タンチョウ(2006.2.4 阿寒)

 遥か遠くではあったが、オオワシの飛翔シーンも何とか撮れた。タンチョウは永年想い描いていたシーンが撮れた。とりあえず来た甲斐があったというもの。これで安心してラーメンが食べられる。時刻は間もなく午後3時。センターの建物に戻り“ラーメンください”と言うと“今日はもう終わりました”との返事。あらららぁ〜!“いつも何時に終わるの?”と聞いたら“何時というのではなく…”要するに麺切れらしい。と、すかさず“カレーなら出せますけど”このオバ様、商売の基本をご存知のようで…。
 私が食べたかったのは、ラーメンである。先程からアタマの中でラーメン、ラーメンの連呼が聞こえていたのだ。特にお腹が空いていた訳でもない。車に戻ればおにぎりもある。Fieldとしては、一息入れるための何かが欲しかっただけなのだが…
 カレーを食べながら窓の外のタンチョウの様子を見ていた。(え?そうだよ!結局カレーで良いよと言っちゃったのさ)それにしても数が少ない。先週は80羽はいたと思うが、今日は先程カウントしたら40羽程度だった。カレーが無くなる頃、タンチョウの様子がおかしい。何か落ち着きがないのだ。そう思った瞬間ほぼ全てのタンチョウが一斉に飛び立った。

 

タンチョウ(2006.2.4 阿寒)

 “あらー行っちゃったぁー”と立ち上がるFieldに“Uターンすると思うよ”とカウンタ越しにオバ様の声。カメラを掴んで出口に急ぎ、ドアを開けざまにシャッターを切ったら、1カットに30羽も写 っていた。そしてオバ様の言葉通り、集団は大きな弧を描き戻っては来たが、そのまま上空を南西の空へ飛び去って行った。(写 真は上空を通過した小集団)
 観察ポイントに残ったのは、何とたったの2羽だけ…。はぁーこんなの有りかい?!私の計画では、夕刻太陽光線に赤味が混じるまで、ラーメンを食べたりしながら待機。太陽光線に“色”を感じたらまた外へ出て撮影…と思っていたのだが、ラーメンがカレーに代わってしまってから計画はガタガタだぁ!

 

タンチョウ(2006.2.4 鶴居村)

 このままここに居て、太陽光線が色付き出しても、肝心のタンチョウが居なくては何をやっているのか分からない。とにかく鶴を探そうと阿寒川の上流、下流とうろつくが、全くその姿は見えない。ならば高いところから探してみようかと阿寒川東の高台へ登るも手がかり無し。時計はそろそろ午後4時を指す。このまま帰るのも悔しいなぁーと思案した結果 、更に遠くなるけれど鶴居に行ってみようと決めた。
 ナビで調べたら、何のことはなく丁度私が車を乗り入れた脇道を、そのまま真っ直ぐ19km進めば鶴居村なのだ。これなら何とか間に合うだろうと思ったのだが、道はデコボコ、しかもアイスバーンの連続だった。ノロノロ運転ながら、4
時半には鶴居のタンチョウ・ポイントに到着。

 

タンチョウ(2006.2.4 鶴居村)

 ポイントには、阿寒を上回る数のタンチョウが居た。さっそく飛翔写 真を撮って見たが、思惑通りに良い感じで色付いている。シメシメ!これなら何とかなりそうと期待したのだが、何しろこのポイントは電線が邪魔をする。北電さん、このポイント周りだけでも電線何とかしなさいよ。電線によるタンチョウの事故の話も聞くしさぁ。埋設してくれれば、北電さんへの評価もきっと上がると思うよ!!
 ところで、道路からこの観察ポイントは東側になる。夕焼けは当然西側。これでは夕焼けバックの飛翔写 真はちょっと無理かもと、思いながら道路の反対側(西側)に行ってみる。電線が邪魔をせずに夕焼けが見えそうなポジションを探して、そこに立ってみたが、そんなに都合良く…飛んだよ!!まるで嘘のようなお話。時計は5時ほんの少し前。

 青空バックのタンチョウの写真は、細かなイメージがアタマの中で出来上がっていて、こういう写 真が撮りたいと具体的に想像がついていたのだが、夕焼けバックの飛翔写真の方は、漠然としていた。ただ、単純に夕焼けの中を飛ぶタンチョウの写 真が撮れたら…と思っていただけだったが、こうして写真にしてみると“満天の星空にサンタクロースのシルエットとか、満月バックの箒に乗った魔女みたいで笑ってしまった。しかし、雲の配置次第では、もっともっと魅力のある写 真になるかも知れない。いつかまた狙ってみたいシーンではある。

あー良かった!これで心置きなく十勝に帰れるぞ(笑)

 

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