奇岩(2002.07.28 大雪黒岳)

 いよいよ明日からデジタル写真展が開催されるというのに、準備が済んでいない。しかしお天気は良さそうと、またまた悩んだ末に、やっぱり山へ行こうと決断する。私は、フィールドに出掛けてナンボのFieldさんじゃい!
 半場、いや殆どやけっぱち状態。良いんだろうかこんなで?いいえ良いわけありません。ツケは必ずやってくるものです。
 今年の相棒S氏にまた運転をお願いして大雪黒岳へ…。「バキ(ウスバキ)見れるから」「オオイチの雌も見れるから」「大した距離じゃないから」とちょっと騙しが入っていたかも…。写 真は黒岳登った人なら見覚えがある奇岩風景。ナントカ岩なんて名前付いてるンだろうね。シランけど…

 

イワギキョウ(2002.07.28 大雪黒岳

 実はS氏、体調を崩し、やっと治ったばかりの病み上がり。しかも喘息。でもね、こうして綺麗な空気吸えば治るから。ほらお花もこんなに綺麗でしょ。お天気も久々に、こんなに良いんだから…
 途中慰めになったのが、大雪名物のシマリス。S氏もシマリスを自宅で飼育するほど好きなので、出てくる度にシャッターを切っていたのだが、あまりに頻繁に出てくるものだから「もう、シマリスはいい!」と言い出した。
 もう、ごまかしが効かない。お願い何かめぼしい蝶々出て来てよねー。そうでないと「もう降りる」と言いかねない。こりゃまじーぞ!

 

イワブクロ(2002.07.28 大雪黒岳山頂

 そうこうしているうちに、いきなり頂上に着いてしまった。「頂上まで行かなくても蝶が見れると言ったのに!」とびーびー言いながらも、頂上でVサイン出してるS氏。(本人の許可無くお見せできませんが…)しかし、蝶はどこ?不安がよぎる!

 

アサヒヒョウモン(2002.07.28 大雪黒岳

 せっかくここまで来て、何もめぼしいものがなければ、あたしゃ立場がない。「もうちょっと歩いてみよう、ほらあの辺り居そうな気がするから」
 実際黒岳から北鎮方面はガレ場が続き、コマクサもちらほら見える。天気は良好、風も穏やか、これで何もいない訳がない。その時、救いの神があらわれた。小さなシジミがちょこまかと飛んでいる。「カラフトルリだよこれ!」ところがS氏はキョトンとするばかり。もっとも小さいヤツが飛んでるというだけで、とまってもくれず。確認のしようもない。そのうち「ダイタカだよ。ダイタカ!」これまた薄汚れた色の蝶が飛んだだけ。「バキだ!まだ黄色いよこれ!」と言っても、黄色っぽいのが飛び去っただけ。私の興奮をよそにS氏の欲求不満はつのるばかり。
 そしてついにチャンスが来た。アサヒヒョウモンが私の側にとまったのだ。フレーミングもピンも考える余裕もなく、取りあえずシャッターを3枚切ったところで飛び去った。しかし、今度はS氏の側にとまったではないか!ところがS氏の様子がヘン!「どうした?」。「カードが…」と情けない声。デジのメディアがいっぱいでシャッターが落ちない。取り替えている隙にアサヒヒョウモンは飛び去ってしまった。

 

オオイチモンジ(2002.07.28 高原温泉

 「良かったじゃない。大雪の天然記念物4種とも全部見れて」私の言葉も、S氏には意味なく、慰めにもなってない様子。何だかいろいろ飛んではいた。しかし、とまった姿を確認も出来ず。1枚の写 真も撮れず。S氏は欲求不満の塊になった様子。下山する足の速いこと速いこと。無言でひたすら降りる。「何だい。元気ジャン!」
 どうにか少しでもS氏に良い思いをしてもらいたいと、次に寄ったのが高原温泉方面 の林道。「ここはオオイチの雌が出るから」と慰めながら林道の奥へ…しかし、先客が居て、トラップをかけている。それに誘われて、ボロの雄のオオイチが来ていた。
 どうしよう…と思っていたら、オオイチの雌が出た。デカイ!キレイ!「雌だ!後ろ後ろ!」S氏後方上空の雌を視野に入れたが、今度も、見た…というだけ。夕方になったので、帰途についた、途中クモマベニの発生地だけ教えたが、寄る時間はもうない。一応アサヒヒョウモンの写 真をゲットした私とうらはらに、どよ〜〜んとした表情から脱することがなかったS氏だった。

 

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