キチョウ(200310.27 沖縄県国頭村与那)

 国道58号線を南下していたら、海岸に降りることが出来そうな場所を発見し車を適当な場所に寄せた。そこは岩場の海岸だったので、海の小動物に期待して、コンクリートの階段を下りてみようと思った。案の定階段を下り掛けたとき、何やら生き物の気配がした。じっと様子を見ていると、それは結構な大きさのカニだった。しかし階段は結構ヌルヌルと滑り、危険を感じたので降りるのを断念した。
 車に戻ろうとしたら、道路脇のアワユキセンダングサにキチョウがとまっていた。北海道には棲息していないものの、本州以南どこにでも居る蝶なので、マトモにカメラを向けたことがなかった。こんな時を逃がすと、またいつ写 真を撮る気になるか分からない。綺麗で可憐な蝶なのに、珍しくないというだけで無視していたことに反省を込めてシャッターを切った。

 

コノハチョウ(200310.27 沖縄県国頭村与那)

 国道を与那の辺りから東に折れた。走行中に何かタテハのような物が飛んだ気がして車を寄せた。左手の崖の上の方に天然記念物のコノハチョウが見えたがあまりに遠い。一か八かで落ちていた少し曲がった木の枝を、ブーメランよろしく投げつけてみたら、ミゴトに止まっていた枝を直撃した。コノハチョウは驚いて、何と今度はやや近い木の枝に移動してくれた。
 翅に傷みのない綺麗な個体だった。なんとかシャッターを切ってみたが、まだまだ遠い。そこで欲を出して小石を投げつけてみたら、今度は崖の上の林に逃げ込まれてしまった。2匹目のドジョウはやはり居なかった。

 ところで、ここまでに何故かジャコウアゲハというものを見ていなかった。春にはあんなに見たのにどうしたことかと思っていたら、ここで何頭か見ることができた。ただし、春先に見たものより色は褪せた感じで、しかも小型で貧相に見えたので、写 真を撮る気にはなれなかった。

 

リュウキュウハグロトンボ(200310.27 沖縄県国頭村与那)

 昨日、比地川でこのトンボは目撃していた。何とか撮影したくて追いかけたのだが、逃げられてしまった。比地からさほど遠くないこの与那川にも可能性はあると読んでいたが、大当たり〜!!比地より渓相が穏やかなので、楽に撮影することが出来た。本州のハグロトンボより、翅に幅があり、翅脈が細かいのが特徴だとか
 そろそろお昼になり、お腹が空いてきたので国道に戻り、南下しながら食堂を探した。右手にやや大きな食堂を発見し入ってみた。窓側にテーブルが並び、反対側は小上がり。その向こうがガラス張りになっていて、ガラスの奥はまるで野草園のような状態で、色々な植物を見ながら食事が出来る。普通 の食堂と思って入ったのに、ちょっと驚いた。

 ところで私は、山遊びをしているときの外食は、大体麺類と決めている。当然注文したのは“そーきそば”スペアリブ入りうどんと思っていただいて良いだろう。やや薄味だったが旨かった。レジにいたお婆ちゃんに“良いところですよねー”と言うと“今時期はねー”との返事。やはり毎年の台風時期は大変らしい。私が北海道出身と聞くと、“そこの歯医者さんね、北海道から遊びに来て、気に入ったと言って住み着いちゃったのさ”うーん、歯医者さんが羨ましい!!

 

オオゴマダラ(200310.27 沖縄県今帰仁村)

 さて次は何処へ行こうか?特にアテはなかったけれど、今帰仁村(なきじんそん)方面 へ向かうことにした。地図と睨めっこするにも疲れたので、適当に走っていた。途中道が渋滞した。何だろうと思ったら、トラックが脱輪して、側溝に落ちていた。沖縄の道路の側溝は、コンクリートで、いきなり直角に溝になっている。ガードレールも縁石もなく、危ないナーと思っていたら、やっぱりねー。昨年走行した石垣の道路も同じで、ヒヤッとしたことがあった。
 あちこちどう走ったか記憶にないが、やや広い原っぱを見つけ車を停めた。アワユキセンダングサがびっしり咲いていて、蝶がやってきそうな雰囲気だったが、何も見えなかった。しかし、車から降りて近づいてみたらビックリ!!花には無数のイシガケチョウが止まっていた。その中にオオゴマダラを見つけてニンマリ!しかし、昨年の石垣島、一昨年の知念でみたものよりかなり小ぶりだった。

 

ナミエシロチョウ♀(200310.27 沖縄県今帰仁村)

 ははは、やったよ!ナミエシロの雌だよ。雄は一様に白くて魅力に乏しいのだが、雌はご覧の通 り美しい。昨年石垣で、撮り損ねただけに、とても嬉しかった。私の図鑑では、土着北限が八重山になっているが、一昨年春の知念でも採集してるので、おそらく沖縄本島にも既に土着しているのだろう。

 

イシガケチョウ(200310.27 沖縄県今帰仁村)

 そうそう、この写真も紹介しなければ…無数のイシガケチョウと書きましたんで沢山居そうな雰囲気の写 真です(笑)おそらく必死にネットを振れば、ここだけで3桁採集できたんじゃないかと思えるほど居ましたねー。もともとこの蝶は、単独で居ることは少ないと思うのですが、ここまでの群生は初めて見ました。
 そういえば今ふと思ったのですが、この蝶、何故か止まるときには、まるで標本にしてピンに刺してあるんじゃないかと思うほど正しい(?)姿勢ですが、何か意味が有るのでしょうかねー。どなたかご存知?

 

クロボシセセリ(200310.27 沖縄県今帰仁村)

 こちらも、沖縄に来る度にお目にかかっている蝶です。1973年に石垣島で初めて発見されたそうですが、今ではどこにでも居るみたいです。ついでに、この蝶の食草はヤシ類なんだとか…

 

バナナセセリ幼虫(200310.27 沖縄県名護市)

 その後、私はやんばる亜熱帯園というところに寄った。南国の植物を集めた植物園みたいなところだ。うっそうとしたヤシ林を歩いていたら、目の前に大きなセセリが止まった。いや、あまりに大きくて最初は何が止まったか理解できなかったのだが、形はセセリチョウだった。慌ててカメラを構えファインダー越しに見たそのセセリは、前翅の間に僅かに黄色い紋が見えた。バナナセセリ!そう思ってシャッターを切ったが、写 真には映っていなかった。しばらくその周りをうろついたが、姿を現してくれなかった。近くのバナナの木を調べたら、葉を丸めた巣の中に幼虫が居た。うーっくやひー!!お持ち帰りしても育てられないし…
  本日の報告はここまで、夕日もガスがかかって綺麗には見えなかった。明日はもう沖縄を離れなければならない。残った八重泉を空けてぐっすり眠ろう!

 


戻る      2003年版目次へ      次へ