガソリン代が下がったとは云え、地球温暖化に貢献することには違いない。それにも増して、多忙を極め体力に自信がなかった。更に気力が失せる要因も重なっていたのだ。今年は道南に行くことは無いだろうと思っていた。一方で、折角ETCを取り付けたのに…という思いも有るには有った。
 それを覆したのは、SENNSEからの電話だった。1週間ほど前の状況で、林道は閉鎖されていないこと。オオゴマがあちこちで発生していること…等々。この連絡が寝た子を起こしてしまった。どうせ道南まで走るなら、日高にも行こうと思ったのが昨日だった。その後ETC割引を利用して八雲まで行き、彼からの情報を待った。炭火を熾し、焼き肉&ビールの一人宴会が終わった頃に連絡が入った。SENNSEの先生が明早朝登山をすると云う。そこにはアサギマダラとベニヒカゲが居ると云うが、アサギは沖縄から北海道でも撮影しているし、ベニは先週先々週と腹一杯出会ったばかり。彼にはオオゴマに絞りたいので登山はしないと告げたら、彼もまた登山は望んでいなかったようだ。

 朝9時に彼と松前で待ち合わせた。途中時折雨模様だったが、携帯で連絡を取り合ったら、時折雲が割れ晴れているという。道の駅で待ち合わせ、林道のゲート前まで行き、そこで彼の車に乗り換えた。しほわんも来てくれている。彼とは久しぶりの同行で何だか嬉しいね。ポイントへ向かう途中エゾライチョウが居た。その後も幾度か見かけたが、さほど標高が高くない道南にも居るんだねぇ。

 

(カラス?)ヘビ(2009.08.15 松前町)

 林道を延々と走り、ポイントへ…と思ったら、彼はそこを通 過してしまった。れれ?何だろう?SENNSEの先生から新しい情報でも入って、もっと良い場所へ連れていってくれるのかと思ったら、さんざ走った挙げ句“久しぶりなので、ポイントが分からなくなった”と言い出した。何いっ!例のポイントならとうに通 り越して、既に(距離にして)2倍は走ってることを告げたら、結局引き返すと仰る。
 車をUターンさせて間もなく、彼は車は急停止させた。気付いたらすぐ後ろにもう一台の車が来ていた。SENNSEが降りて行った。ん?SENNSEの先生じゃないですか。私も降りて挨拶させて頂いた。登山予定だったのに山頂部の雲が取れずに待機していたが、結局断念されたようだ。ところでオオゴマはここから登山口の間でも見られると仰っているようだ。ならば延々と戻るよりこの近くで探した方が得策じゃないかという事になり、再度Uターン。場所は…地元出身の彼の嗅覚に任せた。
 彼が最初にチョイスした場所は橋のたもとだった。うん、悪くない場所だ。沢筋で食草も生えていた。そこで発見したのがこれ。護岸された堤防に蜷局(とぐろ)を巻いていた。ん?何か居る!近づいてみたらコイツだった。アオダイショウではないがカラスヘビほど黒くもない。しかし、近いのはカラスヘビだろう。ぐるぐる巻きでサイズは判然としないが、1メートルは優に超えているだろう。ところで、ヘビと出会った時のFieldは運が良いのだ!

 

オオゴマシジミ(2009.08.15 松前町)


 オオゴマだっ!SENNSEの指差す先は橋の下。川岸に生えるアザミの花だった。確かに何か居る。SENNSEが300mmで撮ってモニタで拡大画像を見せてくれた。Fieldも180mmで撮って拡大してみたが、間違いなくオオゴマが居る。しかも開翅してるではないか。
 北アルプスのクモベニを思い出した。うーん、これじゃあまた、証拠写真で終わってしまう!次の瞬間彼は何とか下りられるんじゃなかと、橋の袂から川原を目指した。あらら、負けてられないぞと、Fieldも後へ続いた。 (上は2倍、下は更に4倍に拡大)

 

オオゴマシジミ(2009.08.15 松前町)

 ここ数日、やはり雨が続いていたのだろう、やはり川岸の斜面 は滑ったが、何とか川原に降り立つことが出来た。遠くからシャッターを切りながら近づいたが、ん?レンズがマクロではない。そう思いながら何枚かシャッターを切った。
 意外と長いこと止まっていてくれている。ならば、車に戻ってマクロに取り替えようと思った途端に飛び去ってしまった。うーん残念!でも、まあまあそれなりに取れているようで安心した。 (つづく)


戻る      2009年版目次へ      次へ