ヒガシカワトンボ(2006.7.9 チミケップ)

 北海道の7月の蝶といえば、まずオオイチモンジを思い浮かべる方も多いと思う。ところが、ここ3年ほど、まともにオオイチの姿を見た記憶がないなーと思っていたら、Mamoさんからお誘いがかかった。彼は未だオオイチを見たことがないらしい。本当なら私は丸瀬布で、魚釣りでもして、ついでにオオイチと思っていたのだが、そういうことなら、確率100%の場所へ行くしかない!ということで、チミケップ行きが決定した。
  私の会社の駐車場に6時30分に来てもらった。会社と言えば…私の会社の支払は、息子に任せているのだが、先週“ここのところ極端にガソリン代の支出が多いんだけれど…”と言われてしまった。“あ、それは…スマン、スマン!”“それは良いんだけど、土曜日に入れて次の日曜日にも入れたことになっているけど、これ間違いじゃない?”“あ、いや間違いじゃないと思うけど。それくらい乗ってるし…”(冷や汗タラーリ!)
 なんてことがありましたが、良いの良いの給料安いからそれくらい…。良い写 真が撮れたらそれを仕事にも使ってるし…だから経費経費!(ん?税務署さん見てないよね?)

 

カラフトヒョウモン(2006.7.9チミケップ)

 空は思いの外暗い。しかし、目指す北見は晴れということになっている。昨日の件もあってやや不安ではあったが、とにかく行ってみよう!快調に車を走らせ、目指すチミケップに着いたら、ピーカンの晴れ!ほとんど雲もなく青空が広がっている。気温もまあまあ上がりそうな気配だ。
 さっそく得意の林道を覗いたら、ゲートが開いていた。ゲートが開いていると蝶の発生数が減るのよねー。嫌な予感!取りあえず我々も車で侵入して、適当な原っぱで駐車。そこから歩いたが、さっぱり蝶の姿がない。あれー?おっかしいなー!ここぞというポイントでことごとく空振りが続く。途中崖が崩れたのか、斜面 を補修して芝を張ったばかりという場所があったのだが、その下の地面が湿気っていて、この辺りでオオイチが吸水していても良さそうなものだが…と思うのだが姿は見えない。
 結局、こんな場所まで歩いたことはないというくらい歩いたのだが、全く姿見ずでUターンすることにした。途中、辛うじて興味が持てたのは、トラフシジミと小型ヒョウモンとくらいだったが、カラフトヒョウモンは擦れて色が褪せていた。一方ホソバヒョウモンは比較的新鮮な個体が多く、飛ぶ姿だけでそれと分かった。

 

オオイチモンジ(2006.7.9チミケップ)

 Uターンと言っても、諦めた訳ではなく、もしかしたら時間帯が早かったのかも知れないし見落としが有ったのかも知れない。注意を払いながら、林道を戻ったが、やはり一番のポイントと思われるのは、先程の崖だと目星は付けていた。
 時々ミスジチョウが飛んで、もしや?と期待させるが、それにしてもここのミスジの♀はサイズが大きく、オオイチと遜色のない個体も居た。そして、例の崖が見えてきた。あはは、何か飛んでるよ。オオイチかミスジか未だ判断できない。徐々に近づくうちに…おいおい、やっぱりオオイチだよ!!
 ビンゴ!!予想的中で、すこぶる気分が良い!早速2人でシャッターを切りまくる。ファインダーから見えた個体は、新鮮で傷ひとつ無い。やはりオオイチも発生が遅れていたらしく、生まれたての個体に会うことが出来た。

 

オオイチモンジ(2006.7.9チミケップ)

 ところで、先程ここを通ったときには無かった車が崖の向こう端に止まっていた。日本犬を連れたおじさんの姿がある。“網持ってこっちに来ないでよ〜”とはMamoさんの言葉。しかし、木陰の地べたにゴロリと横になったまま動かない。何やってるんだろね?
 しかし、そんな事は構ってられない。オオイチは複数になり目移りしながらも、撮影を続行した。ある程度の枚数を撮り、真っ黒な地べたをバックの写 真に少し飽きてきた。

 

オオイチモンジ(2006.7.9チミケップ)

 その時、1頭のオオイチが私の目の前に止まり吸水を始めた。うわっ!近過ぎると思ったが、どアップも面 白いかも…とカメラを構えたら、今度は真正面を向いてしまった。ポジションを変えようかとも思ったが、いやいやこんな写 真もまた面白いかも…とシャッターを切ってみた。“さて、この蝶は何でしょう?”とクイズに使えそうな写 真になった。
 ところで、先程のおじさん。実は工事関係者だったらしい。やおら起きあがると、川からポンプで水を汲み、崖に張った芝目がけて撒水を始めた。道理で崖の下が湿っている訳だ。しかも、私たちが写 真を撮っている間、遠慮して様子を見ててくれたのかも知れない。ごめんねネット・マンと勘違いして…。ここでオオイチの写 真が撮れたのは、おじさんのお陰だったのかも知れないのにね。 (つづく)

 

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