不思議の国へ その5 巨大生物への憧れ

ザトウクジラ(2010.09.25)

 オーストラリアへ何をしに行くのか?相当迷った。時期は春先…もしかして、春には一斉に蝶の羽化?いや、冬でもさほど気温が低くはない場所だから、それも望めない。ところでオーストラリアの蝶相ってどんなだろう?情報が全く無い!唯一有名なのはユリシス。しかし、ユリシスの生息地はオーストラリア北部。ゴールドコーストは中部だから、居ないのかも?じゃあ北部までの距離は?レンタで走る?いやいや、700kmくらいありそう、馴れない道の700kmは辛いかも…。
 直前まで悩んだ結果…蝶は断念することにした。代わる目的は…ビーチなんだから海が良いかも!何々、クジラ・ウォチングのシーズン?30m級の
ザトウクジラかぁ。よし、それに決めた!もともとFieldは巨大生物に憧れがあった。8畳間が泳ぐ…マンタ…とか、クジラもいつか見てみたいと思っていた。30mなら異存はない。
 ネットでツアーを申し込んだ。日本語のガイド付きはやや高いが、英語のガイド付きなら、さほど高くはなかった。ホントに見られるのかなぁ?と半信半疑だったが、出航して間もなく潮を噴くクジラを見ることが出来た。

 

ザトウクジラ(2010.09.25)

 その後も幾度か見たが、遠い!もっと近くで見たいと思っていた時に、左舷から真っ直ぐこちらへ向かっている2頭のクジラが居た。同乗のお客さん達は一斉に左舷に集まった。悔しいが撮影できる状況ではなかった。
 ん?でも待てよ〜。彼奴らどうする気なんだ?もしかして、船の下へ潜って反対側に浮上する気じゃないのか?!そんな気がして、一人右舷の船縁にしがみついてカメラを構えていたら…出たぁ!!思惑通 り直ぐ目の前に2頭が浮上してくれた。ここぞとばかりに連写!!!

 

ザトウクジラ(2010.09.25)

 2頭のうち1頭の尾は、何が原因なのか大きく欠損していたので、痛々しくて皆様にお見せするのがはばかられるが、もう1頭の方はご覧の通 り、乗客の皆さんも歓喜の大歓声を上げていた。


ザトウクジラ(2010.09.25)

 取り敢えず、満足出来そうな写真が撮れて、やれやれと緊張感がほぐれてきたときに、あれれ?何だかヤバイぞ…と気付いた。乗客達も次々とトイレに駆け込み、行列が出来ていた。恐れていた船酔いだぁ。
 もともとFieldは乗り物酔いしやすい奴で、自分の運転する車にさえ酔う事がある。湖にゴムボートを浮かべて釣りでもしようものなら、まずダメだ。今回乗ったクルーザーも、まっしぐらに走行中は良い。しかし、走ったり止まったり旋回したり…それを繰り返されたから、もうたまらない。

 

ザトウクジラ(2010.09.25)

 顔面蒼白になりながら、ふと思い出したことがあった。乗り物酔い止めの指圧だ。掌から指2本分下の手首…ここを強く押す。数十秒押したら、今度は反対の手…、右・左と繰り返すこと10数分。
 あはは、止まった!辛うじて3時間程のクルージングは無事に終了。効果があったのか気のせいなのか、とにかくセーフ!!ところで、
シャッターを切った回数の、果 たして何枚が使い物になるのか?期待と不安の中、無事下船することが出来た。(汗)


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