第20章 水の都(Italy6)

 

1.Veneziaへ

 昨夜は子ども達が“カブキ”を見せるからと、階上の部屋に呼び出された。一体何が始まるのかと思ったら。どうやら小動物の何気ない日常生活を劇にしたものらしいのだが、今一つピンと来なかった。しかし、幕間にドリンクを振る舞うなど、なかなか凝った演出だった。子供達にとって“カブキ”は単なる劇という解釈だったのだろう。
 5月6日 今日もお天気には恵まれてます。そう言えばスイスでは雪が降るとか言ってましたがどうなったんでしょうね?


 ルチアーノの妹さんと子供達が、スイスに帰るということで、とりあえずマルコ・ポーロ空港へお見送りすることになっていた。その後はお待ちかねのベネツィア観光だ。ルチアーノ・ママが“あそこは物価が高いから”と昼食用のサンドイッチをせっせと作ってくれた。
 空港に着いて、駐車場の都合もあり、路上でお別れを告げた。ベレーナだけは建物の中まで送って行ったのだが、なかなか戻って来ない。 どうしたのかと心配になったころ、何と、全員が戻ってきた。飛行機に乗り遅れたのだそうだ。次の便が3時なので、それまで一緒にベネツィア観光をすることになった。


さすが水の都

 ベネツィアはアドリア海に浮かぶ118の島が橋と水路で結ばれた街で、その中心スポットまでは車で行くことが出来ない。駐車場に車を置いて、船で行くことになるのだが、週末と云うこともあってなかなか駐車場が 確保できない。ルチアーノが“遅れて行くから、先に行っててくれ”ということになって、一足先に乗船。一人3.5ユーロ。しかし、その船もまた混んでいて立ち席。しかも吊革も掴まることの出来るポールの類もない。ぎゅー詰めで揺れるのには閉口したが、外の景色はご覧の通 り。


おーっ、見えてきましたサン・マルコ

 ところで、私の乗った船なのだが、すんなりと目的のSan Marco(サン・マルコ)広場まで運んでくれると思い込んでいたら大間違い。あっちに寄り、こっちに寄りしながら、その度に大勢の人が乗り降りするのだ。何だか電車みたいだなと思っていたら、これは水上バスなんだと!どうりでねー。

 

2.ここは新宿かい?


Palazzo Ducale(ドゥカーレ宮殿)

 下船して、とりあえずSan Marco広場へと向かったのですが、何なんでしょうかねーこの人混みは!思わずここは新宿か?とベレーナに尋ねましたね。しかも、多種多様な人種のごった煮状態です。どひゃー!さすが世界の観光地だわ!!


Campanile(大鐘楼)

 San Marco広場入口にある大鐘楼、ここでルチアーノと待ち合わせをしているとのことで、約束の時間まで自由行動ということになりました。しかし、どちらを向いても人人人…しかもガイジンばっかり。ん?ガイジンは私だったか?とにかく人酔いしそうです。
 そういえば、初日のミラノの大聖堂には早朝に行ったもので、こんなに大勢の人を見ることはなかったのですが、今は、もう少しでお昼という時間帯。ここへ来るのは観光客も帰り、ライトアップされるような時間帯に来るのが正解かも…

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