タテハチョウ科 (Nymphalidae)

ご注意:ここには学術的なことは一切書かれておりません。Fieldの蝶に関する思い出や印象のみが綴られております。 お暇な方だけ、どうぞお読み下さい。
■コヒョウモンモドキ
未見
■ウスイロヒョウモンモドキ
未見
■ヒョウモンモドキ
未見
■アサヒヒョウモン
 小型のヒョウモンチョウで混同するような近似種はいない。食草は、キバナシャクナゲが主であるが、全幼生期にわたり飼育された記録がないらしい。クロマメノキ・コケモモ・ガンコウランも摂取する。チングルマ・ミネズオウに産卵するが、これは食草とは考えられていない。 低空飛行で飛び回り、観察しずらい蝶である。
■カラフトヒョウモン
 北方系の小型のヒョウモンチョウで、近似種のホソバヒョウモンより生息地はやや広く、発生時期は本種の方がやや早い。おそらく北海道のヒョウモン類の中で最も早く出現するのではないだろうか。
■ホソバヒョウモン(ヒメカラフトヒョウモン)
 北方系の小型のヒョウモンチョウで、近似種のカラフトヒョウモンと棲息域がオーバーラップするが、本種の方が発生時期がやや遅い。オオイチモンジの採集にチミケップへ行ったとき、採集網の柄の部分にヒビが入り、オレンジ色のビニールテープで応急処置をしたところ、そのテープを卷いた部分に、このチョウがまとわりついてきた。やはり色で仲間を識別 しているからだろうか?
■ヒョウモンチョウ
 コヒョウモンとの区別が難しい。北海道では本種の産地が局地的(オホーツク・太平洋に面 した地域、日本海・北海道中部には産地がない)なのに対し、コヒョウモンは普遍的に産する。越冬態は本州では若齢幼虫とされるが、北海道では卵との説が有力のようだ。
■コヒョウモン
 ヒョウモンチョウより北海道では普遍的に産地があり、帯広市・北見市・苫小牧市・津別 町では混棲している。中間雑種と思われる蝶の記録もあり注意が必要。越冬態は本州では若齢幼虫とされるが、北海道では卵。
■ウラギンスジヒョウモン
 以前は市街地でも見られたチョウなのだが最近ではあまり見なくなった。公園などの樹木の下草と一緒にスミレ類も刈られてしまうからだろう。帯広神社の近くに大きなお屋敷があり、子どもの頃よくその庭先に無断で入り込み採らせて頂いた記憶がある。
■オオウラギンスジヒョウモン
 ウラギンスジヒョウモンよりやや山地を好むようで、北海道ではオオウラギンスジヒョウモンの方が数が多いように思う。
■メスグロヒョウモン

 メスグロヒョウモン属Damoraに属するのはこの1種類のみという蝶である。
 名前の通りヒョウモンチョウでありながら、オスは普通のヒョウモンチョウと変わらないのに、メスの表面 は黒を基調とし、白線のある、まるでオオイチモンジのような模様なのだ。
 また、この蝶はどうやら木の幹に産卵をするようで、地表から数メートルの高さの木の幹に1卵づつ産んでは移動を繰り返していた。生まれた幼虫は落下でもして食草を探すのだろうか?

■クモガタヒョウモン
 北海道に生息するタテハチョウの中で最も暖地系の種類で、生息数は少ない。またヒョウモン類の中で最も早く出現する。暖地では、発生後一時夏眠をして、秋に再び飛び回るという習性を持つ。
■ミドリヒョウモン
 後翅裏面の抹茶色の模様が特徴的で、似たような模様で困らせてくれるヒョウモンチョウの中では、比較的他の種との区別 がつけやすい種類だ。また他のヒョウモンチョウは草原に多いのだが、ミドリヒョウモンは森林のやや開けた場所で見かけることが多いようです。

