イチモンジチョウ(2006.7.16 日高町)

 さて昨夜から、またお天気予報と睨めっこである。この時期出かけてみたい場所をリストアップして、全部のお天気を調べる。雨の予報が出ている場所は削除して残った場所を比較検討…ん、決めた!そう思って就寝したが、今朝起きてまたネットでお天気調べ…と思ったら、お天気のデータは昨夜のままで更新されていない。それもそのはず、未だ午前6時前だもの…。じゃあ、昨夜決めた場所へと出かけますか。
 冷蔵庫で、キンキンに冷やした飲み物をクーラー・バッグに入れ 車に積み込む。おっと、レンズも載せなければ…これで良し!出発!!途中のコンビニでサンドイッチとおにぎりも用意した。iPodでBOAを流しながら、快適にドライブ。1時間少々で林道入口に到着して間もなく、路上に小鳥が居るが避けようとしない。車に接触したか、猛禽類に襲われ逃げ延びたのか、とにかくダメージを受けて飛べないようだ。
 セキレイ(ハクセキレイかセグロセキレイ)の幼鳥のようだが、取りあえず写 真を撮っておこうと思った途端に、顔面蒼白になった。な、何と!カメラを積んでいないことに気付いたのだ。車内を見渡すが、案の定我が愛機・α7デジの姿は無い。引き返すと3時間ものタイムロスになる。どうしよう?と考え込んだが、せっかくここまで来て、このまま引き返すことも無いだろう。

 

ウラジャノメ(2006.7.16 日高町)

 実は昨夜から少々悩んでいることがあった。いや、いつもノー天気なことばかり書いているFieldではあるが、実はそんなにお気楽な性格ではないのだ。ん?だーれ?今、“ウソ〜ぉ!”って言った人。ウソじゃ無いってば、悩みの3つや4つはいつだって有るの!ま、とにかく少しボーっとしてたみたいだ。でも、車の中には、サブ機のDimage7がある。2年前までは、これで撮りまくっていた訳だから、何とかなるさ。
 さっそく、イチモンジチョウを相手に広角で試し撮り。続いてウラジャノメが現れた。本日の目的の蝶とはちょっと違うが、嬉しい誤算とはこの事。今度は望遠マクロで撮影。忘れかけていたカメラの設定をあれこれと、試したかったが、予備のバッテリーが無いので、撮影後は素早く電源をOFFにするよう心掛けた。しかし、デジ本来のお手軽さを思い出す。レンズ交換無しで、両方の写 真を撮るのは、一眼デジでは考えられないことだ。

 

ジョウザンシジミ(2006.7.16 日高町)

 最初のポイントに到着したが、お目当ての蝶が居ない。しかし、キリンソウが咲いていて、出遅れたジョウザンが飛んでいた。比較的新鮮な個体だった。カラタカも数頭現れたが、こちらはややお疲れモードだった。そこでしばらく粘っていたら、後ろからワゴン車が来た。クラクションが鳴り、運転席の窓が開いた。“相変わらず、ご活躍ですね”と声がかかる。
 おー、我が蝶弟子のN.君じゃありませんか!今シーズン、そろそろどこかで出くわしてもおかしくないとは思っていたが、それが今日だったとは…。カメラを忘れるという前代未聞の失態で、更に落ち込んでいたFieldは、これでにわかに元気が出てきた。
 実は、今日の狙いはツマジロウラジャノメだったのだが、このポイントは彼に教わった場所なのだ。結局私はここでは3〜4頭を目撃し、1頭撮影。彼に場所を譲って、一足先に林道奥のポイントへ向かった。積もる話は、奥のポイントに彼が現れてからで良い。

 

エゾツマジロウラジャノメ♀(2006.7.16 日高町)

 十勝を出発したときには、厚い雲がたれこめ、ホントに晴れるのかぁ?と、やや不安であったが、日勝峠のトンネルを抜けると、空が一部開いて、青空が見えていた。林道に入ってからは、ずっと日が射していたが、ここにきてまた曇ってきた。小さな雨粒も落ちてきたが、崖の上の方には、ツマジロウラジャノメが吸蜜している姿が見えた。上空を見上げ、雲の大きさを確認する。風向きを見極めると、直ぐにまた日が射しそうな予感。とにかく、ここで粘ってみよう。
 程なくN君も現れた。成果を尋ねると、♂ばかり4つとの返事。未だ♀はあまり出ていないようだ等と話していたが、その直後♀が現れた。♂は多少傷んだ個体もいたが、さすがにこの♀は新鮮だった。N君に譲ってもらって撮影したが、ちょっと遠い!やはり一眼デジを忘れたことを悔やんだ。トリミングしたらこんな感じで、解像度不足は否めない。

 

コチャバネセセリ(2006.7.16 日高町)

 崖にはキリンソウの他に、ヤマルリトラノオが目についた。あちこちでかなりの数の花が見られたが、この花、セセリチョウに人気らしく、コチャバネ、コキマダラ、カラフトタカネ…と次々に訪花していた。
 手を延ばしてカメラを花の下に構え、ノーファインダーで撮影してみた。数頭逃げられたが、それでも5頭写 っていた。もっとも、モロ逆光なので、シルエットのみ。光量を落としてストロボを同調させるべきだったかなと後悔半分の写 真となってしまった。

 

エゾツマジロウラジャノメ♂(2006.7.16 日高町)

 11時過ぎ、朝からあちこちの崖を行ったり来たりして、長時間歩いていたので、少し疲れてきた。相談してオオイチのポイントを覗こうということになった。最後に撮ったこのツマジロは、またまたノーファインダーだが、何とかピンが合ってくれた。
 移動途中、ウラキンの
ポイントで、N君が、アオダモ(トネリコ…ウラキンシジミの食樹)の特徴を解説してくれた。師匠・弟子とは名ばかりで、実は弟子に教わることが多い、困った師匠なのである(汗)

 

エゾシロチョウ(2006.7.16 日高町)

 さて、ここは別の沢である。オオイチモンジのポイントとなっている大きな崖までやってきた。崖にはこれまた大きな金網が張られていた。何年もここを訪れていなかったのだが、崖にへばりついたいくつものオオイチを撮影した記憶があるので、以前はこんな網はなかったと思う。
 間もなくオオイチが飛んだ。まあ、通過したという感じで、手も足も出なかったのだが、これは期待できるぞと思いながらも“これが最初で最後だったりして…”と言った私の言葉通 りとなってしまった。谷間から見える狭い空には雲しか見えなくなったのだ。
 時計が午後2時を過ぎたところで、断念することにした。崖の側でイケマが地を這うように蔓を伸ばしていた。沢山のセセリとエゾシロチョウが吸蜜に来ていた。この写 真を最後に、N君は西へ、私は東へと帰途についた。“じゃあ、またどこかの山で会おうね”

本日出会ったその他の蝶…オオイチモンジ・カラフトタカネキマダラセセリ・ミスジチョウ他

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