エゾイワナ(2006.8.15 松前町

 知内(しりうち)の道の駅で夜を明かそうと駐車場を確保した。窓に目張りをして準備完了。その時、JR駅のアナウンスらしき声がした。何だ?と思い、外を良く見ると、JR駅に隣接していることがその時に分かった。列車が通 過する度にアナウンスが聞こえる。ありゃー失敗したかなぁ?これではゆっくり休めないかも知れない。駐車場も狭く、その割には街灯が明る過ぎる。
 しかし、その明るい街灯に誘われて夜行性の昆虫が集まっている。これは後で観察しなければと思いながら、ここへ来る途中の“はせがわ”で買ってきた大きめの
おにぎりを頬張る、具は“はせがわ”名物の焼き鳥だ。そこへ大型のごついワゴン車が来た。その車にお似合いのごついおやじさんが降りたと思ったら、3人のちびっ子が続いて降りた。“居た!”“うわっ!ここにも居た”“何だこれゴキブリか?”夜中だと言うのに遠慮の無い声が響いた。分かった分かった、夜行性昆虫はアンタ等に任せて、もう寝るわ!
 5時少し前に目覚めた。早速向かったのはオオゴマシジミのポイント。近くを流れる川でエゾイワナを見つけた。正確に言うとエゾイワナという魚は居ない。アメマスの降海しないものを釣り人はエゾイワナと呼んでいるのだ。

 

キバネセセリ(2006.8.15 松前町

 道南でオオゴマを狙って4年になる。しかし、一度も撮影できたことはなかった。そして、今年月形でオオゴマを撮影することが出来た。一度は道南の仇を月形でとったと思ったが、どうも釈然としない。やはり道南の仇は道南で決着を付けなければ気が済まない。そう思ってしつこくもまたまた来てしまった。時期がもう遅いのは分かっている。仮に撮影できたとしてもオオゴマはもうボロボロかも知れない。でも、そんなことはどうでも良かった。
 空は薄曇りで、その沢には未だ日が差してはいない。気温はそこそこ上がりそうな気がする。時刻は6時台だから、まあこれからだろう。日の差す前後、それがワンチャンスだと思っていた。キバネセセリだけが元気に飛んでいる。

 

オオゴマシジミ(2006.8.15 松前町

 それにしても、やたらとアブが多い。数十匹が私の車に群がっている。車から降りるのに勇気が要る。また、乗るときにも室内に侵入されないよう気を遣うが、だんだんFieldは苛ついてきた。ネットを持ち出し30匹ほど捕まえたが、それでもアブは、どこからともなく湧くように現れる。分かった分かった!降参!結局10ヶ所程刺されたかも。
 別にFieldは貧血ではない。血くらいいくら分けて上げても良いのだが、アブは痛い!その後も強烈に痒い!全く腹の立つ存在だ!!
 1時間ほどアブと格闘しただろうか。その時オオゴマが飛んだ。そして直ぐに車の脇のヨモギに止まってくれた。これが道南初撮影のオオゴマシジミだ。

 

オオゴマシジミ(2006.8.15 松前町

 実に4年がかりだった。来る度にその姿は見せてくれるものの、ただただ飛び交うばかりで一度もシャッターを切らせてくれなかった。帯広市から片道600kmの道のりを、これまで6〜7回往復したと思うから、7,000kmを優に越えている。日本列島南北に直線距離で3,800kmと聞くから、ほぼ往復出来てしまう数字だ。やー、ホントに長かった。これでようやく仇が打てたという気になれた。
 その後も数頭のオオゴマが現れ、今まではいったい何だったの?というくらい簡単に撮影させてくれた。もっともどの個体も臑に傷じゃなく、翅に傷持つ身ではあったが…

 

オニヤンマ(2006.8.15 松前町

 道東の林道には、だいたいルリボシが居る。しかし、日高以西ではオニヤンマをよく目にする。数メートル先にオニヤンマが止まったので、どこまで寄れるかと、シャッターを切りながら近づいてみたら、拍子抜けするほど近寄らせてくれた。
 しかし、トンボは写真に限るよなぁとつくづく思う。トンボは肉食のせいか、何もせずに標本にすると腐って色が変わってしまう。あの手この手で処理をして、胸と胴の色は何とか残せても眼はダメだ。何としてもこのグリーンの色は残せない。

 

蜂の巣(2006.8.15 松前町

 オオゴマのポイントを離れ、今度はムモンアカのポイントに寄ってみた。そこにムモンアカが多産していることに気付いてから3年になるが、これまた、まともな写 真を撮らせてくれたことはない。ところが居ない。一頭も飛んでない。いつもなら数十頭が巴になって飛んでいるはずなのに…。
 時期が悪い?いやそんなことは無いはず。じゃあ時間帯が悪い?そういえばここを訪れるのは午後からばかりだったなぁと思い出す。長竿を振り回して樹上のムモンアカを追い出してみようかと思ったときに、ヤバイものを発見した。あちゃー!これスズメバチの巣だよ。しかも小型ながら攻撃性の強いクロスズメの巣のようだ。やーめた。今日のField黒っぽいTシャツ着ているし…

 更に帰り道、以前、確かここでオオミスジを撮ったよなぁと車を停めたら、あら、居たわ!簡単に発見できたが、樹上から降りてこない。しばし待ったが、どこかへ飛び去ってしまったまま戻ってこなかった。うー、折角オオゴマのリベンジが出来てすっきりしたのに、ムモンアカに振られ、オオミスジに振られてしまっては、また来年ここに来るかも…ふぅーっ!

イチモンジチョウ(大きかった)サカハチチョウ・オオミスジ他


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