シロチョウ科 (Pieridae)

ご注意:ここには学術的なことは一切書かれておりません。Fieldの蝶に関する思い出や印象のみが綴られております。 お暇な方だけ、どうぞお読み下さい。
■ヒメシロチョウ
 小型のシロチョウで北海道での生息地は渡島半島南部・石狩低地南部・日高南部・十勝中部に点在する。華奢な雰囲気で、翔く度に体が上下する感じだ。しかし、なかなか止まってくれず、この写 真を撮るときも、数百メートルこの蝶の後ろをついて歩かされた。
■エゾヒメシロチョウ
 小型のシロチョウで北海道北部の一部を除き全道に生息する。帯広市近郊では近似種のヒメシロチョウも生息しているので区別 が難しい。ヒメシロチョウと共に、シロチョウ科の中では小型の部類で翅自体も薄い感じで弱々しいイメージだ。
■キチョウ
 本州から沖縄までどこにでも居る普通種。北海道には生息していないのであるが“普通 種”であると思うとなかなかカメラを向ける気にもなれずに、長いこと未撮影種リストに名が残っていた。1970年代に1枚だけ埼玉 県の森林公園で撮影した写真があったが、ピンが甘くお蔵入りさせたまま、結局何とか見られる写 真を撮ったのが何故か沖縄本島。沖縄の“キチョウ”が特に“貴重”だからという訳では決してなかったのですが…。
■タイワンキチョウ
 タイワンキチョウの確実な生息地は八重山諸島ということになっている。ところが八重山諸島にもキチョウが生息している。石垣島で何枚かタイワンキチョウと思われる蝶を撮影したのだが、どれもこれもいずれの種類か確証が持てず、結局殆どがボツ写 真となってしまった。こじゃあイカンと2004年10月、心して確認しながら撮影したのがこの写 真であるが、結局タイワンキチョウと確証の持てる写真は、2007年3月現在唯一この写 真のみである。
■ツマグロキチョウ

 2005年8月、Field club関東撮影会を行ったときに訪れたさくら市で、初めてこの蝶と出会った。翅型全体がキチョウより丸みが無く、やや小ぶりな印象だった。それにしてもこの時は、栃木・埼玉 ・千葉・東京と本当に多くの方にお集まり頂き、とても感激し、忘れられない1日となった。

■モンキチョウ
 春早くに姿を見ることがあるので成虫で越冬すると昔の図鑑で読んだ記憶がある。また幼虫は凍死するので、生き残るのは蛹化したものだけと言われたこともあった。現在の定説では中齢幼虫で越冬するとのこと…でもどうやって寒さを凌いでいるのでしょうか?また、オスは全て黄色だが、メスは黄色い種類と白っぽい種類の2型がある。
■ミヤマモンキチョウ
■スジボソヤマキチョウ
 チョウと云うと、どこかしらか弱いイメージがあるものだが、それは、心許ない飛翔、うすっぺらな翅(はね)からくるものだと思う。それでもよく観察すると、大抵のチョウはそれなりにしっかりした翅脈(しみゃく)に支えられた翅を持っているものだが、このチョウは名前のようにスジ(翅脈)が細く、しかもシロチョウの中でも大型の部類に入るものだから、よけいに頼りない印象を受ける。特に前翅の外縁の翅脈が細く、まるで黄色い紙をハサミで切っただけのような感じだ。同じシロチョウでも、南方系ののナミエシロチョウ、ウスキシロチョウ、ツマベニチョウ等のように颯爽と飛び回る種類とは異質だ。チョウというより“ちょうちょ”といいたくなるのは、私だけだろうか?
■ヤマキチョウ

 2006年9月のField club関東撮影会で初めて出会った蝶だ。それまで図鑑でしか見たことが無く、スジボソヤマキチョウと区別 出来るだろうかと心配していたが、翅型だけで容易に区別が付くことが分かった。“百聞は一見に如かず”とは正ににこのことだと実感した。

