寝てなんかいられるか!

 

やられた!(2007.06.09 音更町

 数日前、重い荷物を持ちながら、車のハッチバッグを閉めようとして体を捻った。腰に若干違和感を感じたのだが、まあそのうち治るだろうくらいに考えていた。その夜、いつもより長く風呂に入り、湿布をして寝た。翌朝、起きあがろうとした時に、腰が悪化していることに気付いた。ヤベっ!
 その日は帯広の森で育樹作業があった。一応出掛けてはみたが何もできず、カメラマンを装ってその場を取り繕ろい、そのまま病院へ直行した。“骨は綺麗なもんですね〜、まー典型的ぎっくり腰というやつでしょう”腰痛ベルトと湿布薬と痛み止めの飲み薬をもらった。帰宅して“ぎっくり腰”をキーワードにネット検索してみたが、安静が一番みたいなことに終始していた。更に翌日…つまり今日であるが…お天気は曇り。しかし、昼が近づくに連れ気温は上がってきて、外の様子が気になる。腰は昨日よりいくらか調子良さそうだ。うー、どうしようと一瞬思ったが、Fieldは、皆さんも既にご存知の性格!このまま1日寝てなんかいられるか!と車に乗り込んだ。
 まずコンビニに寄っておにぎりと飲み物を調達して、店を出ようとしたときに店員のおばちゃんに呼び止められた。な、何だぁ?おばちゃんはレジから飛び出して来てコインを見せた。こんなの混じってましたけど…。大きさ・色・重さ…とも日本円の100円玉 に似てはいるが、模様は全然違う。しかし、Fieldには心当たりがない。きっとどこかで貰ったお釣りに紛れていたに違いない。やられた〜!!

 

ツバメシジミ(2007.06.09 音更町

 硬貨はどうもNT$のようだ。確かにFieldは昨年台湾に行っているが、既に1年が経過している。しかもFieldは海外に出掛けるときには現地通 貨用の財布を別に持って行くから、紛れることは考えられない。手渡しでお釣りを受け取ったら、気付いても良さそうだし…ってことは自販のお釣りか?硬貨の裏を見ると、伍圓と書かれている。えーと、レートが3.5円とすると17円くらいだから83円の損失…あ、いやそういうことでなく…でも、何だか釈然としないFieldであった。何か悔しいな〜。
 そんな事件がありましたが、Fieldが目指したのは、音更町のいつものポイント… 。林道に着く頃には薄日も射し始め良い感じになってきました。例によって、トロトロと林道を流してましたら、前方左手の道路脇になにやら青いものがチラチラと見えます。何だ?!と思い、車を止めて近づいてみて驚きました。青いチラチラの正体はツバメシジミだったのですが、おそらく100頭は下らない数の♂が吸水していたのです。ここに5頭、ここには20頭、ここは10頭…と、点々と青い塊が出来ていました。
 かつてツバメシジミの吸水は時々見かけていましたが、せいぜい5〜6頭。こんな大規模な集団は初めて見ました。まるでツバメシジミの大宴会のようです。

 BBSに“この大宴会はオスばかり?メスは参加していないのでしょうか? ”との質問がありましたので、その回答をこちらにも記させていただきます。
  一般的に蝶の吸水は雄独特の行動で、雌には滅多に見られません。 今回も、1頭くらい雌がいないかと探しましたが、いませんでした。 この行動は、気温の上がる暑い日に多く見られ、かつては体温調節の為だろう言われていましたが、今では、雌より多くの飛翔行動をする雄の筋肉に必要な ナトリウムの補給じゃないかとか、精子を作るために必要なミネラル分の補給なんだと云う説が どうも有力のようです。ただし、沖縄では、移動性の強いウスキシロチョウ(ギンモン型)の 雌の吸水が知られていますので、必ずしも100%雄とは 言い切れません。しかし、北海道産の蝶の場合は限りなく100%近くが 雄と考えて良いと思います。

 

ヤマキマダラヒカゲ(2007.06.09 音更町

 集団と言えば、ツバメシジミの集団の近くで、ヤマキマダラヒカゲも小集団を作っていましたが、こちらは毎度のことで珍しくも何ともありません。
 さて、更に林道を進むと、ネットをお持ちの方がいらっしゃいました。やり過ごそうと思ったのですが、近くにジープがあり、ナンバー・プレートを見たら山梨になっています。んじゃ少しお話ししてみましょうと、車を寄せて声をかけさせて頂いた。やはり山梨からお見えだと言うその方は、Yさんと仰った。そして本当はカミキリ屋さんなのだと仰る。ん?山梨?カミキリ?…Fieldも同じようなキーワードをお持ちの方を存じているのですがねぇ(笑)
 そして、その方が車の中から持ち出したのは、20年に渡り調べ上げた山梨県のカミキリ類の330種を越えるリスト。いやいや大したものです。

 

カラフトタカネキマダラセセリ(2007.06.09 音更町

 林道で立ち話をしていたら、白っぽい4輪駆動車がやって来た。運転席を覗いたら、音更在住、今は札幌赴任中のY君だった。“久しぶり”と言ったら、“いつもHP見てるから、そんな気がしませんよ。お絵かきもみたしね”との返事。参った参った。
 その後3人で昆虫談議。考えてみたら、Fieldの本名のイニシャルもYだから、3人のYが、文字どおり道端でワイワイやってたことになる。

 

ベニシジミ(2007.06.09 音更町

 音更のY君と分かれ、山梨のYさんとFieldはポイントを変えた。Fieldの好きな花チシマフウロが咲いていたが、まだ3分咲き程度か。期待していたヒメウスバは未だ見ることが出来なかった。カラフトタカネもまだまだ数が少ない。
 今年の春先、順調に経緯したかと思っていたが、十勝では5月28日に霜が降りた。そんなこともあって、蝶の発生が足踏み状態なのかも知れない。

 

シロオビヒメヒカゲ(2007.06.09 音更町

 山梨のY氏は新鮮なシロオビヒメヒカゲに夢中になっていたが、他の北海道特産種にはあまり出会えなかった様子。でも、あと10日ほど北海道にいらっしゃるとのこと、まだまだチャンスはあるでしょう。
 久しぶりにホーム・グランドで蝶と遊ぶことが出来た。蝶の発生が、思ったほど進んではいなかったが、まあ平年並みと言って良いだろう。人は人生に色々なことがある。しかし、自然はそんなこととは関係なく営々と営まれている。明日もまた太陽が東の空から昇るように…その営みが止まってはいけない。止めてはいけない。そんなことを考えた一日だった。

 

ミヤマセセリ・ミヤマカラスアゲハ・カラスアゲハ・キアゲハ・ナミアゲハ
コミスジ・スジグロシロチョウ・エゾヒメシロチョウ・

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