シックな蛾(2003.07.21 中札内)

 今日の北海道、またまた気温が上がらない。でも、そろそろウラキンシジミも出てるのではと、気になって仕事にならない。気になることは、さっさと解決しなければ、精神衛生上良くないから…と思いきりこじつけて、やっぱり今日もちょこっとお出かけ!
 天気予報ではお昼頃には22〜23度に上がる予定だったのだが、ポイントについて車外気温計で16度…うーん寒い!!でも、蝶も発見さえすれば、動きが鈍くて撮影しやすいのでは…等とノー天気に構えて林道を歩いてみたのだが、いくら何でも寒すぎるようで、時折スジグロシロとセセリを見る程度。ダメだこりゃ!!
 昨年ツマジロウラジャノメを見つけた崖に着いたのだが、やはり飛んでない。もしかして崖に蛹でもぶら下がってないかと、じっと目を凝らしているときに見つけたのがこの蛾。どこぞの王様の、金の刺繍を施した黒いマントみたいなデザインで、ちょっと恰好良いんでないかい?遠くからシャッター切ってみましたが、後で思うに何とか翅を広げさせて、デザインの全貌を見届けるんだったなぁー…と反省しきり!(私の図鑑には載ってないようなので、お名前ご存知の方は是非お知らせ下さい。)

 

エゾイヌゴマ(2003.07.21 中札内)

 そのポイントは諦めて移動中に、広い草原に出た。その草原の一角でスジグロシロチョウとヒョウモンチョウ類が乱舞していた。いったい何があるのかと車を降りて歩いてみると、草むらの中にポツンポツンとピンクの可愛い花が咲いていた。蝶達はこの花がお目当てのようだった。
 花は
どうやら、エゾイヌゴマのようだ。ゴマのような実を付けるが食用にならないからと付いた名だそうだが、こんなに可愛い花に何でこんなネーミングしか思い浮かばなかったのだろう。だいたい、犬を馬鹿にしてやしませんか!って、私が憤ってみても仕方のないことなんですけどね。

 

死んだフリ(2003.07.21 中札内)

 次に訪れたのがジョウザンシジミのポイント。ここら辺りには大きな崖があり、ジョウザンシジミが発生する場所が点々とあるのだが、その1ヶ所だけで夏型が発生していた。そっと近づくとパタパタと飛び地面 に止まったかと思ったら、そのまま死んだフリをしているではないか!先日ゴイシシジミが落ちていたので、死んでいると思い手をのばしたら逃げられてしまったと仰っていた方がいらしたのだが、全く同じ情況の様だ。やはり手を近付けると、飛び起きて飛んでいってしまうのだ。
 面白半分に、葉上で休んでいる蝶を数頭驚かしてみたのだが、皆一様に死んだフリをした。おそらく気温が低いと一気に逃げ去る体力が無く、こういった行動をとるのだろうと思った。

 

ジョウザンシジミ(2003.07.21 中札内)

 ところで、ジョウザンシジミの夏型であるが、近辺にいくつも崖があり、春にはどの崖にもジョウザンシジミが居るのだが、何故か1ヶ所に限って発生していた。これも想像の域を出ないのであるが、この崖だけが南東を向いていて、比較的日照時間が長そうである。他の崖は真東を向いていて、午後からは日が当たりそうもない。そんな理由で、この崖だけで夏型が発生したのだろうか?
 いずれにしても、夏型のジョウザンシジミは真っ黒け!というイメージだったのだが、こうしてアップで見ると、思いのほか渋い色合いで、良いかもしんない!

 

クジャクチョウの幼虫他・ヒメキマダラヒカゲ・コヒオドシ他

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