定点観測 その3の2

クロヒカゲ(2008.06.15 音更町

 キマダラヒカゲに混じってクロヒカゲが活発に飛び回っていた。北海道では、蕗の葉の下にコロポックルという小さな森の妖精が住んでいると考えられているが、このクロヒカゲはさしづめ蕗の葉の上の番人のようだ。
 
蕗の葉の上でじっとしていたかと思うと、次の瞬間近づく敵を追い払い、また悠々と元の場所に戻って静止するという、占有行動をとっていた。

 

ヤマキマダラヒカゲ(2008.06.15 音更町

 キマダラヒカゲが木の葉にとまってくれたので、一応押さえてみる。どうやらヤマちゃんのようだ。この蝶、普段は地べたか木の幹に止まっていることが多いので、葉っぱの上のショットは案外貴重かも?

 

シロオビヒメヒカゲ(2008.06.15 音更町

 先週も結構な数飛んではいたが、飛翔写真ばかり狙って全部スカだった。今回は真面 目に狙ってみた。やはりヒカゲの仲間にしては明るくひょうきんな奴だと思う(笑)

 


コミスジ(2008.06.15 音更町

フタスジ(2008.06.15 音更町

 やたら小さなコミスジと、やたら大きなフタスジが居た。いずれも北海道産亜種で白帯が広い。特にフタスジは前翅の白線に比して後翅の白線がやたらと広く、ヒトスジに見える。え?そんな名前の蝶?居ないってば(笑)

 

ベニシジミ(2008.06.15 音更町

 今年ベニは数回目撃し、写真にも撮ってはいたが、なかなか皆さんにご披露できる程のものは撮れていなかった。ようやく少し気に入ったショットが撮れた。

 

ギンイチモンジセセリ(2008.06.15 音更町

 ところで、Fieldの苦労の産物…リンゴはどうなってるんだろうと、場所を移動。ワサワサと背の高い草をかき分けていたらギンイチが飛んだ。おっと、こいつは見逃すわけにはいかないぞと、追いかけてようやくゲット!ギンイチらしい写 真が撮れたと思う。

 

リンゴシジミ(2008.06.15 音更町

 リンゴは、少し早いかなぁと思いながらも、ウワミズザクラを1本1本チェック。辛うじて3頭確認できたが、いずれも高い梢の上。しかも、気温が低いもので太陽光線を直角に浴びようと身体を傾斜させているものだから、ますます撮り難い。辛うじてそれと分かる写 真は撮ったが、この後急に風が強まり、今日はここまでかなぁ。ちょっと残念だけど…
 北海道の初夏の花々が咲いているのに、異常に蝶の数が少なかった。まあ15度では仕方ないのかも知れない。そして、その割には色々な蝶に出会えた方なのだろう。でも、少し気になることがある。Fieldは花の開花期で蝶の発生期を判断している。この花が咲けば、あの蝶が出現する…という様に…。でも、それが徐々にズレているような気がする。
 今回もリンゴが発生しているのに、彼等の主要な吸蜜植物のエゾニワトコもコマユミも開花していなかった。 ここ10年ほど何かが“おかしい!”何がどうおかしいのか正確には分からないけれど、何か変!温暖化温暖化と騒がれてはいるけれど、それだけではないのか、またはそれに付随していることなのか?それさえ分からないけれど、何かが地球に起こっていると感じる。蝶の住めない地球は、人間にとっても住み難いはずだよね。


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