■ギンボシヒョウモン

 十勝地方のヒョウモンチョウの中では最も数が多いかも知れない。幼虫はややグロテスクで気性も激しい感じがして、何となく手を出しにくい。スミレの根本に簡単な巣のようなものを造り蛹化する。
■ウラギンヒョウモン
 ギンボシヒョウモン等に混じって飛んでいるので見分けは難しい。また生息数はギンボシヒョウモンより遥かに少ないように思う。クモガタヒョウモン同様、暖地では夏眠するようだ。
■エゾウラギンヒョウモン
ニセウラギンヒョウモンの北海道産種。未だ数例の報告しかない。
■オオウラギンヒョウモン
未見
■ツマグロヒョウモン
 1999年7月、奈良で初めてこの蝶と出会った。雌がゆっくりと開閉する翅の美しさに見とれたのだが、撮影は出来なかった。その後沖縄通 いの中で、何度もこの蝶と出会い撮影の機会に恵まれたのだが、何故か沖縄で出会ったのは雄ばかり。雌と再会できたのは2006年の夏、山梨県だった。仲間が夢中になってクロツバメの撮影をしているさなか、一人この蝶を追いかけて笑われた。
■タイワンキマダラ
未撮影
■ヤエヤマイチモンジ
 2002年初めて訪れた石垣島で出会ったのが初対面 。最初に見かけたのが雌で、何だかおかしなミスジだなと思ったが、次に雄を見て、これがヤエヤマイチモンジなんだと分かった。その後台湾でも見かけたが、いずれも満足の出来る写 真にはなってない。また、雌は未撮影である。
■シロミスジ
未見
■イチモンジチョウ
 タテハ蝶の中では比較的小型である。またフタスジ・コミスジのように長時間滑空することも少ないように思う。次種のアサマイチモンジに似ているが、北海道に産するのは本種のみである。
■アサマイチモンジ
 この蝶との最初の出会いは、1974年の夏、宮城県だと思う。“だと思う”とのあやふやな表現になるのは、実は記憶にないのである。おそらくイチモンジだと思って採集したのだと思う。そして未整理・未展翅のまま数年放置されていた。後に三角紙標本を整理していてこの種を見つけ、慌てて軟化展翅したものが標本箱に納まっている。その後出会いのチャンスもなく、2006年、32年ぶりに撮影の機会に恵まれた。
■オオイチモンジ
 1973年夏、父に連れられて足寄町近郊の河原に立ち寄った。その川の橋の上で交通 事故死でボロボロになった雌を拾った。大きくて立派な蝶だと感動し、いつか生きているこの蝶の姿を見てみたいと思ったが、チャンスはその日のうちに訪れた。その後オンネトーに寄ったのだが、そこで運良く雄の飛ぶ姿を発見し、ネットインすることが出来たのだ。その蝶は、今も私の標本箱の中で、ボロボロの雌と共に眠っている。
■コミスジ
 普通種の典型みたいな蝶である。私の知る限りどこにでも居るという印象だ。沖縄ではリュウキュウミスジという種に置き換わるが、それもまた沖縄のどこにでも居る。この蝶を探して、わざわざどこかに出掛けることはまず無い。いつも何か別 の種を探していて、ついでに撮る(採る)という感じではあるが、決して魅力のない蝶とは思っていない。だから、見かけると積極的に撮影しようとするのだが、この蝶止まりそうで止まらない。ひたすら飛び続け、止まったと思ってもまた飛ぶ。撮影するには案外と厄介な蝶ではある。
■リュウキュウミスジ
 何だ、コミスジか…と沖縄で初めて出会った時にそう思った。でも待てよ。沖縄産は別 種だったはずと思い出したのだが、どこが違うのか記憶に無いまま撮影した。後で裏面 の白帯の縁が黒く縁取られていることで区別できると分かった。しかし、表面 を見る限りどこがどう違うのかは分からない。別種と別亜種、いったいどこで線が引かれてるんでしょうね?
■ホシミスジ
未撮影

■フタスジチョウ

 北海道産は、白帯が広く別亜種なんだと、本州からの蝶マニアは口を揃えて仰る。確かに図鑑の写 真と比較すると、北海道産の本種の白帯は広いのが分かる。しかし、残念なことにFieldは本州産のフタスジを撮影したことがない。いつかきっと…と思いながらも、おそらくその機会はまだまだ先のような気がしてならない。
■ミスジチョウ
 比較的好きな蝶ではある。しかし、印象の薄い蝶でもある。この蝶と最初に出会った時の記憶がないのだ。おそらく北見方面 へオオイチモンジに会いに行った時に初めて会ったのではないかと思うのだが、その時はオオイチに夢中で、あまり熱心にこの蝶を追った記憶がない。その後ふと気付くと、私の知るオオイチモンジの産地には、必ずと言って良いほどこの蝶も産する。それが、この蝶の印象を薄くしている原因のようだ。食草も全く違うのに、何故産地がオーバーラップするのか、ちょっと不思議な気がする。

■オオミスジ

 1981年、諏訪で1♀を採集したのだが、本州での目撃はその1度だけである。その後東京で就職し、北海道へUターンしたのだが、北海道では道南に産地があるだけで、なかなかオオミスジと出会うチャンスが無かった。意を決して道南遠征をした時に、ポイントと思われる場所に流れる川が気になった。竿を出すと面 白いようにヤマメが連れた。釣りに夢中になっている頭上でオオミスジが飛んだのを目撃したのだが、結局その遠征でオオミスジを目撃したのは、その1度だけだった。その後、道南遠征を幾度も続けたが、撮影のチャンスに恵まれるまでに更に10年、諏訪での初見から20数年後のことだった。
■サカハチチョウ
 逆さに止まったとき、白い線が漢数字の「八」に見えるためにこの名がついたようだ。北海道特産種のアカマダラとの判別 には注意が必要だ。更に春型と夏型・雄と雌で翅の模様が違うので、ややこしい。幼虫には通 常の黒いタイプと真白いタイプがありとても不思議だ。
■アカマダラ

