毛虫ちゃん(2006.9.16 上士幌町

 “秋の日の ビオロンの ためいきの 身にしみて ひたぶるに うら悲し”…なんちゅうフレーズが頭から離れない今日この頃でございます。おい毛虫よ!いくら長い毛が生えていても、そのままじゃあ冬は越せ無いぞ!そろそろ越冬準備しろよ。
 ってなことで、今日のFieldは、この春にキベリの越冬態を沢山みかけたあの場所へと向かった…はずなんですけど、ふと気付くと新得に居ました。この先は狩勝峠…そして、私が目指した先はたしか三国峠の向こう側。何で新得に来ちゃったのでしょう???慌ててナビで確認したら、ここから、そこまで行くには、やはり三国峠に戻った方が近い。何?それでもまだ160kmもあるの?!
 慌ててコースを変更し糠平まで来ましたが、ここまで60km程のロスです。しかも、まだ100kmを超える距離が残っています。もう何か気力が失せてしまいました。やーめた。キベリなら糠平にも居るでしょう。

 

ミドリシジミ(2006.9.16 上士幌町

 この糠平のとある林道で、かなり古い話ではあるがキベリが乱舞しているのを目撃したことがあったのを思い出し、覗いて見るが、蝶らしい姿は全く無し!そりゃーそうだよなー。外気温13度だもん。ラジオで今朝の最低気温が9度台の所もあったしなぁー。
 ゆっくり、ゆっくりと林道を流すが、見かけたのは先程の毛虫ちゃんだけ…諦めて狭い林道をUターンして、林道の入口近くまで戻ったら、何だかゼフっぽいのが飛んだ。どうせもう擦り切れた個体だろうけれど、確認しておくかーと、車を止めて近寄ると、その小さなゼフは、ミドリシジミのようだ。
 色褪せはあるが、翅に傷はなさそう。まーこの時期、雌のゼフがボロボロになりながら、生き延びているなんてことは、時々あることだ。

 

ミドリシジミ(2006.9.16 上士幌町

 そう思いながら見ていたら、翅をゆっくりと広げてくれた。な何?雄だよこれ!いやー驚きました。この時期に雄ですよ。
 実は8月初旬にミドリシジミの写真が撮りたくて、あちこちと探したのですが、見つけられなかったのです。今 ここに、擦れた個体ながら雄が居るってことは…まさか2ヶ月も生きていたとは考えられませんので、かなり発生が遅かったのかも知れません。
 そのうちに、気温が少し上がったようで、出てくるわ出て来るわ、周りはミドリシジミだらけになりました。

 

ミドリシジミ(2006.9.16 上士幌町

 雌も当然居りましたが、前翅の模様のタイプはB型とAB型が半々でしょうか。しかし、面 白い場所を見つけました。今年はこんな状況ですが。来年は2〜3週間早く訪れてみることにしましょう。新鮮なミドリの乱舞が見られるかも知れません。

 

キベリタテハ(2006.9.16 上士幌町

 ミドリシジミに夢中になっているとき、お目当てのキベリが飛びました。200mほど追いかけましたが、止まりそうで止まってくれません。
 そうだ、糠平湖の湖岸に出てみよう。あそこでルリタテハを見たこともあるし…そう思って湖岸に出てみたら、目論見通 りにキベリが居ましたが、何だこれ?!既に縁の黄色味が抜けてシロベリになってるぞ!まさか去年の…そんな事は無いよね。
 キベリは、長い越冬生活の中で、徐々に黄色味を失うのだと思い込んでいましたが、そうではないのかも知れません。越冬前に既にこの状態です。

 

キベリタテハ(2006.9.16 上士幌町

 せめてもう少し黄色いのは居ないかと探しましたら。居ました。でも実はこれ、木屑がいっぱい浮かんでいて分かり難いのですが、水に浮かぶ流木の上で、左前翅は水面 ぎりぎりの状態です。
  何とかもっと寄って撮りたかったのですが、無理でした。最初190mmマクロで狙ったのですが、充分な大きさにならず。諦めて300mm望遠で撮ったものを更にトリミングしました。解像度はこちらの方が良いようです。

 

おまけ(2006.9.16 上士幌町

 まあ、目指すキベリは居るには居ましたが、あまり良い写 真は撮れませんでした。残念!ところでこちら、湖岸に下りるときに見た標識ですが、皆さんこれを見てどう思われます?え?分かりませんか?!
  問題は“徒歩200m”です。徒歩だろうが、ハイハイだろうが、バイクだろうが、車だろうが、200mは200mでしょう?!“徒歩3分”なら分かりますよ。でも“徒歩200m”はおかしいと思うんですけどねー。

 えっ?何??三国峠と狩勝峠を間違えるFieldもおかしい?た、確かに!(汗)Fieldのアタマにも秋が来ているのかも知れません。“秋の日の ビオロンの ためいきの 身にしみて ひたぶるに うら悲し…”ハァーッ

 

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