第22章 水の都その3(Italy8)
5.散 策 ルチアーノとの待ち合わせの時刻になった。大鐘楼の前で座っていると、程なく彼が現れ、皆も戻ってきた。そこで、今朝ルチアーノ・ママの作ってくれたサンドイッチを頬張る。
てなことで、お腹も満たされサン・マルコ広場を離れ散策に出かけた。途中ルチアーノが、このシーンは撮っておけというので、撮ったのだが、後で調べたら奥の上方にあるのが“溜息橋”という有名な橋らしい。ドゥカーレ宮殿(写
真左)内の裁判所と牢獄を繋ぐ橋として造られたそうで、橋の名前もそれに由来しているらしい。
ある仮面ショップに立ち寄った。入口付近に着色前の真っ白な仮面
が置いてあった。とりあえず、それを買って自分でペイントしたくなった。ついでに中もじっくりと見せて貰っていたら、ひとつちょっと気が惹かれる仮面
を見つけた。価格も先程の高価な物の1/4程だったので、両方買い求めた。私自身へのお土産である。(後の章でご覧にいれます)
露天のみやげ物屋でルチアーノがゴソゴソやっていた。振り返ると素敵なエプロンを試着していた。1つ買っておくんだったかな? お土産も買ったことだし、そろそろこの街にも別 れを告げようと、ルチアーノに付いて歩いたのだが、彼も少し迷子状態。何しろ狭い路地の入り組んだ複雑な構造で、もちろん車の走ってない街だから、交差点も住所表示板も無い。地図なしでさまよったら、金輪際脱出不可能と思われるほどの複雑さだった。そしてようやく見えてきたのが、このリアルト橋。実はベネツィアに入るには船の他に橋が2つだけあるのだが、この橋の方が有名らしい。橋の上にもお土産屋さんがびっしり並んでいた。 やっと外界に出て歩いていると、ドアにブルーのリボンが飾ってある家を発見。そういえば、さっきも同じようなリボンのドアを見たぞと思い、近づいて確認したら、ハハーン、どうやらこの家で男の子が産まれたらしい。生まれた日時と、子どもの名前がメモに書かれていた。
ベレーナに確認したら、女の子の時にはリボンがピンクなんだと説明してくれた。日本では葬儀の時に、それと分かる表示をするのと対照的だと感じた。
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