 北海道特産種なのだが、近似種のサカハチチョウと共に春型、夏型で模様が違い、しかもオスとメスでまた模様が違う。うっかりすると、どっちがどっちなのか判らなくなるという困った関係で悩ませてくれるチョウです。本州にはサカハチチョウしか生息しないので、悩むことはないのですが…。

■キタテハ
 私が東京在住中には、近所の空き地に飛んでいた。そんな普通 種だからと手抜きをして、そのままつい撮りそびれていた。そして、いざ、この蝶の写 真が欲しいと思ったときに、北海道では幻の蝶になっていた。それでも生息地といわれる道南まで片道1,000kmを超えるロング・ドライブを幾度も繰り返していたが不発。ならばと本州に行く度にキタテハ、キタテハと騒いでいたのだが、2006.9.2私の誕生日に山梨県でようやく初撮影することが出来た。この蝶を見つけて教えてくれたBさんに感謝!

■シータテハ

 子どもの頃初めてこのチョウと出会ったとき「羽が破れている」と本気で思った。しかしあまりに左右対称に破れているので「おかしいな」と考えたことを思い出す。特に秋型はギザギザが激しい。そしてシータテハの秋型にはリンドウがよく似合うと思っているのは私だけだろうか?シータテハの名は、後翅裏面 の中央に白で「C」と書かれた模様によるものです。
■ヒオドシチョウ
 最初にこの蝶と出会ったのは、確か埼玉県で6月初旬だったと思う。越冬態ではなく新鮮な個体だった。北海道出身の私としては、こんなに早い時期にタテハが生まれること自体不思議だった。北海道では、日高地方で数度目撃しながらなかなか写 真は撮れなかった。十勝でも特に希な種で、滅多に見ることはなかったが、近年の温暖化のせいか、徐々にその姿を見る機会が増えているように思う。
■エルタテハ
 シータテハと同様に後翅裏面中央に「L」の文字型の白紋がある。早秋などに人家近くで見かけるが、本来は山地性の種類であるように思う。この蝶の日本産亜種名にsamurai(侍)という、なんとも勇ましい名前が付いているが、謂れは分からない。
■キベリタテハ
 “お兄ちゃん、これ見て”近所の4歳ほど年下の子が捕まえて見せてくれたのが、この蝶と出会った最初だった。帽子で捕ったものだから翅が破れていたが、その美しさに目を奪われた。北海道ではお盆の頃に発生した個体を時々見かけるが、未だに満足出来る写 真が撮れていない。新鮮な個体を見る機会が少ない割には、越冬態をよく見かける。しかし縁の黄色が白化してしまっていて、これを私はシロベリと呼んでいる。
■クジャクチョウ
 クジャクの羽の模様を思い起こさせるこのチョウを、私は芸者と呼んでいる。この蝶の日本産亜種名を“geisha”と言うからだ。また種名の“io”はギリシャ神話のゼウスの恋人の娘の名で、いずれにしてもこのチョウはあでやかな女性なのである。また、英名もThe Peacockと言う。真っ黒な裏面の色から想像もできない表面のあでやかさは、急に翅を開いたとき、外敵を驚かせるには充分威力があると思われる。
■コヒオドシ
 北海道のタテハの中では最もポピュラーな種で、低地から山地まで多数生息している。ホロカヤントーの林道でおびただしい数のコヒオドシが吸水しているシーンをカメラに収めたが、あまりの数にどこにピントを合わせたら良いか迷い、結局つまらない写 真になってしまうという苦い経験があった。
■ルリタテハ
 表面の輪郭の内側の水色のラインが美しいチョウである。北海道では数が少なく、多産地はない。食草はユリ科に限られているようだ。飼育したところ、オニユリをよく食べた。他にカサブランカ、クルマユリも食したが、テッポウユリ、ギボウシ、エゾキスゲにはほとんど興味を示さなかった。幼虫は“J”の字状に静止することが多い。
■アカタテハ
 北海道ではあまり数の多くない種類であるが、ヒメアカタテハが北海道で越冬出来ないのに比べ、この蝶は私も越冬態を確認しているので土着種と思われる。  秋の暖かい日差しの中で北海道の蝶のシーズンの終わりを告げるかのように日向ぼっこをしている姿がこの蝶らしい。
■ヒメアカタテハ
 北海道には土着していない(越冬ができない)ことになってはいるが、近年5月末〜6月初旬に越冬態と思われる個体を見ることがあり、どうも道南では越冬しているのではないかと思われる。8月の初め頃、河原のムシトリナデシコなどによく来ている姿を見る。上の写 真は栽培種のシロタエギクの一種だが、この後1卵生みつけて飛び去った。
■タテハモドキ
 昆虫には○○モドキと名の付く種類が結構多い。○○に似た別 種だと言う意味だろう。ところで、このタテハモドキであるが、タテハチョウ科はあってもタテハチョウという和名を持つ蝶は居ない。だから素直に解釈すればタテハチョウ科に似た別 種という意味に思える。ところがこの蝶はれっきとしたタテハチョウ科の蝶なのである。何故こんな名前が付いたものか?本人(タテハモドキ)にとっては迷惑千万!失礼なネーミングだと思う。
■アオタテハモドキ
 こちらも“モドキ”が付くがアオタテハという基本種が別 に居る様子はない。調べてみたら台湾には5種類ほどの○○タテハモドキが存在し、クロタテハモドキなんてのも居る。いずれも基本種は居ないようなので、この際“モドキ”は削除するように提案したい。ところで、このアオタテハモドキ、雄の後翅のブルーが何とも言えず美しい。南国の浜辺が良く似合う蝶だと思う。
■メスアカムラサキ
 2008年7月、念願のメスアカムラサキに遭遇。しかし、上空を旋回するばかりで着地してくれない。やむなく空撮!真っ青な空を滑るように飛ぶ姿を何とか捕らえることが出来た。
この時初めてお会いしたのが盛田さん。しかし、彼は翌年事故で亡くなってしまう。きっとこの蝶と出会う度に彼のことを思い出すことになると思う。人柄の良さを偲ばせる笑顔をきっと忘れない。
■スミナガシ
 1973年、夏休みを青森で過ごしていた。その時に行ったスキー場でこの蝶と初めて出会った。ネットインさせて標本にしたが、その標本は、私の不注意で壊れてしまった。その後幾度か出会いはあったが、国内で撮影が出来たのはその35年後のことであった。
 名前の通り、水面に墨汁を垂らしたような色彩はFieldのお気に入りのデザインである。
■イシガケチョウ
 子供の頃から、翅形が変わった蝶だなぁと感じていた。南国の蝶だと言うことは分かっていたので、石垣島を連想してイシガキチョウと思い違いをしていた時期もあった。きっと珍しい蝶なんだろうと勝手に思っていたら、沖縄県では普通 種と言って良いだろう。英名Map Butterfly というネーミングがなるほどと思える蝶である。
■フタオチョウ

