第11章 撮ったど〜っ(Swisse5)

 

1.巨大な牛の…

 昨夜は薬が効いたのか、少し調子が出て、例のボトルは目出たく空いた。普段不摂生な生活をしている私だが、こちらに来てからは早寝早起きを励行している。これ以上体調を崩すと、折角のヨーロッパの楽しみが半減するといけませんからね。


PIS DE VACHEと云う名の滝 (数秒で背中ぐっちょでした)

 ルチアーノのコーナーにスイスの写 真が数枚掲載されている。その中に滝の前で撮ったものがあったが、今日はそこを訪ねることになった。日本で滝は、観光名所とされる場合が多い。ましてや、その滝が巨大で、しかも交通 の便が良ければなおさらだと思うが、ここスイスではあまり重要視されていないらしい。何故かと訪ねると、どこにでもあるからさとルチアーノは答えた。ナルホド確かにこの場所に行くまでに、4つや5つの滝を見たと思う。
  この滝には“PIS DE VACHE”という名が付いていた。もしやと思い聞いてみたらやっぱり…意味は“牛のオシッコ”なのだ。この地方チーズで有名な場所なので、いたるところで牛が放牧されていた。私が“山の頂上にとてつもなくデカイ牛が住んでいるに違いない”と真顔で云うと、ルチアーノは大笑いしていた。

 

2.そして、ついに…


キマダラヒカゲの一種

 滝から少し下った林の中で、見たことのない種類の蝶を発見した。ちょうどモンシロチョウ程の大きさだが、シロチョウ科ではなくヒカゲチョウの模様だった。ネットインさせたのだが、三角ケースを車に乗せたままだった。慌てて車に戻り三角ケースを取り出し、ネットの中を確認したら、いつの間にか逃げられていた。林の中に戻り必死に歩き回った結果 、再度発見。やれやれ、良かった良かった!


スイス産クモマツマキチョウ

 その林のすぐ下に線路があった、その線路沿いに空間が開け明るい日差しが注いでいた。そこへ、あの蝶が…カメラはルチアーノが持ったままだ。“Luchiaaaaano, pleeeeeeeeeease! ”と私は叫んでいた。ルチアーノは、昨日私が教えた通 り、遠くからシャッターを切りつつ蝶に近づき、6枚ほど撮ったところで蝶は飛び去った。“撮れた?”“たぶん”しかし、ドンピシャの写 真は無かった。ルチアーノの悔しがること!ははは、どうだ難しいだろ?いつも私の写 真のピンが甘いとか何とか言ってたクセに!
 この数日、見かけたのは全て雄ばかり、きっと1週間後には雌がでているだろうからと、ルチアーノに雌の模様にはオレンジ色が無くなるんだと説明。悔しかったら満足のいく雌の写 真を撮って送ってくれと言ってあるのだが、未だに写真は届いていない。

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