リンゴの成る木はサクラ?


エゾノウワミズザクラ(2007.05.20 音更町

 今から5年前になる。音更町のリンゴシジミの発生地で、木が伐採された。リンゴシジミの食樹であるエゾノウワミズザクラ、吸蜜植物であるマユミ、そしてエゾニワトコ…軒並み伐採されてしまった。いったい何があったのか!調べてみたらそこには橋が出来るらしい。その調査・測量 のために伐採されたことが分かった。
 もともと音更町には、リンゴシジミの大きな発生ポイントが三ヶ所有った。一ヶ所は河川改修で消滅した。もう一ヶ所は、やはり橋工事のために消滅した。最後の砦と言っても良いこのポイントも、また工事で消滅してしまうのか!?それを見過ごすことは断じて出来ない。そう思い立って、その地区から選出されている町議に、リンゴシジミ保護を訴える手紙を送った。
 一昨年、音更町から連絡があった。橋工事が決定し、翌年から着工の予定であるとのこと。ついては、Fieldの意見をうかがいたいという趣旨だった。十勝支庁合同庁舎に、北海道、土木現業所、音更町役場、橋の両側の地域住民代表として連合町内会関係者…およそ30人を越える方々対Field一人という図式で会合が持たれた。

 

エゾノウワミズザクラ(2007.05.20 音更町

 Fieldは、リンゴシジミがレッド・データブックの希少種であること、音更町にはかつて3ヶ所の大きな発生地があったが、そのうち2ヶ所で絶滅してること、等々を訴えた。そんな会議が10回ほど持たれただろうか…思いの外、音更町・道・土木現業所の方々の反応は好意的で、最終的には工事は行われるものの、食樹・吸蜜植物を移植しリンゴシジミを保護するという方向で意見は固まった。
 移植先として、同河川(音更川)上流と道立公園敷地内案が浮上し、地質・環境調査が始まった。しかし、同河川上流は、環境的には申し分無いにしても、将来河川改修などの工事が再度行われる可能性が高く、Fieldも否定的であった。結局、道立公園敷地内に食樹・吸蜜植物を移植することに決まり、昨年秋、橋桁工事が行われる中、工事予定エリア内の270本を越える樹木の移植が行われたのである。
 そんな訳で、すっかり道立公園に縁の出来たFieldであるが、その件とは別に私の所属する団体が主催で、同公園内に植樹をするというイベントが本日行われた。十勝支庁側の受入態度には呆れるばかりだった。こちらはボランティアで全て手弁当なのに“くれるなら貰ってやっても良い”という態度がありあり!植えて良いのはこことここだけ、樹種はこれとこれだけ…申請書を出せ!計画書を見せろ!責任者の判子揃えろ!…

 

エゾノウワミズザクラ(2007.05.20 音更町

 そんなこんなで、どうにか植樹をさせて頂き、無事終了。かかった費用40万円。これって、継続事業として毎年と思っていたのですが、十勝支庁の担当者さんのあまりの横柄な態度に、今後どうしたもんでしょうかと思案してしまいました。困った困った!迷惑だけど仕方ないからもらってやるってな感じだもんねー。担当者は役人根性丸出し、翌年3月めでたく定年なんだし、余計なことを考えずに放って置いてくれ…ってことでしょうか?ウワミズザクラ移植を担当された皆さんとは大違いでした。
 まーそんなこんなで、植樹祭も終わりましたので、昨年移植した樹木の様子を見に来ましたが、うーん竹の支柱に支えられ、どうにか生きては居るようですが、見るからに勢いはなく、花もあまり沢山は咲いてない感じ。この時期のリンゴシジミは花を食べているハズなんですけれど、皆さん(リンゴシジミ)はご健在なんでしょうか?
 さて、リンゴシジミが発生するまで、あとひと月。果たしてこの引越先で無事育つことができたのでしょうか?今から、ハラハラ・ドキドキ!とても心配な毎日を送っているFieldではあります。

 

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