第10章 スイスの首都(Swisse4)

 

1.影の薄い都市

 …と言ったら怒られそうですが、実際100人に聞きました。あ、いやウソです。そんなには聞いてませんが、結構何人にも聞いてみたのですが、スイスの有名な都市名は?と聞いてもまずここは出てきません。じゃスイスの首都は?と聞いても“あれー?ジュネーブだっけ、チューリッヒだっけ??”と、まあここまで言えばまだ良い方かも。


スイス最大の大聖堂(広角が効きすぎて歪んでる)

 次に連れてきてもらったのが、ここ。そしていきなりこの前に車が停められた。どどーんとでかい大聖堂。ミラノのドゥオーモを見てなければ腰を抜かしたかも!で、ここはどこ? あ、いや、きっとルチアーノは次にどこへ行くと言ってくれたんだと思う。しかし、先程の蝶の一件でアタマが一杯になり、私が忘れていたのだと思うのだが、で、ここ、どこよ?うーんと、あ、分かった!Bern(ベルン)だ!


Samsonbrunnenと呼ばれる噴水塔
こんなのが
街のあちこちにあるが、全て名前が付いている

 確かに蝶の件もあったかも知れないが、実は昨日から私はずーっと調子が悪かった。特に咽がおかしく、咳も出ていた。“何か食べ物か、飲み物は必要ないか?”とルチアーノが聞いてくれたので、私は“薬が必要だ”と答えたら、ベレーナがアスピリンを買ってきてくれた。するとルチアーノが、マクドナルドに入っていった。水を貰いに行ってくれたようだったが、出てきたときにはマクドナルドの紙コップだけを手に、渋い顔だった。彼等はホント優しいのに、マクドナルドは冷たかったようだ。結局私は噴水塔の水で薬を飲んだ。考えてみたら、噴水塔の水は“スイス・アルプスの美味しい水”じゃないか!


時計塔(1191年完成 1405年火災に遭うが修復されたそうだ)

 街全体が世界遺産になっているだけあって、とても美しい街だった。私も薬が効いたようで、少し楽になったので、街をうろついた。この時計塔の左はアーケード状の商店街になっている。そこを歩いているときに正面 から、あれ?見たことのあるおば様が!と言っても知り合いではなく、ブラウン管で見たことのある顔だった。胸にはえんじの縁取りの金色の菊模様のバッジが…。某国大臣経験者の、あの方だった。後方に2人のお付きのおじさんがいらっしゃいましたね。


世界標準!

 時計塔の下が通路の様になってるのにお気付きでしたでしょうか?そうです。通 路です(笑)そして、そこにこんなのがありました。ルチアーノによれば、世界の物差しの標準がここにあるんだとか。そして1mの標準は下から2番目なんだとか…。でもさ、私の記憶ではそれってフランスの某博物館にあるって聞いたけどなぁ?ところで“尺”もあったんだべか?もっとよく見ておくんでしたね。


Kornhauskeller(コルンハウスケラー)ボケ写 真でスンマセン!

 次にルチアーノが連れて行ってくれたのが、ここ。実は昼食をここでと考えていたらしい。しかし、蝶だ何だとすっかり遅くなって、今は夕方。ちょうど“準備中”で営業していなかった。もともとここは単なる穀物倉庫だったが、それを改装してビアホールに。どんどん室内装飾に力を入れているうちに有名になり、見学だけの観光客も集まるようになり、今は高級レストラン。お店の好意でコーヒーだけゴチになりました。

 

2.さすが世界遺産

 街の中心部には、市が立っておりました。果物・野菜・ハム・チーズ…しかしメインは洋服とアクセサリーだったようです。興味深く見学しましたが、私の財布が開くことはありませんでした。


左手が先程の大聖堂

 その後、大きな川に架かる橋を渡り、街の外から世界遺産都市を眺めました。いや、さすが見応えありましたね。ところで、この川、ルチアーノは“ARE(エイ・アール・イー)”という変わった名前の川なんだと言いましたが、その後私の地図を見ると“Aare(アーレ)”川となっていました。ここから見る大聖堂は、さすがスイス一番の大聖堂だと実感できます。


連邦議会議事堂

 橋の反対側から川の上流に見える巨大な建物は、首都なんだからあって当然の議事堂のようです。ところで、川の中程の浅瀬に熊の像がありました。シャケでも狙ってる図式でしょうか?また、先程の時計塔のからくりにも熊が出てくるとか…。 昔はたくさん居たんでしょうね。
 Bernはとても魅力のある街でした。ただ北海道人としては、ここに限らずとにかく道が狭いので驚きます。狭いメインストリートには路面 電車が往復し、それを縫うように車が走り、更にそれらを縫うように人が横断します。道路の上空は電線やら電車のケーブルやらが蜘蛛の巣のように張り巡らされていて、とにかくゴチャゴチャとした印象でした。

 

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またまた余談コーナー:文中マクドナルドが登場しましたが、スイスのあちこちで見かけました。頑なに過去の遺産を守り続けているヨーロッパ人に、何故マクドナルドだけが受け入れられたのか少し興味のあるところですが、ルチアーノはあんなものばかり食べてると絶対に身体に良くないと毛嫌いしてました。きっと若い人中心に、その便利さが受け入れられているのだろうと想像できますが、あの派手な看板が街並みの景観を損なっているのではないかと心配でした。