 この蝶との最初の出会いは初めての沖縄。林の縁をゆっくりと滑空する姿を見つけた時に私の携帯が鳴った。その音に気を取られているうちに見失った。
 次は台湾。林道の目の前にふいに止まった。慌ててカメラを構えたがピンが合う前に飛ばれてしまった。
 ようやく
撮影が出来たのは2008年の夏。沖縄の方々のサポートでようやく実現した。感謝!

■コムラサキ
 オスの表面は強く紫色に光るが、メスには光沢が無い。幼虫はオオムラサキのように2本のツノがあり、オオムラサキのミニチュアようだ。成虫がよく林道の水たまりに吸水に来るのを見かける。 北海道では普通種なのだが、それにしてもこの蝶、まるで芸者さんのような粋な名前だと思いませんか?
■ゴマダラチョウ
 北海道に棲息する蝶の中で、未撮影種が10種になったころ、一番最後まで撮れない蝶は何だろうと考えた。その時一番最初に浮かんだのがこの蝶の名前であった。撮影地は北海道ではないが、とりあえずこの蝶の写 真を撮った今、最後まで撮れない蝶の筆頭は、フジミドリじゃないかと思っているのだが、はたしてどうだろうか?
■アカボシゴマダラ

 奄美大島にアカボシゴマダラという蝶が居ると知ってはいたが、自分のカメラに納めることは、まだまだ先のことだろうと思っていた。ところが神奈川県でアカボシが発生していると噂を聞き、2006年秋に訪ねてみた。撮影予定地に着く前に自動車道のI.C.で腹ごしらえをして出てきたら、目の前をヒラヒラとこの蝶が舞っていた。その後目的地で撮影に成功したが、このアカボシは奄美大島産とは違い、中国産亜種を誰かが放蝶したのだろうと言われている。いつか国産のアカボシを撮影に奄美を訪れてみたいものだ。

■オオムラサキ
 大型で立派な姿、日本の全都道府県に生息すること、などから日本の国蝶とされている。一般 に食草はエノキだが、北海道の場合はエノキが分布の北限を越えているので、エゾエノキが食草となっている。道内での生息地はごく限られているのだが、札幌円山周辺と、栗山町が有名で、特に栗山町ではこの蝶を条例で保護し、町の蝶となっている。私が初めてこの蝶と出会ったのは長野県で、河原に沢山のオオムラサキの姿を見て感動した記憶がある。