ヒシクイとハクガン(2005.11.27 十勝川河口

 ピピッピピッとけたたましい電子音。何でこんな朝早くに目覚ましが鳴るんだ?今日は日曜だろ?昨夜も遅かったのに!…と、朦朧としたアタマで考える。あ、そうだった!浦幌町にカナダヅルが30数年振りにやって来ているらしいとの情報があったのだ。今日も出勤予定なのだが、その前に探してみようと目覚ましをセットした事を思い出す。
 こうしてはいられないと、車に乗り込み出発。目的地には1時間弱で到着したのだが…。広大な十勝川河口付近の農道をゆっくりと流しながら探すが見つからない。やがて農道は行き止まり。ここも違う。次の場所も違う…と時間が過ぎて行く。やって来ているのは1羽だけだから、探すのも容易ではない。先行者が居てカメラでも構えていてくれれば、探すのも楽なのだが、どうもそれらしき人影も車も無い。

 今日はどうやらダメみたいだと思いながら、でも折角来たのだから他の鳥でも…と方針を変える。先程見かけぬ 鳥が数羽、西の方角に飛んだ。あいつの正体を突き止めてやろうと車を西に向けた。しかし、何も居ない。道路は右に緩くカーブしていた。それに沿って車の方向を変えた途端に、異様な景色を目撃した。

 

ヒシクイとハクガン(2005.11.27 十勝川河口

 陽は登っていたものの、厚い雲に遮られ、薄暗かったのだが、牧草畑が何やらざわめいている。よーく目を凝らすとおびただしい程の数の鳥!2003年3月、この地でヒシクイの群を見たことを思い出した。きっとそうに違いない。ってことはハクガンも居るのではないかと探してみたら。5羽程発見!助手席の電動ウィンドウを開けて、運転席からシャッターを切ったが、うーん遠い!!(上の写 真はトリミング&かなり明るく補正してあります)
 意を決して車から降りることにした。私の服装は、下はオリーブ色のパンツだが、上は真っ白のフリース。まあ、ハクガンも居るんだから大丈夫だろうと甘く考えていた。レンズを広角に換え、広大な牧草畑をヒシクイが埋め尽くしているシーンを撮ろうとした。それでも用心してドアはそっと開け、閉めるときも手でそっと押しつけるようにして閉めた。ヒシクイに反応はない。シメシメ…

 車の陰から、そっと身を乗り出したときに、3羽程のヒシクイが宙に浮くのが見えた。次の瞬間、ものすごい羽音と共に全てのヒシクイが宙に舞った。まるで、誰かがスターターを鳴らしたかのように…。おいおい、そんなに過敏になるなよ。逃げること無いでしょ!何もしないから!!戻って来いよ!あーあー行っちゃったぁ…呆然と立ち尽くすFieldであった。それにしてもスンゴイ数だこと…1,000羽はどうかワカランけれど、500〜600羽以上は間違いなさそうな様子だった。

 

マガンとヒシクイ(2005.11.27 十勝川河口

 舞い上がったヒシクイは、幾つかの集団に分かれて飛んで行った。(ハクガンを目で追うとしっかりと小集団を形成し、バラバラになることはなかった)そして、その内の中規模のチームが東の地点に舞い降りたのを確認できた。
 今度こそ失敗はしないゾと思いながら車を移動させる。ゆっくりと集団に近づき、一番近くの農道脇に車を停める。とにかく車から降りたらダメみたいだ。窓を全開して観察。うーむここだけでも数百羽は居そうだが、ハクガンの姿はない。

 ところで、じっくり見ているうちにヒシクイだけではないことに気付いた。手前右の嘴が黄色くその付け根が白いのはどうやらマガンのようだ。手前左のヒシクイよりやや小柄なのが分かる。もしかして、先程の大集団もヒシクイ、マガン、ハクガンの混成だったのだろう。

 

 

マガン(2005.11.27 十勝川河口

 カナダヅルを探しに来たつもりだったが、思わぬ展開になってしまった。しかし、おびただしい数のガンの飛翔。そして始めてみるマガン…ということで、今日は満足!さー戻って仕事するかぁー!

 

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