星の数ほど…(2006.7.1未明 大雪湖畔)

 7月1日は大雪山に登ろうと計画していた。ところが、先週赤岳に登った方からの報告で、ウスバキチョウの交尾写 真を見せつけられた。私は大雪山のどこに登るか決めては居なかったが、あーゆーのを見せつけられると、やっぱ、赤岳かなぁーという気になった。
 ところでFieldは、6月30日に仕事を終えるとすぐに、林檎のポイントを偵察に行った。実は私の足跡以外の複数の足跡があり、気になって仕方がなかったのだ。居た居た!いや林檎じゃなく長竿を持ったおじさん!手当たり次第に木を叩き、飛び出した林檎を片端から三角紙に包んでいる。あーあー、やっぱり。ここ数日通 ってるんだろうなぁ。1〜2頭、いやせめて数頭なら何も言うことはない。私だって、このポイントで40〜50は採集した。もっとも、その数に達するまでに20数年かかっているけれど…。とにかく今更グチを言っても仕方ない。放っておいて、林檎の発生状況をと…笹薮の中を歩いていたとき、笹に隠れていた切り株で蹴躓いてしまい、臑をぶつけた。チクショー!痛てーなー!バチが当たるなら、あのおじさんだろう?何でFieldがこんな目に遭うのよ?!いわゆる弁慶の泣き所である。マジ痛い!帰り際に気付くと、ズボンに血が滲みていた。
 明日は登山なのに、参ったナー!落ち込みそうだよ。しかし、ここで挫折する訳にはいかない。ならば、もう出かけてしまおう。明日目が醒めて、まだ足に痛みがあっても、既に現地に居れば、引き返すことにはならないだろう。Fieldは、目的達成のためには強引なのである。 現地に着いて、夜空を見上げると、満天の星!うわー、久しぶりだなぁ。星が星の数ほど有るよ!(笑)これって写 真撮れないかなぁ?前に流星を撮ろうとして失敗したよなぁ。何か手は無いかと思案した結果 がこの写真。広角レンズで、絞り開放、ISO1600に設定し、露光時間30秒、タイマー撮影にして、車の屋根の上にカメラを上に向けて置いてみた。あら、何とか写 ってるみたい。iPodで平原綾香のJupiter(ODYSSEY)を流し、缶ビール片手に窓の外の星を眺めながら眠りについた。

 

赤岳(2006.7.1)

 携帯のアラームは4時30分にセットしてあったが、その数分前に目覚めた。もう既に日は出ていて明るい。草が朝露に光っていた。でも、それだけではなさそう。どうも霜も降りたようだ。車外気温を見たら、3度。道理で寒い訳だ。湖畔の駐車場には、私の車だけ。あら、看板が有るわ。何書いてあるんだろう?何々“ここはヒグマの出没が多発のため、夜間の使用は禁止する”だってさ。
 あのねー、私は夜中に到着したのよ。そりゃあ看板らしきのもは有ると分かったけれど、まさかそんなことを書いて有るとは知らなかった。だって、照明も何も無いんだから!何か薄気味の悪い所だなぁーとは思ったけどさ。
 携帯のアラームが鳴ったので、すぐに移動。銀線台に向かう。途中運転しながら、バナナとクッキーを食べる。クーラーに入れてあったマンゴー・ジュースは未だ凍っている。午後の紅茶(レモンティー)は山で飲むのにキープ。ん?今飲める飲み物が無いじゃん!でも銀線台には売店もあるし、湧き水を引いてあるから、あそこでペットボトルに水を入れようと、空のペットボトルを用意した。

 

ショウジョウバカマ(2006.71 赤岳)

 5時少し前、銀線台に到着。早速身支度をして、いざ出陣!あら?売店が…ま、この時間だからね。じゃー湧き水…あら?出てない!困ったなー。でも、午後ティー1本あるから、まぁ良いや。
 入山者名簿に記帳。あら?札幌のKさん、やはり今週も来てましたか。しかも既に出発したのね。外に出て靴紐を締めているところに、帯広市のMamoさん登場!山の上には、いったい何人の顔見知りが来るやら!
  いざ出発!Mamoさんと一緒に歩き出す。傷が乾いて、皮膚が突っ張り痛い。踵をトンと地面 に着くと、やはり痛みがある。まあ、我慢できない痛みではないから何とかなるだろう。

 

キバナシャクナゲ(2006.7.1 赤岳)

 ところが、いざ歩き出すと、どうも調子が出ない。すぐに息が上がる。鼻水が出る。頭痛がする。こりゃダメだ!“悪いけど、Mamoさん先に行って!”白雲まで足を伸ばそうかと考えているMamoさんの足を引っ張っては申し訳ないので、早々にギブアップ宣言をした。
 やや不安げながら、Mamoさんは先に行ってくれた。私はペースダウンして登ったが、吐き気もし出した。困ったなぁ。とにかく休憩!何だろう?冷え込んだから風邪をひいたかなぁ。そういえばリュックに、数日前コンビニで見つけた酸素サプリが入っていたはず。それを吸い込んで様子を見る。呼吸は整ってきたが、相変わらずの吐き気。それが納まるまで、ここで待機しよう。回復したら、超スローペースで登れば良いさ。

 

エゾコザクラ(2006.7.1 赤岳)

 数十分休んで、どうにか回復した様子。よーし、再出発だ。ゆっくりゆっくり歩を進める。そのうちに、だんだん調子が出てきた。
 ルート上には、大きな雪渓が2つあったが、考えてみたら正規のルートより楽かも知れない。第二花園では、咲き乱れていると思ったエゾコザクラが、ポツポツとしか咲いてなかった。 ……つづく

 

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