カラスアゲハ類の比較
(いずれも夏型♂)
カラスアゲハ
オキナワカラスアゲハ
ヤエヤマカラスアゲハ
ミヤマカラスアゲハ
 近縁種4種(いずれも♂の個体)を並べてみました。ミヤマカラスアゲハが別 種であることは、従前から異論の出ることはなく、誰もが認めるところですが、カラスアゲハについては、幾度かの変遷があったようです。とりあえず現段階では、日本産の中でも・沖縄諸島産・八重山諸島産は別 種に区分されるということで、落ち着いているようです。
 沖縄・八重山では意外とカラスアゲハの発生数が少なく、Fieldもあまり多くの個体は見ておりませんので、明確な区別 点は分かりませんが、表面の金緑色の鱗粉の発達は良くないようです。また、前翅裏面 の白色帯には、ご覧のような特徴があります。
 また、沖縄・八重山では尾状突起の発達が良くないように思われます。これはクロアゲハが南下する程、尾状突起が短くなる傾向と似てはいますが、台湾産クロアゲハssp.amaura Jordanが尾状突起を欠いているのに対し、近縁種と思われる台湾産の、Papilio bianor thrasymedes烏鴉鳳蝶(翠鳳蝶…カラスアゲハ)また、Papilio dialis tatsuta臺湾烏鴉鳳蝶(穹翠鳳蝶…タイワンカラスアゲハ)などで尾状突起を欠く種は存在しません。