■ウスキシロチョウ
 2001年春に知念半島で初めてお目にかかった。ギンモンウスキシロチョウという名が頭に浮かんだが、後によく調べてみるとギンモンウスキシロチョウとムモンウスキシロチョウに分かれていたはずが、ウスキシロチョウと名前が1本化され、ギンモン型とムモン型に分類されていた。採集記録は関東まで各地にあるが、確実な土着北限は日本の最南端部だけのようだ。
■ウラナミシロチョウ
■ミヤマシロチョウ
■エゾシロチョウ
 帯広市内の庭木に大発生して新聞などのニュースで取り上げられることがある。幼虫は集団性が強くかなりの大きな木を一本丸裸にすることもしばしば。
  私が子どものころは、街中で見かけることはほとんどなかったのだが、近年では都市部でよく見かけるのはどうしてだろう?近似種にミヤマシロチョウという種類がいるが、こちらは本州中部のみに生息する高山蝶でエゾシロチョウとの関係も興味深い。
■スジグロシロチョウ
整理が付き次第に掲載したいのだが手こずってます(笑)
■エゾスジグロシロチョウ
 同上
■ヤマトスジグロシロチョウ
 同上
■モンシロチョウ
 食草ではキャベツを特に好むようで、山間部より都市部の家庭菜園などに多く見られる。どこにでもいるような気がするが、いざ探すとなかなか見つからず、スジグロシロチョウ・エゾスジグロシロチョウの方が多いように思われる。この写 真も蝶の撮影歴30余年目にして初めてモンシロチョウにカメラを向けたものです。飼育も何度かは試してみましたが、野外からの幼虫採取では、コマユバチ類の寄生を受けているものが以外と多く、なかなか成虫までには至りません。
■タイワンモンシロチョウ
 2006年4月、初めて訪台したときに出会った。台湾にタイワンモンシロチョウが居て当然ではあるが、定山渓でジョウザンシジミを見つけた時のように嬉しかった。まーFieldの精神構造が幼稚と言えばそれまでのことではある。日本のモンシロチョウとは後翅表面 に違いがあるのだが、その違いを写真でと思うと、意外に手こずらせてくれた。
■ツマキチョウ
 ゴールデンウイークのころ、例年より開花の早かった桜の花見に行った新得町でこの蝶と出会った。シロチョウ科にしては直線的に飛ぶ(シロチョウ科はジグザグに飛ぶ種類が多い)姿を見つけ、何気なくネットインしたらツマキチョウだった。新しい種との出会いは、“図鑑で見たあの蝶だ!”と必死に追いかけネットインするケースとこのように何気なく採集してみたら思いもかけず…というケースとがある。前者の場合は声に出して“やったぁ”と歓喜し、後者は心の中で“やったぁ”と思いニンマリすることになる。おそらくニヤついている姿を他人が見たら無気味なシーンかも知れない。
■クモマツマキチョウ
 前翅先端の大きなオレンジ斑が魅力的な蝶であるが、2007年3月現在、日本でこの蝶とは未だ出会っては居ない。写 真は2005年5月にスイスで撮ったものだが、日本産と同種か、もしくはかなりの近縁種と思われるので参考までに掲載させていただく。日本でこの蝶に会うのには、かなりの苦労がつきまとうようだが、スイスレマン湖周辺には、意外と多くの産地がありそうだった。
■ナミエシロチョウ

 北海道でのシロチョウ科は、面白味に欠ける種類のように思うが、沖縄へ行くとシロチョウ科が俄然面 白い。 モンシロチョウより大型で颯爽と南国の青空を飛んでいる。ナミエシロチョウもそんな一種で、特に雌は、雄の単調な色彩 とは一線を画し美麗種と言って良いだろう。

■タイワンシロチョウ
 最初の出会いは2007年9月に台北南部の安康。台風シーズンのさなか、1日だけ晴天に恵まれ貴重なチャンスを得た。日本国内のシロチョウ科は小さい・地味・紛らわしいという印象が強いが、南国のシロチョウ科はやや大型で颯爽と飛び回り、お洒落で格好が良い。そんな中でも筆頭格がこのタイワンシロチョウだと感じている。日本国内での確実な生息地は与那国島で1966年頃より定着し日本国籍を得た。
■ツマベニチョウ
 北国の人間にとって、もはや憧れの蝶と言っても良いだろう。抜けるような青い空、真っ赤なハイビスカスにこのツマベニチョウがとまる姿を想像しながら沖縄通 いを何年も続けた。多産という程ではないが、期待を裏切ることもなく、行く度にその姿を見せてくれている。しかし、雌の写 真がまだ満足できる物がない。 また沖縄に行かなければ…
■オオモンシロチョウ
 私の所有する標本ではでは1995年瀬棚町、1996年室蘭市、1997年札幌市、旭川市、1999年帯広市産で、1999年10月29日帯広市ではモンシロチョウがとっくに姿を消しているにもかかわらず、新鮮な個体を目撃(複数)。寒冷には強い種類のようで、すっかり北海道に定着したようだ。また同年初夏に北見市で発見の報が入り、その後帯広市でも大量 の数が確認されたことから、日高山脈、大雪を大きく迂回しながら十勝に入って来たように思われる。原産はヨーロッパで、北アフリカからヨーロッパ、アジア、ヒマラヤまで分布。産卵はモンシロチョウが1ヶ所に1卵生むのに対し、オオモンシロチョウは数十卵生むようで、若齢の幼虫は群居している。帯広市内の家庭菜園で幼虫が発生し、近くにコマユバチの一種と思われるマユを発見、モンシロチョウと共通 の天敵を持っているようだ。