プロローグ

 昨年の8月末、誕生割りを利用して羽田に降り立った。“自然を見つけに山歩き”のBANYANさんと“栃木の蝶”のぶちさんがコーディネイトして下さり、また大勢の方々の参加を頂き栃木での撮影会が実現した。それに味を占めて、今年も誕生割りを申し込んだ所、“蝶と里山の浪漫紀行”のM.F.さんから“信州まで足をのばしませんか”とお誘いを受けた。しかし、Fieldには、2日間しか時間が無く、東京を中心にうろうろすることしか考えてなかったので、“私の足は長くないので…”とお断りをした。すると今度は“虫林花山の散歩道”の虫林さんから“では甲府までならどうでしょう”とお誘いを受けた。
 同様の理由で一度はお断りをしたものの、待てよ〜。虫林さんのお誘いは、シルビアとクロツだという。実は、虫林さんとはシルビアの名前の由来の件でメールの交換をしたことがあった。その虫林さんと一緒にシルビアを狙うというのも、何か因縁めいていて面 白いのではないかと考えを変え、ご案内をお願いすることにした。
 かくして今回の撮影会はBANYANさんと虫林さんが連絡を取り合って、スケジュールを立てていただいた。更に“あやはべる”のfuruさん“90%Papillon”のki-riさん、そしてkuroさんに参加を頂き、計6名での甲府撮影会が実現した。

 

ヤマトシジミ(2006.9.2 山梨県

 9月1日、午後10時に羽田に降り立った。さすがに気温は高かったが、北海道在住の私にも何とか耐えられる程度。そしてFieldは直ちに川崎に向かった。翌早朝立川駅でBANYAN・furuさんと待ち合わせをしているのだが、午後10時から遠くに移動はしたくなかった。川崎なら近いし、朝も南部線1本で直行できるとの判断だった。
 川崎は直前まで雨だったらしい。道路が濡れている。そして駅前にある電光の気温計は21度を示していたが、その隣の湿度計は何と95%!既にFieldは汗タラタラ。まず虫林さんに電話を入れ、無事到着のご報告。つづいてBANYANに電話をして、川崎から立川までの所要時間を確認してもらったら、何と50分以上かかるとか…ヤバイ!早くホテルに行って寝なければ!!

 思いきり不機嫌なドライーバーが運転するタクシーでホテルに着くと、何と部屋のクーラーはOFFになっていて蒸し暑い!ダイアルを“強”にして、近くのコンビニにかけ込み、睡眠誘発ドリンクを三種類仕入れて部屋に戻ったが、予想通 り寝苦しい!参ったなぁ…

 

ヤマトシジミ(2006.9.2 山梨県

 ようやく眠れたと思ったが、2時間くらいで目が覚めてしまった。もう少し寝なくてはと思うのだが、その後もまた眠れない。えい!面 倒だ。起きてしまえ!!未明の暗い道を駅に向かった。始発を待って電車に乗り立川へ。未だ早いかなと思いながらもBANYANに電話を入れたら、彼は既に駅前で待っていてくれた。furuさんの到着を待つ間、コンビニで朝食を仕入れ車の中で“いただきまぁ〜す”
 約束の時刻にfuruさんが登場して、いざ出発!目的地直前に連絡が取れ、他の3人は既に合流している様子。ん?初対面 のはずなのに良く分かったなぁ…あ、そうか!例の似顔絵のお陰だろうと想像が付いた。(笑)
 約束通りの7時30分現地到着。 ki-riさんとkuroさんが
笑顔で迎えてくれた。そして虫林さんとは、2年振りの再会。“お久しぶりです”と硬い握手の後、早速シルビアシジミのポイントを散策した。果 たしてシルビアは見つかるだろうか?まあ、24の瞳の半分ではあるが、これだけの人数が居れば、誰かは見つけてくれるだろうと、Fieldはお気楽に考えていた。

 

ヤマトシジミ(2006.9.2 山梨県

 その考えの甘さに気付くのに、さほど時間は必要なかった。ヤマトシジミが大量 に発生していたのだ。それに紛れて極僅かに発生して居るであろう、ヤマトそっくりなシルビアを識別 するのは至難の業だ。ましてや、私にとっては見慣れぬヤマトシジミであり、未見のシルビアシジミである。こりゃあ誰かが発見してくれて、お呼びがかかるまでは無理だと感じた。
 それでも、 撮った。大量のヤマトシジミの写真。しかし、ヤマトを撮り続けているうちに、徐々に“この蝶意外と綺麗じゃん!”と思うようになった。雌の表の渋い黒も良い。裏面 は雄の方が模様がすっきりしていて可愛い。結局100枚を越える写真を短時間で撮ったが、その間どなたからもシルビア発見の報は入らなかった。

 

ツバメシジミ(2006.9.2 山梨県

 ヤマトシジミ以外にブルー系のシジミは、ルリシジミとツバメシジミが見られた。ルリはあまり綺麗な個体を見ることが出来なかったが、このツバメはかなり新鮮な個体のようで、綺麗だった。
 ところで、ツバメの尾状突起ってこんなもんでしたっけ?北海道のはもっと明確に尾状突起があるぞと、主張しているように思えるのですが…単なる個体差かなぁ?

 

ミヤマチャバネセセリ(2006.9.2 山梨県

 このポイントは、真っ直ぐに続く河川の堤防で、やはり昨夜は雨だったのか、草が濡れていた。ふと気付くと皆さんの足元から膝までが濡れていた。
 ところどころに咲くピンクのツルボの花にセセリが来ていた。3種ほど見かけたが、どれも北海道には土着していない種だ。当然過去にはあまり写 真を撮っていなかったので、ここぞとばかりにカメラを向けた。

 

イチモンジセセリ(2006.9.2 山梨県

 イチモンジセセリは道内でも見かけることがある。本州から渡島半島に渡り、海岸線沿いに北上するらしい。Fieldの住む十勝でも、過去に一度だけ見たことはあるが、北海道内では未だ撮影したことがない。いつか道内で、撮影したいと思っている種である。

 

チャバネセセリ(2006.9.2 山梨県

 BANYANから、キタテハ発見の報が入った。堤防に咲くニラの花に来ているという。急いでそこへ向かうと、一目で数頭のキタテハが来ているのが分かった。これは確実に撮れそうだと思ったので、その前にこいつを撮った。
 角度がイマイチ悪く確証は持てぬが、チャバネの♀と思うが、どうだろう?

 

キタテハ(2006.9.2 山梨県

 さーて、キタテハです(笑)いやいや、こいつには手こずらされました。北海道で唯一の産地、道南へ通 うこと5年。未だに撮れず仕舞いだったのですが、ようやく北海道での仇を、山梨でとりました。何故キタテハごときに…と思われる方も多いと思いますが、Fieldにとっては嬉しい1枚です。
 かつては道南には産地が沢山あったようですが、今ではその姿さえ見ることが難しいと言われています。確かにこの5年間で、目撃が1度だけでしたから…。私が東京在住中には、近所の空き地にいくらでも飛んでいたのにねぇ…

 

キチョウ・ルリシジミ・コミスジ・キアゲハ

戻る      2006年版目次へ      次へ