年に1度は登らなきゃ その2

キバナシャクナゲ(2007.07.15 大雪山赤岳

 奥の平にキバナシャクナゲが咲いていた。ってーことはアサヒヒョウモンも現れてくれるかも…と、しばし待つことにしたら、案の定出てきてはくれたのだが、距離が有り過ぎ。数枚シャッターを切ったが、角度の浅い平ぺったい写 真ばかりで、証拠写真程度にしかならない。
 まー帰りにもチャンスは有るだろうと、更に登ったのだが、この判断は間違っていたようで、この日アサヒヒョウモンを撮影するチャンスはこれでオシマイだった。

 

ダイセツタカネヒカゲ(2007.07.15 大雪山赤岳

 コマクサ平に到着。ここまで1時間半。最初ヒーコラ言ってた割にはまあまあのペースだ。所が何か変だ!蝶の姿が見られない。な、何だぁ?そりゃ時期が遅いのは分かってますよ。黄色いウスバキなんぞという贅沢を言う気は無いのですよ。しかし、色の褪めた奴さえ飛んでません。ダイタカでさえ姿が見えません。どうなってるの?
 しかも、時折飛ぶのは何とエゾシロチョウとミヤマカラスアゲハ。もしかしてこれは気温が高すぎて、高山蝶が飛べずにお休みしてる?だからもっと下界に居るハズの蝶が上がって来たのかなぁ?おっとようやくダイタカかと思いきや、今度はキマダラヒカゲだもの!

 この現象って今日だけのことなのか、それともお山にも温暖化現象の影響が現れつつあるのか、とにかくここではかつて見たことのない蝶ばかり現れて、驚きと不安が交差した。普段あまり熱心に撮る気のしないダイタカだが、ようやく現れた姿を見て、思わず何枚も連写 してしまった。

 

ウスバキチョウ(2007.07.15 大雪山赤岳

 一方ウスバキはというと、遠くでヒラヒラしてるのが時々見える。しかし、さっぱり射程距離の範囲には現れない。ようやく1頭が登山道に沿って飛んできたのを目で追った。Fieldに段々近づき目の前を通 り過ぎハイマツの陰に入った。1秒2秒3秒…あれ?出てこない!もしやと思い駆け寄ったら、ハイマツの陰で吸蜜してるではないか!
 慌ててカメラを構えて2度シャッターを切った。角度を変えようと動いた途端に飛ばれてしまった。慌てたFieldの動きが、少し急だったのか、驚かせてしまったのだろう。

 

ウスバキチョウ(2007.07.15 大雪山赤岳

 ところで今日は陽射しが強い。ウスバキの翅がテカるので、偏光フィルタを付けようと思ったが、ポケットに入れたハズのフィルタ・ケースが見あたらない。あらー、クローズアップレンズと2枚一緒に入れてあったのに、当然それも無い。どこかに落っことしたみたいだ。参ったなー。今日は登山者がやたら多いし、きっと出てこないだろうなぁ。ショボ〜ン!拾った方はご連絡を…ったって無理だよなぁ。
 その後数十分粘って、ようやく次のチャンスが訪れた。何と1mの距離に止まってくれたのだ。レンズをマクロに替えてじっくり撮らせていただいたが、もうちょっと黄色いの撮りたかったなぁ…なんて、さっきは色の褪めた奴でも良いから…と思っていたはずなのに、贅沢だったかな?

 

イワブクロ(2007.07.15 大雪山赤岳

 今年の大雪山、あれもこれもと欲を出すと登るタイミングが難しかったようで、今回は、蝶で言えばダイタカ・ウスバキは遅過ぎ。アサヒヒョウモンは絶対数が少なく不明だが、コマクサ平の奥のキバナシャクナゲのポイントが未だ雪に被われていたから、これからダラダラと発生するのかも知れない。そしてカラタカはほんの少し早かったというタイミングのようだ。
 花はイワブクロがこんなに咲き乱れているシーンは過去に記憶がなかった。Fieldの好きなウサギギクが一輪も見られず。登山口より低い高度で一輪だけ発見。チングルマ・ツガザクラの類も僅かしか見られなかった。まあ、シーズン中幾度か登らないと、見たい物全てを見ることは難しいということでしょう。

 今シーズンの予定に入って無かった赤岳でしたが、天候に振り回され、行き場を失って登った格好になってしまった。 本当に満足できる写真は撮れなかったものの、やはり折角北海道に居るんだから、年に1度は登らなきゃ!…そう感じた一日でした。それにしてもフィルターが…出てこない…悲しい!

 

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