ワカラン…調査中(2006.8.5 月形町)

 もう何年にもわたり、この時期の道南に通い続けている。理由はいくつかあるのだが、その内の一つがオオゴマシジミだ。そう簡単に見つかる蝶ではない。かと言って、全く見られないかと言うと、そうでもない。私の通 っている場所では、ほぼ毎回目撃している。しかし、撮れない!ひたすら飛び回っているのを目撃するのだが、さっぱり止まってはくれない。数度撮影チャンスはあったのだが、未だモノに出来ずにいるのだ。そんな訳で、この蝶には少しカチンと来ている。今年もオオゴマシジミの時期がやって来たのだが、どうしてくれよう!
 私の思うに、どうも現地を訪れる時間帯が悪いのだという気がする。私の住む帯広市から、片道500km超もあるそのポイントに到着するのは、どうしてもお昼過ぎになることが多く、かつて早朝にその場所を覗いたことがない。今年は現地に泊まってでも決着を付けようと意気込んでいたら、N君から電話が入った。月形のオオゴマが発生順調で、案内しても良いという有り難い申し出。一度はお断りをしたが、考えてみたら、別 に道南のオオゴマに固執することもないだろう。再度電話をして、案内を依頼した。
 写真は月形町で見かけた花なのだが、ギボウシ(ユリ科)の一種のような、はたまたランのような?草丈は大きなもので1m程ありました。葉はギボウシのような丸っこい形。手持ちの図鑑に見あたらないので調査中です。

Mamoさんからオオバギボウシではないかとのご連絡を頂きました。ありがとうございます。

 

オオゴマシジミ(2006.8.5 月形町)

 N君とは当初、月形の駅で早朝の待ち合わせ。例によって夜駆けで200km走り、車の中で仮眠…と考えていたら、またN君から電話を頂いた。“良かったらウチに泊まりませんか?”ちょっと厚かましい気もしたが、ここ数年、N君とゆっくり話をする機会も無かったので、甘えることにした。
 翌朝、江別のN君の家から車2台で月形へ。私の車は月形の某駐車場に置いて、N君の車でポイントを目指す。空は曇っているが、気温はかなり上がってくれそうな気配だ。ポイントに到着すると、崖の上空にオオゴマらしき姿がある。N君は更に上のポイントを確認するというので、私はここで粘る事にした。最初、崖の上にチラチラ飛ぶオオゴマを眺めていたが、何気なく後ろを振り返ると、地上3m程の所にオオゴマを発見した。あら、こんな所に!と、いともたやすく撮影成功。その後もポツポツと現れてくれて、数頭モノにすることが出来た。

 

 

オオゴマシジミ(2006.8.5 月形町)

 カランカランと熊避けの鈴を鳴らしながら、沢を登ってくる人が居た。“お一人ですか”と丁寧な口調で訊ねられた。ハハーンきっとこの方、下でN君の車を見つけて、居るべきはずのN君ではなく、見知らぬ 私がここにポツンと居ることをいぶかしく思ったのだろう。名前を名乗り、N君が上のポイントに居ることを告げると、合点がいったようで、彼もまた上流を目指し登って行った。
  間もなく、入れ替わるようにN君が下りてきた。上のポイントの方が良さそうだと言うので、今度は私が上を目指し、N君は最初のポイントで粘ってみることになった。ところが、説明を聞いたにもかかわらず、場所が特定できない。結局上がったり下がったり脇にそれてみたりしているうちに、汗まみれ、ついでに崖からズリ落ち泥まみれ、更に、何とヒップウェーダーのフェルトが剥がれてしまった。岩の上を歩くと足の裏が痛い!参ったなこりゃ!!

 

オオゴマシジミ(2006.8.5 月形町)

 結局、比較的足元の安定している最初のポイントに戻り、私はここで粘ることに、N君とその知り合いの方は、また別 のポイントへ向かった。待ち合わせは午後2時30分。先程車を停めた場所でということになった。
 しかし私は、朝数頭のオオゴマが撮れた時点で、概ね満足していた。そして炎天の下、あちこちと歩き回ったせいで、集中力が途切れていた。こうなるとファインダーを覗くのも億劫でいつものノーファインダー作戦に切り替える。これが、たまに面 白い写真が撮れて、結構楽しいのである。 つづく…


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