夏近し!

集団吸汁(キマダラヒカゲ他)(2007.07.01 音更町

 どうも最近週末毎に雨が降る。昨日も雨。降水確率80%という予報ほどではなかったが、気温も上がらずぐずついたお天気だった。実は今日、Fieldが所属する釣りクラブの大会日だった。しかし、どうも力が入らない。エントリーすれば、ほぼ100%毎回優勝しているような感じで、そろそろ顰蹙を買うんじゃないかと心配するくらいなら、いっそお休みして蝶々と遊んだ方が良いだろう。
 思いの外お天気は良さそうなので、いつもの定点観測地点へと向かう。気温は20度程度だが、陽射しはまぶしいくらいだ。林道に入って、いつものようにトロトロ運転。ところが驚いたことにキマダラヒカゲが呆れるほど発生している。どこを見てもキマダラヒカゲが目に入らない場所はない!ってなくらい居る。そして例によって林道のあちらこちらで、イチモンジやギンボシ・セセリ類も交えて集団吸汁の姿。

 キマダラヒカゲは、音に敏感に反応する。シャッター音で逃げるのだ。じゃあ、ちょっと実験…と思って、3枚連写 してみたのが上の写真。アハハ、飛んだ飛んだ!まるで花びらを散らしたみたいで面 白い!林道が暗かったのでシャッタースピードが上がらず、飛んだ蝶がブレてしまったので、今度実験するときにはストロボも発光させてみようかなと今から企んでいる。

 

キマダラヒカゲ(2007.07.01 音更町

 ここは別の林道です。この時期、かつてここにはイシダシジミが発生していたのですが、姿を見なくなってから結構な年数が経ちます。ナンテンハギはまだポツポツと咲いてはいるので未だ絶滅はしてないと信じて、今日も探してみましたが、ヒメシジミを数頭見ただけで終わってしまいました。
 それにしても、ここでもまたキマダラヒカゲがワンサカ居ましたね。この木にも20頭ほど…環境の変化に順応できる種とそうでない種が、はっきりと分かります。

 

カバイロシジミ(2007.07.01 音更町

 イシダ探しで、紛らわしいのがヒメシジミですが、ヒメはやや小ぶりなので、やや大きめのシジミを見ると必死で追いかけますが、すると今度はこのカバイロばかりを追いかける羽目になります。
 カバイロもそんなに数は多くないし、好きな種ではあるのですが、この時ばかりは“なーんだ、カバイロか…”となってしまいます。カバちゃんゴメンね!
 ところで、某所でカバイロってどんな色?ってなことが話題になってました。字では樺色で、日本の色のリストに寄れば、C=0,M=85,Y=88,B=15…おっと失礼、これが分かるのは印刷屋かデザイナーくらいなもんですね。えーと■■(#CF4720)こんな色ですね。限りなく茶色です。カバイロナントカというキノコが数種ありますが、それらの傘は確かに茶色ですが、この蝶に樺色は見あたりません。学名のGlaucopsycheは“灰色の蝶”の意味で、こちらはピンと来ますね。雌の表翅の色だとの説もありますが、それも納得出来ません。Fieldはダケカンバ、シラカンバ等の樺の木の樹皮の色なんだと解釈してるのですが、皆さんはどう思われますか?

 

ギンボシヒョウモン(2007.07.01 音更町

 こちらはまた別の場所で、先程と違って林道は明るく開けた場所にあります。ここで驚いたのはギンボシヒョウモンの数。いやいや、居るわ居るわ!これまたおびただしい数でした。もともと道東の大型ヒョウモンの中では最も数は多い種ですが、それにしてもちょっと異常繁殖気味。しかも、未だ7月になったばかりで、こんなに居て良いもんでしょうか?
 ちょうどウツボグサやオヤマボクチなどのアザミ類も咲き始めていて、吸蜜してるのやら、雌を求めて草むらを縫うように低空飛行してるものやらで、賑やかでしたね。

 

コムクドリ(2007.07.01 音更町

 さて、帰途Fieldには楽しみがありました。来る途中の道端にコンクリートの電柱があり、それを支えている支柱に穴を見つけたのです。支柱とはいえ、もともと電柱用に加工されコールタールを塗った木製で、普通 の電柱の太さがあったのですが、そこにぽっかりと穴が2つ見えました。これは鳥が営巣してるかも知れないと睨んでいたのです。
 そこで、帰り道その電柱の場所へ行ってみると、道路の反対側に都合良く駐車スペースがありましたのでそこに車を止め、遠巻きに観察したところ、穴は2つと思っていたのですが、更にその上70cm位 の所にもう一つ穴があり全部で3つの穴が縦に並んでいました。穴の中の様子は分かりませんが、驚かせてはいけないと思い、車に戻り窓からカメラを構えて待つことにしました。

 待つこと15分くらいでしょうか、雄と雌が嘴に沢山の虫をくわえ、相次いで戻ってきました。Fieldが期待していたのはアカゲラだったのですが、どうもこれはコムクドリのように思います。そのうち雌と思われる方がFieldの頭上の電線に止まり、警戒するかのような声で鳴き始めましたので、撤退することにしました。間もなく北海道も本格的な夏を迎えようとしています。うかうかしてると、北海道の短い夏は通 り過ぎて行ってしまうぞと、少し焦りを感じた一日でした。(何かいつもと口調が違うなぁ…まだ調子が出ない…)

 

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