“とも”遠方より来る!

 結局カメラは直って無かった。 届いてすぐに直ってないと分かるような状態で、直りましたと送り返してくるメーカー(SONY)に対し無性に腹が立った。苦情の電話は入れたが、思った通 り事務的な返事しか貰えなかった。時間の浪費、そして神経の消耗はもうこりごりだ。早くスッキリさせたい。それには新しいカメラ・ボディを手に入れるしかないのだが、そのカメラを買うにしても、選択肢は1つしかない。MINOLTA無き後、私の持っているレンズを無駄 にしない為には、その腹の立つSONY製品を買うしかないのである。何だか釈然としない話ではある!
 地元のカメラショップを覗くと、何と!偶然にもそのSONYのα100がセール対象商品として棚に並んでいた。ラッキー!即決で買うことにしたが、商品を取りに奥へ行った店員がなかなか戻ってこない。またまた、やーな予感が的中した!やはり在庫切れだったのだ。次々と精神状態を乱高下させてくれる出来事が起こるのである。セール期間にその商品が在庫切れって何なんだよ!!数量 限定なんて、どこにも書いて無いぞ!一週間か10日で届きますからという店員に、要らん!帰る!!と背を向けたら、ちょっと待って下さい。と言いながら店員は電話をかけまくっていた。間もなく、釧路に在庫がありました。明日届きますから…

 そうだよ、商売やってんなら、そうでなきゃ。入荷次第に電話を貰うことにして、店を出た、やれやれ…。それにしても、最近のオッサン、気が短いのばっかでやってらんないよ!…と若い店員の声が聞こえてきそうな気がした。(苦笑)

 

メスグロヒョウモン♂(2007.08.05 上士幌町

 届いたカメラの印象は、“軽い”いや、それは悪いことではないのだが、軽すぎてオモチャみたいなのだ。そしてα7Digitalのマニアックな機能が大幅に削減されていた。まーこの一眼デジ混戦の中を勝ち抜くには正しい判断なんだろうなぁ。でも、少なくても自称カメラマニア達を納得させることは無理な製品と思う。一方で、もしMINOLTAがこの製品を出していたら、カメラ部門を手放さずに済んだかも知れないとも思う。でも、出来なかったんだろうなぁ。MINOLTAという老舗カメラ・メイカーのプライドが、それを許さなかったのだろう。
 早速、試写と思うのだが、相変わらず週末にお天気が崩れるパターンが続いていた。本当はオオゴマを狙いたかったが、断念!ちょうどTさんがクモマを狙いたいと仰っていたので、ご一緒することにした。昨年もポイントを知りたいと仰っていたが、あそこは熊さんの縄張りだから、単独でどうぞという訳にはいかなかった。

 登山口には思いの外早く到着した。気温は…20度あるだろうか?天候は曇りだが、おそらく午前中には太陽も顔を出すだろう。とりあえず、様子見がてら、登らずに少しうろついてみたら、ヒョウモン類と、ベニヒカゲが居た。ヨブスマソウに止まるヒョウモンを狙っていたら、手前に別 のヒョウモンが止まった。それを前ボケにすべく、ズームアウトして撮ってみたのだが、確かに手前の蝶は近いので大きく写 ってはいるのだが、どう見ても奥の蝶の更に奧に居るように見えてしまうのは何故なんだろう?何ともけったいな写 真になってしまった。

 

 

クモマベニヒカゲ(2007.08.05 上士幌町

 徐々に空が明るくなる様子だったので、そろそろ登ろうかと登山口に戻る。先程2台だった車が、3台に増えていた。沢沿いの山道は下草が未だ濡れていて、ズボンの膝から下はずぶ濡れになった。おまけに河原の石はぬ めりがあって幾度か足を滑らせ、靴の中まで浸水。いやー参ったね。
 本来クモマベニの盛期は7月下旬で、今回の撮影は少し遅めだと思っていたが、クモマベニの吸蜜植物であるオオハンゴンソウが未だ3分程度しか咲いてない。これはもしかして山の天候が不順でクモマベニの発生が大幅に遅れているのではないかと思ったが、ポイントに着くととりあえず蝶は姿を見せてくれた。

 ところが、このクモマ少し擦れている。ってことは例年通り発生したのかなと、思うものの余りにも数が少なかった。ご存知のようにクモマの発生は2年周期だから、昨年Fieldが良い思いをした分今年はこんな程度なのかと思う反面 、オオハンゴンソウの咲き具合から推察するに、もしかして例年通り発生が始まったが、その直後から天候不順が続き、発生が分断されたんじゃないかと云う気もする。この推測が当たっていれば、発生のピークはもしかして来週かも知れない。

 

コヒオドシ(2007.08.05 上士幌町

 クモマベニに代わって、沢山姿を見せてくれたのがコヒオドシだった。こちらは元気良く飛び回り、次々と訪花していた。
 ところが、こいつが厄介な奴で、飛んでいるときにはそれと判断が付く。しかし花の上で静止している姿は、遠目にクモマベニとあまり区別 が付かないのだ。まず大きさがかなり近い。そして翅を閉じるとかなり黒っぽく、もしかしてクモマベニじゃないかと思わせるのだ。

 

コヒオドシ(2007.08.05 上士幌町

 ん!あそこに止まっているのはもしかして…と近づく。有る程度近づくとクモマベニより明らかに赤味が強い。なーんだコヒオドシかぁ。…というパターンを何度繰り返したことか。でも、この蝶はこの蝶で結構魅力のある蝶なんですけどね〜。
 今回はα100のテストの意味も有りましたし、クモマの発生数が少なかったもんで、コヒオドシの写 真を結構撮りましたね。…で、テスト結果なのですが、直射日光の当たるシーンでもコントラスト“-1”で、何とか花も蝶も潰れずに撮れたようです。操作性も、α7を継承してますので、慣れている私には違和感無く使えました。しかし、まだ機能を全部覚えてないので使いこなすにはまだまだ練習が必要だとも感じました。

 

コゲラ(2007.08.05 音更町

 このまま粘ってもクモマの姿を見るのは難しそうだったので、お昼過ぎには下山して音更町に戻ってきた。曇り空だったが、本日は終了〜というにはまだ少し早い時刻だったので、ゼフィルスやオオヒカゲを求めて少しうろついてみたが、あまりパッとした獲物には出会えなかった。
 ただ、S公園でFieldお気に入りの鳥に出会えた。キツツキのドラミングにはいつも驚嘆させられるのだが、こうして写 真で見ると、ヘッド・スピードはやはり、かなりのものだ。これでよく脳震盪を起こさないものだと、つくづく感心してしまう。

 
夕刻Tさんとはお別れした。早朝からハンドルを握って頂き、大変ご苦労様でした。これから十勝川温泉で汗を流し、明日は中札内だと言う。どうぞお気を付けて…、またいつかご一緒しましょうね。

 

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