スギタニルリシジミ(2006.5.13 旭川)

 再度、先程の道を登るが、まだ8時台で、ヒメギフは姿を現さない。ルリシジミがちらちらと飛んでいたが、スギタニも居るんじゃないかと目を懲らすと、やはり黒っぽいのが混じっている。比較のため普通 のルリシジミと両方撮影したが、こちらのは地色も暗く、黒い斑紋もボテッと大きいのでスギタニに間違いなさそうである。
 地べたで吸水している個体が翅を広げてくれたが、考えてみるとなかなか開翅してくれない種類の蝶でも、比較的地べたでは開いてくれるような気がする。お腹いっぱい水分補給をすると、自動的に翅が開くような身体の構造になっているのだろうか?そう言えば、私もお腹いっぱい飲むと(何を?)緊張が取れて、グテッとしますが、あれと一緒?(笑)

 

ヒメギフチョウ(2006.5.13 旭川)

 10時近くになって、ようやくヒメギフが飛ぶようになった。しかし、数は相変わらず多くはない。カタクリも終わりかけで、なかなか気に入ったシーンを見ることが出来ずに、時間だけが過ぎて行く。場所を変えた方が良いのかなぁーという考えが頭を過ぎるが、とにかくここで、それなりの写 真は撮っておこうと斜面を行ったり来たり…

 

ヒメギフチョウ(2006.5.13 旭川)

 今回私がイメージしていた写真は、沢山の花に囲まれたヒメギフの写 真であるが、花は終わりかけ、ヒメギフもイマイチ数が出ていないと条件が揃わない。とりあえずこんな写 真も撮っては見たが…うーん、やはり枯葉の上ではなく花にとまってくれなければ絵にならんわ。
 1頭だけ、やたらと地べたに執着している個体が居た。私が接近すると一度は飛ぶのだが、また近くに降りて動かない。あら?口吻伸ばして吸水してるわ!ヒメギフとは30数年来の付き合いになるが、吸水シーンはあまり見た記憶がない。

 でもさ、ほら見てよ。こちらもしっかり地べたに貼り付くように開翅してるじゃない?
もともとヒメギフは、もったいぶらずに開翅してくれる種ではあるが、どうも吸水と開翅…何か因果 関係があるような気がしてならないFieldである。

 

白いエゾエンゴサク(2006.5.13 旭川)

 お昼が近づいてきたが、思ったシーンになかなか遭遇できない。ここで決断が遅れると、今日はこれで終わってしまいそうな気がする。ならば…と移動を決断して坂道を下りたところで白いエンゴサクを発見した。
 エゾエンゴサクはワイン系の紫から青紫、薄いブルーから純白と色に変化があって面 白い。しかし、白い花を見ると“清楚”という言葉が頭に浮かぶのはFieldが単純だからだろうか?ウェディング・ドレスが白なのも解る気がする。

 ところで、衣裳を身につけることを“装う”と表現する。“装う”の本来の意味は“飾り整えるであるが、一方で“外観を、あるものに見せかける”という意味もある。さて、花嫁衣装は、どっちなのか?(笑)

 

コツバメ(2006.5.13 旭川)

 さて、移動した先は私が33年前から通っているポイント(わー、私も老けた訳だ…汗)到着後すぐにヒメギフの飛翔シーンを目撃して、取り敢えず安堵するが、その後はさっぱり。ちなみにここは桜の名所でもあり、Field念願の、桜の花にヒメギフ…なんてシーンを少なからず期待していたのだが、肝心の桜はまだまだ蕾のままだった。
 このポイントは、カタクリが少なく、ヒメギフはエンゴサク・カラフトナニワズ・フッキソウ・スミレ類で吸蜜するシーンが見られる。特にここではスミレで吸蜜するシーンが目についていたのだが、これまた肝心のスミレがあまりにも少ない…というか開花していない。本当にいったい今年の北海道、どうなっちゃってるんだろう?

 結局ここでは、ヒメギフに半ば振られた状態だったが、代わってコツバメが相手をしてくれた。とても地味な蝶ではあるが、比較的私は好きな蝶である
。裏はご覧の通 り。そして表の色をFieldは鉄色と表現している。製鉄所の溶鉱炉から出てきたばかりの鉄の色(実際に見たことはないけれど…)少しだけ緑がかった濃い青とでも言う感じかな。でも、残念ながら未だ開翅シーンは撮影出来ていない。今回も飛翔シーンは撮ってみたが、動きが高速で青っぽい何かがそこにいるという程度にしか写 ってなかった。いつか必ずリベンジ!!

 

イカル(2006.5.13 旭川)

 ここでの蝶は断念して帰りかけに、あまり見ない鳥を発見した。ヒワかな?それともシメ?比較的高い木の枝にとまっていたので、私も少し高い場所によじ登り、マクロレンズを望遠に取り替えて撮影した。黄色く大きな嘴が目立つ鳥で、最初は何か銜えているのかと思った程だった。
 帰宅後図鑑を見るとイカルという鳥らしい。本州では普通種のようだが、北海道では留鳥ではないとのこと。実はこの後、東旭川に移動したのだが、そこでは10数羽の集団も見ることができた。

 ところで先程“私も少し高い場所によじ登って…”と書いたが、そこから降りる時に悲劇が起きた。先程取り替えたマクロレンズを、バッグではなくベストのポケットに入れたのだが、そこからレンズが落ちたのだ。しかも落ちたのはアスファルトの上。角度が悪ければレンズが割れていたかも知れない。直ぐにカメラにセットして動作確認をしてみて特に異常は無さそうなので安心したが、実はこれと全く同じ失敗を、昨年の8月28日に千葉でやっている。斜面 の上から同じマクロレンズをころがしてしまい、コンクリートの側溝にまで転がった。あの時は、同行しいていたk氏が拾ってくれたのだが、今回も全く同じ状況で自分の学習能力の無さに呆れるばかり。レンズをベストのポケットに入れたときには、ファスナーをしようね!しかし、SIGMAの90mmマクロは解像度も良いし、何より丈夫だわ!(苦笑)

 

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