ヒヨドリ(2006.11.03 帯広市

 残念ながらエゾリスにはついに出会えなかった。しかし、あまりにお天気が良く、このまま帰るにはもったいない。そうだ!久しぶりに十勝川で大物を狙ってみようと。合流点を目指した。

 

コウモリ(2006.11.03 帯広川

 合流点より少し上の帯広川に架かる橋の上から、何だか不思議なものを見た。えぇっ!あれ、コウモリだよね?急いで橋を渡り、車を寄せてから、カメラを掴んで橋の上まで戻ってきたら、未だそのコウモリは水面 ギリギリの低空飛行でウロウロしていた。
 いったいコウモリが、こんな真っ昼間に、しかも川の水面上で何をやってるんだろう?いつぞやS氏と芽室町で昼間飛んでいるコウモリを目撃したことがあったが、こういうことって良く有ることなんだろうか?
 コウモリの主食は昆虫のはず。本来は夜行性昆虫を食べていると思うのだが、さすがにこの時期の夜間は、氷点下になることもあって、昆虫は居ないと思う。よく見ると、確かに川ではユスリカの一種だろうか、小さな昆虫が大量 に発生をしていた。それを食べにやって来たのだろうか?そいれにしても、不思議な光景に出くわした気がする。

 

サケ(2006.11.03 帯広川

 ところで、私の目指すポイントへは、車では近寄れなかった。10月の台風並の低気圧のおかげで、川の流れも一変し、辛うじて有った道も寸断されていた。どうしよう?と切り立った崖の上から川を見ていたら、時折魚の跳ねが見える。そっと近づいてみたら、サケだった。
 都合良くペアの写真が撮れたと思っていたら、これはどうも2匹とも雌のようだ。長旅のおかげで、身体にはあちこちに傷が見える。

 

サケ(2006.11.03 帯広川

 雄は居ないかと探していたら。居ました居ました。全長80cm程の個体ですが、それにしてもでっかい頭だこと!すっかりブナ模様ですが、こちらはあまり傷がないようです。
 結局ここでは、20匹ほどのサケを目撃した。帯広川の伏流水で、砂利底。きっとここを産卵場所に選んだのでしょう。ところで、1匹だけ40cm程の小柄の魚が居た。あれ?随分小さいなぁと思って見ていたら、どうやらニジマスのようです。産卵間近のサケの後を追い、生んだ卵を食べるニジマスが居ると聞いたことがありますが、どうも狙いはそれのようです。サケに近寄る度に追いかけ回されていました。
  釣りは諦めかけていたのだが、ニジマスを見てしまったので、意を決してここからポイントまで歩いてみようと思った。早速ヒップブーツを履いて、竿とカメラを用意して歩き出したが、
厳しい薮漕ぎが待っていた。しかも、ポイント直前に水が流れ、周囲は泥が溜まっていた。不安を覚えながらそっと足を入れたら、その不安は的中してしまった。いきなり右足は膝上15cm位 まで埋まってしまった。ヤベッ!慌ててもがいたら、左足も…そしてもがくほどに埋まっていく。おいおい、こんな所で遭難かい?!冗談じゃ無いぞ!時間と共に更に両足が僅かずつ沈む。

 

冬の使者(2006.11.03 帯広市

 身体を思いきり左に捻って、カメラと竿を岸に置いた。そのまま上半身を岸に預け、身体が沈むのを防ぐ。もう上半身ドロドロも覚悟した方が良いだろう。右足から引き抜こうとしたが、ヒップブーツが脱げてしまいそうだ。右手でブーツの上を掴み、引っ張り上げながら抜く。ようやく右足が抜けたが、その足は岸まで届かない。更にその右足がつってしまった。足に体重を載せないように、上半身で体重を支えながら、今度は左足…。
 いったいどれ程の時間が過ぎただろう。泥だらけ、汗だらけになりながら、ようやく脱出した時には、既に空に赤味がさし、冬の使者オオハクチョウが飛んでいた。自宅から車で直行だと10分。その後徒歩20分地点での出来事だった。

 

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