新幹線(2003.05.31 仙台市)

 東京に続いて仙台に行った。このHPで知り合ったFさんによれば、アオバセセリとスミナガシが舞っている山があるという。どちらも私の好きな蝶なので是非ともそんなシーンを見てみたいものだと、早い時期から伺うチャンスを狙っていた。
 出発を5月30日と決めてチケットを用意した。翌31日なるべく早い時刻に到着したいので、JRを利用することにした。ところが5月26日、大きな地震が宮城地方を襲う。最大震度は6!しかし、鉄橋の橋脚が一部被害にあったものの、思いの外大きな被害はなさそう。これならノー天気に蝶に会いに行っても白い目で見られることもないだろう。
 ところが、もう一つ問題が発生したのである。まさかの台風4号が発生した。東の海上に抜けるとのニュースがあったので、気にも留めていなかった。まさかその台風が、いきなりコースを変え東北までやってくるとは…!5月に台風上陸は39年ぶりなんだとか。どうも私、宮城に来るなと言われているみたい!

 

うーめん(2003.06.01 白石市)

 とにかく31日、我がField Club宮城支部の面々は集結はしたのだが、途端にポツポツと雨!日中車であちこちと移動するも、車から降りる気にもなれず。仙台中心街へ戻り“カメイ”の蝶のコレクションを見学して過ごした。夕刻からは、予定通 りのOFF会。名取のビール園でエンジンを始動し、国分町へと繰り出した。そして、せめて明日は…と祈る思いで就寝したのだが…
 翌朝は…曇っているものの、路面は乾いている。やったぁ!これで気温さえ上がれば…と思っている矢先にまた雨がポツリポツリ…。ところで今日山へ行けるのは都合により、Fさんと私だけ。携帯で打ち合わせをして、とにかく行ってみようということになり、Fさんのルノーで青麻山を目指す。
 登山口で空を見上げると、何だか明るくなって来ている気がする。お昼頃には雨も上がるだろうとの希望的観測の元に、取りあえず腹ごしらえをしようと白石在来線駅の近くの温麺屋さんへ…。(ちなみにこの温麺、天ぷらとセットで1000円。ワサビより生姜味のタレの方が、私のお気に入り)

 

クモガタヒョウモン(2003.06.01 蔵王町青麻山)

 食事中も外が気になり、何度も視線を窓の外にやったのだが、期待も空しく雨の様子は一進一退。でも、まあ、行ってみましょうと、先の登山口へ…。途中、何とカモシカが迎えてくれたが、撮影までは至らず。残念!
 山は、低い雲に被われて、ときどき明るくなることもあるが、完全に雨が止む様子がない。近くをうろつくと、ヒメウラナジャノメが足元から飛び出した。もしかしたら、こちらから近づけば、何種類かの蝶は飛び出してくれるのではないか…との期待で、雨にも拘わらず、とにかく出発してみよう。

  歩き出して直ぐに目に着いたのが、クモガタヒョウモン。そして、時折クロアゲハも飛んでいる。また、クロヒカゲらしき蝶も見えかくれした。

 

ダイミョウセセリ(2003.06.01 蔵王町青麻山)

 続いて写真に納まってくれたのは、ダイミョウセセリ。北海道に生息してはいるが、道南のみの発生で、私は未だ道内で見かけたことがない。
 しかし、ポツポツと姿を現してくれる蝶に、これは何とかなるぞと期待を込めて山頂を目指した。ところがこの山、傾斜が急な割には岩石が露出していない。登山道も足元は土。雨を含みヌルヌルになって悩ませてくれた。特に頂上直下の急勾配には、幾度も足を滑らせながらの登山となった。

 

青麻山山頂(2003.06.01 蔵王町青麻山)

 ひーこら言いながら、Fさんの後に着いて頂上にたどり着くと“居ますよ!”とニコニコ顔のFさんの声。そこには高速で飛び回るアオバセセリの姿があり、時々スミナガシも参戦して飛び交っていた。
 とにかく、呼吸を整えてから…と、それまで着ていたポンチョを脱いだ。汗を含んでぐっしょりになったシャツは、ポンチョを着ている意味が無いように思えたからだ。山頂からの景色も…うーん、晴れていたら素晴らしいんだろうなー!

  呼吸が整ったところで、いざ撮影と思ったのだが、アオバセセリは雨が小降りになると飛び交ってはくれるが、あまりに高速で見失ってしまう程。しかも全然静止してくれずに、全く写 真にならない。時折現れるスミナガシもアオバセセリと追いかけっこするだけ。せめてネットで…とも思ったが、それも叶わぬ 程の高速飛行。残念ながら下山予定の時刻となり、目撃のみで終わってしまったが、下山途中にもアサギマダラが姿を現し、この山の魅力だけはしっかりと見せつけられた。またいつかきっと…そう固く思いながら、車中の人となった。

 

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