吉凶混交

ヒメウスバシロチョウ(2007.06.17 音更町

 Fieldは、もしかしたらこの6月が一番好きな季節かも知れない。5月ヒメギフが出て、長い冬が終わったと実感するのだが、その後1月ほどの間、ワクワクさせてくれる蝶の発生がみられない。しかし6月、Fieldの好きなチシマフウロが咲き、カラタカ・カバイロ・ヒメウスバ・シロオビヒメ・カラフトヒョウモン…と一斉に北海道らしい蝶が飛び始める。
 梅雨の影響も少なく、晴れ渡った青い空、みずみずしい緑、命の躍動感を感じる。間もなく大雪の高山蝶・オオイチモンジも発生する。今年はいつどこへ出掛けようと蝶の発生を予測して計画を立てるのもまた楽しい。

 

ヒメウスバシロチョウ(2007.06.17 音更町

 スプリング・エフェメラルと呼ばれる早春の花も良いけれど、この時期の花も良い。時にFieldが好きなのはこのチシマフウロ。紫色の花は結構好きだ。蝶もこの花が好きなようで、様々な蝶がやって来るのも、この花が好きな理由の一つかも知れない。
 丁度今が盛りのようだが、例年より少し花の数が少ないように思える。それでも、カラフトタカネキマダラセセリ・シロオビヒメ・ヒメウスバシロ・ミヤマカラスアゲハ・ベニシジミ・ルリシジミ・ツバメシジミ…多くの蝶を惹き付ける魅力があるようだ。

 

カラスアゲハ(2007.06.17 音更町

 今年特に注目したいのは、カラスアゲハが多いことだ。ここでカラスはついぞ見た記憶がない。99%ミヤマカラスだと思っていたが、やたらとカラスが目に着く。そして、先週はここでナミアゲハも出現した。
 ナミアゲハはかつてはそこそこ見ることが出来た種類であるが、最後にここでナミアゲハを見たのは、いったい何年前だか思い出すことも出来ない程昔になってしまった。この両種が発生していることは、温暖化の影響なのか、何らかの食樹が育っているからなのか…。
 もともとこの地でミカン科の自生植物はキハダと極めて少数のツルシキミしかなく、この両種はいったい何を食べているのか?また人為的に植えられた何らかのミカン科植物で育っているのか? ワカランことだらけだ。

 

エゾシロチョウ(2007.06.17 音更町

 ここで、突如トラブルが発生した。カメラのシャッターが落ちないのだ。症状は2005年のヨーロッパ旅行編、第2章と全く同じで電源は入る、ピン合わせもする。でも手ぶれインジケーターが 点滅し続けシャッターが落ちない。手ぶれ補正機能をoffにしても結果 は同じ。一度撮影を諦めて車に戻った。
 車の中で、電源をon、offしてみたり、バッテリーを抜いたりしているうちに、取りあえずシャッターが切れるようになった。もっとここで撮りたいシーンも有ったが、もう一度林道を登る気になれず、場所をウワミズザクラの移植先へと移した。
 丁度お昼頃になっていた。ぐるりと見渡したがリンゴが飛んでいる様子はない。先週から発生し始めたエゾシロが居たので撮影してみたが、問題なく撮ることが出来た。やれやれ

 

リンゴシジミ(2007.06.17 音更町

 植樹を丹念に1本ずつ揺すりながらチェックすると、すぐにリンゴの姿が見えた。今期第一号。と言うか移植先での発生第一号か。思わず顔が綻ぶ。殆ど全ての植樹を揺すってみた結果 5頭確認することが出来た。吸蜜用に移植したコマユミとエゾニワトコは未だ蕾のままだし、本格的に発生するのは来週くらいからだろうか?
 写真としてはあまり良くないが、発生の証拠写真は数枚撮ることが出来た。…ところが、またシャッターが落ちなくなった。うーん!やはり今年はFieldにとって凶年なんだろうか?そして、コニカミノルタさんはきちんと対応してくれるのだろうか?大きな不安を抱えながら、トボトボと帰途に着いた。ショボ〜ン!

 

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